■2016.11
日めくり 2016年11月(平成28年) ◄►
2016.11.01 カレンダーあと二枚
賃貸なので壁に画鋲の穴を開けることはできない。
だから仕方なくカレンダーを両面テープで貼りつけている。
これが重みでたまに落ちる。何度貼り替えたことだろう。
ところが最近、落ちることがなくなった。
要するにカレンダーが軽くなったのだ。残りはあと二枚。
1月から3月まで「行く、逃げる、去る」などというが、
自分に言わせれば、10月から12月までの3ヶ月の方が速く過ぎる。
このあたりから仕事が一気に年末進行となって追い立てられるからだ。
気候的にも年始よりは年末の方がめまぐるしい。
夏服から冬服へ。通勤電車も冷房から暖房へとこの間に切り替わっていく。
そして多分「あっ」という間に今年が終わる。
2016.11.02 トランプ盛り返す?
世界一の権力者といえば、なんだかんだいっても合衆国大統領だ。
その世界で一番エライ奴を決める大統領選挙が大詰めを迎えた。
それにしてもヒラリー・クリントンとドナルド・トランプ。
双方ともそういう立場に相応しい人物なのかどうか。
ここまで疑問を投げかけられる選挙も珍しいのではないか。
メール漏えい疑惑が持ち上がった途端、トランプが一気に盛り返した。
この大詰めのタイミングで捜査を開始したFBIもえげつない。
世論調査でトランプ巻き返しのニュースが飛んだ瞬間、株価と為替が変動した。
市場にはよほどトランプに対する警戒感があるのだろう。
実際、トランプは日本に対して何ひとついいことをいっていないのだから、
今度ばかりは自民も声高らかに共和党を応援することは出来ないだろう。
しかしトランプが勝てば、一気に改憲論議が盛り上がるのかも知れない。
沖縄から米軍を撤収させるというのだから、ある意味見物なのか。
対するヒラリーは天神橋筋商店街で吊るされている豹柄が似合ってきたイメージ。
平たくいえば、見るたびに上沼恵美子化している気がする。
どちらにしても「なんちゃって大統領選挙」の感は拭えないが、
両者によるどつき漫才はいよいよ最終局面を迎える。
2016.11.03 文化の日に
80年代半ばからずっと日本の文化はサブカルチャーが支えて来た。
一言でサブカルといっても様々なのだが、私は一応にサブカルを否定している。
サブカルは好かんし、サブカルに携わる人間も媒体も享受するユーザーも好かん。
例えば『仁義なき戦い』はサブカルどもの格好の餌食になった。
サブカル連中に根掘り葉掘り掘られるものだから、みるみる映画の本質が歪んでいく。
あの映画は映画館の中の熱気こそが本質なのだ。
『シンゴジラ』などサブカル目線で観たら絶対に面白味が半減するだろう。
「○○○読本」なるムック本や雑誌が出回り始めたら警戒していい。
プロレスに興味が湧かなくなったのもサブカルどもに浸食された結果だった。
文化が成熟すればやがて文明になる。
しかしサブカルは刹那的な流行しか生まない。
……ヤクザ、怪獣映画、プロレスがメインカルチャーかどうなのか自信はないが。
2016.11.04 それにしても韓国の政治は
今、朴槿恵大統領が窮地に立たされている。
何でも知人に国家機密を漏えいしていたのだという。
世論調査では大統領支持率が5%を下回ったとかなんとか。
深夜テレビの視聴率かよ。
それにしてもあの国の歴代大統領。
退任すれば本人か身内の逮捕。または自殺というコースが既定路線なのか。
権力のレベルが低いのだろう。
2016.11.05 よその国のことはいえないか
一方、日本では内閣が一新すると必ずどこかの大臣が舌禍騒動を起こす。
概して重要法案の担当大臣がやらかすことが多い。
舌禍→審議中断→不信任提出→辞任→首相の任命責任追及。
隣の国の「逮捕・自殺」路線と比べればスケールはセコいが、
今回の山本農水大臣の問題はかなり程度が低いといわざる得ない。
そんな器しか持ち合わせない政治家が、大臣に出世して浮かれたという話としても、
これだけ言葉狩りが狂騒する風潮の中で、あまりに脇が甘すぎる。
身内だけの講演会だから平気だと思っている時点で閣僚の資格はないだろう。
というより一度目の失敗で学習できない頭の悪さに腹が立つ。
腹が立つといえば一方の野党。
審議参加に妥協したのが後ろめたかったのか、蓮紡など敵失に嬉々としている。
もっとも焦点となっているPPT法案の論議そのものが、
“なんちゃって大統領選”の主役二人が廃止を訴えている虚しさがあるのだが。
2016.11.06 108年
MLBはシカゴカブスがワールドシリーズを制した。
「ヤギの入場が許されるまで、カブスは二度とワールドシリーズに勝てない」
それから108年。カブスはワールドシリーズに勝てなかったばかりか、
リーグ優勝でさえ71年ぶりだったという。
いわゆる「ビリー・ゴード(ヤギ)の呪い」として有名な逸話だが、
たかだか18年間の低迷に「カーネル・サンダ―スの呪い」とは実に他愛ない話だった。
それでも阪神タイガースが18年ぶりに優勝した2003年は熱かった。
「仏壇の祖父に阪神優勝の報告をする父を見て、ずっといがみ合っていた二人が、
実は阪神ファンという共通点で結ばれていたことを知りました」
ある阪神ファンの娘さんの投稿には思わず貰い泣きしたものだった。
・・・・いや、タイガース優勝の話をしたいのではなかった(汗)
映画『パック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』では、
1985年から30年前後の未来でカブスが優勝している。実に惜しい。
それにしたって108年ぶりとは。。。。。
カブスの優勝を夢見てリグレーフィールドに通い詰めた少年たち。
夢果たせずに人生を終えた数のなんと膨大ことか。それはそれで罪な話だ。
それでも85歳の老人と10歳の少年が肩を並べ、自身の“初優勝”を喜び合う。
プロリーグとしてのMLBの歴史と伝統の重さも感じさせるカブスの優勝だった。
2016.11.07 知らなんだ
当り前の常識なのかもしれない。
しかしまったく知らなかった。。。。なんてことがよくある。
機種変更を終えた古い携帯電話は単なるオブジェ。無用の長物だと思っていた。
時計とカレンダーが動いているのは単に電池が生きているだけだろうと。
iPhoneにLINEを移行しようとしてなかなか上手くいかず、
その用無しAndroid機種でLINEをいじっていた。
夜中の2時に職場の先輩にコールしてしまった。
えーっ?何で用無しの無用の長物が電話出来ているのだ!?
翌日、職場で聞くところによると、
Wi-Hiの環境下では通常の電話は出来ないが、LINEは繋がるのだそうだ。
要するに無用の長物ではなく、タブレット端末化しているというらしい。
うわ、初めて知った。これって常識なのか。
例のベッキーのゲス騒動も使わなくなったスマホからLINEが漏えいしたらしい。
油断は禁物だが、無知もなかなか始末が悪いということか。
2016.11.08 穴
博多駅前の目抜き大通りに穴が開いた。
それもぽっかり開いた穴がさらに巨大に陥没した。
一瞬、NY貿易センタービルが崩壊していく9.11テロを思い出す。
昔、昭和通りの御徒町で道路陥没があって、
それ以来、どこか足元が崩れ出すのではないかと思うことがある。
穴イコール奈落。足元が突如抜けるのはなかなかの恐怖だ。
職場近くの交差点は地面の下を首都高速が走っており、
さらにその下に有楽町線と副都心線の地下鉄2路線が走る3層構造だ。
もしここが陥没したら絶対に巻き込まれる。とても生きれてはいられまい。
どの程度の想定で耐震基準がされているのか。直下型地震に耐えられるのか。
何とも心落ち着かない博多通りの陥没事故ではある。
2016.11.09 おわっ、トランプまさかの逆転勝利
世紀の泥仕合と呼ばれた今回の合衆国大統領選挙。
ほぼすべてのメディアの予想に反してドナルド・トランプが激戦を制した。
同盟国・日本としては何らかの影響は避けられないのだろうとは思う。
これからエライいことが起こるのか、案外そうでもないのか。
トランプが強かったのは間違いないが、ヒラリーの意外な脆さも印象的だった。
冷静に自分がアメリカ人だとしたら、トランプに投票していたかもしれない。
アメリカ国民にとって、国際情勢や同盟国の事情など二の次三の次以下だ。
それほど才気がないことが知れているヒラリーの政治手腕より、
政治色に染まっていないトランプの方が面白そうだ。
そういう面白がりが広がるのは過去に例がある。
大阪府知事の横山ノックや橋下徹。宮崎の東国原英夫。長野の田中康夫もそうか。
そして英国にEUを離脱させたことも同じ脈絡なのではないか。
もちろんそれぞれ評価は別で、面白がりとは失礼かもしれない。
しかしコケるかも知れないが未知数というものはかくも魅力なのだ。
今回のことではっきりしたのは世論調査がいかに信用できないこと。
メディアには有権者に潜在する「面白がり」の情緒までは読めないということか。
まぁ決まったものは仕方がない。
好むと好まざるとにかかわらず受け入れていくしかないのだ、日本国は。
2016.11.10 今夜のNHK「SONGS」は
“歌姫の21世紀~中島みゆき”と題して放映された。
黒部ダムの坑内に響いた「地上の星」。
平成不況のど真ん中で自信を失った日本人に「ものづくりニッポン」を再認識させた。
あれは文化功労章ものの楽曲だったのではなかったか。
あの紅白から早くも14年が経ったのか。
慰めから励ましへ----。21世紀に入ってから中島さんはひとつステージを上げた。
「倒木の敗者復活戦」。そうか倒木は東北にかけていたのか。初めて知った。
その中島さんの21世紀ベストアルバム「前途」が近々発売される。
「前途洋々」といい「前途多難」ともいうが、中島さんは「前途多忙」と自身を語る。
かくいう私は「雑途往還」。雑な途(みち)を往ったり還ったりの繰り返し。
得てきたものより、逃がしてきたことの多い人生なれど、
これからも色々な「仕方がない」を背負って生きていくのだろう。
たったの25分の短い番組でも、寄り添っていたい歌が見つかった気がする。
2016.11.11 ど残業
終電車めがけて乗換駅をダッシュした。
そういえば朝も同じ場所で走ってたか。
ターミナル駅のコンコースはさながらスポーツセンターだ。
とっとと仕事を終わらせて酒盛りしていた記憶自体が信じられないが、
今はその時のテキトーな頃のツケを払わされているに過ぎない。
仕事なんてそんなもんだろう。
2016.11.12 清龍会/2016年秋
都心の居酒屋チェーン「清龍」で気の置けない仲間と飲む。
酒を飲むのは年に数回になったといったら驚かれた。
そういえば大ジョッキを一気にあけた時の爽快感。
喉越しに沁みわたるの快感はどこに行ってしまったのだろう。
冷や酒をちびちび飲みながら、お互いの共通言語を確かめ合う時間。
そんな時間さえあれば大ジョッキなど要らない。
飲みたいのではなく、話がしたかったのだろうと思う。
お疲れ様。この時間がこれから先も続くように。
2016.11.13 午前十時のポランスキー
午前十時から『戦場のピアニスト』を観る。
おっ、プレミアスクリーンだ。ゆったり座れる。これはラッキー。
封切で観た時、すでにシネコン上映だったので懐かしさは感じなかったが、
それでもかれこれ13年が経つ。
高校生で観た映画を30を越えて再見した時の懐しさはどこへいったやら。
年齢を重ねると、懐かしさの尺度が変わることには気がついていたが、
今は13年なんて大した時間ではないように思う。
それでいて13年後に幾つになっているかと考えると我ながら驚く。
映画は13年前よりもヒリヒリした後味を感じた。
監督はロマン・ポランスキー。
名前は数奇なエピソードとともに中学生の時に知った。
おそらくその経歴の過激さは『戦場のピアニスト』の主人公を凌駕する。
だから中学から高校生の頃はポランスキーの映画は恐ろしいもののように思えた。
常に犯罪と隣り合わせ、被害者と加害者を間断なく繰り返す人生。
同じポーランド人のアンジェイ・ワイダとは別の過酷さを生きている。
だから大学生で豪奢なだけの『テス』を観たときは正直、拍子抜けした。
カンヌ、ヴェネチア、ベルリンにアカデミー賞。
映画監督としてこれほど栄光に恵まれた人も稀有だが、
何よりもワイダ同様、最晩年まで映画を撮り続けるという気骨が今は嬉しい。
そうポランスキーにとっては時間の積み重ねなど、
一瞬の刹那の連続であるに違いない。
2016.11.14 リアリティのない話
職場にVR(Virtual Reality)の機械が導入され、
いよいよVRによる素材の受け入れ態勢が整いつつある。
ところが私も含め、職員の誰もこの話に乗ってこない。
100万かけた機械が目の前にあれば誰かは興味を示そうなものだが。。。。
要はこのクソ忙しい中で、誰もそれに関わり合いたくないのだ。
まずこれが仕事になるリアリティが感じられない。
上役が期待すればするほど我々は冷めていくという悪循環。
黒いVRの機械一式が職場に不気味な影を落としている。
これはヤバい、不味い。率先して何とかせんと。
2016.11.15 雨のスーパームーン
人生でたまに出くわす赤く大きな月。
いつか高架の上でそんな月を見つめていたことがある。
あの時、時間が止まって、自分でも驚くほどの集中力で月に引きつけられていた。
2005年8月神宮球場。ネット仲間と集った夜、スタンドからでっかい満月が現れた。
思い出深いあの時の享楽は満月に引かれたのかもしれない。
今夜、巨大なスーパームーンが首都圏上空に現れる予定だった。
数日前からどんな流星群よりも楽しみにしていた。
あ~それなのに、それなのに。。。。
降りしきる雨。何十年に一度の天体ショーはおじゃんと化す。
思わず天に吠えたくなったが、月が出てなくては吠えるのも様にならず、
落胆の中年朔太郎はそそくさとベランダの窓を閉めるのであった。
2016.11.16 健康診断
今年の健康診断にはまったく自信が持てなかった。
明らかに去年より健康状態が悪い。
残業続きで、元から悪かった食生活がさらに乱れている。
だから体重も増えた。腹まわりを見ればわかる。自分でも重い。
前日のたかが20時からの絶食ですらやけに堪える。
新宿健診センターに朝8時半に到着する頃には空腹がピークだった。
もうバリウムでもいいから早く食わせろ。。。。健診結果は即日に出る。
毎年縮む身長は、とうとう176cmジャスト。高校生のときから1㎝縮んだ。
診断評価はA~Eで示され、治療中はFとなる。とにかくFが目立ってきた。
ここ数年鳴りをひそめていた尿蛋白がまた出る。
血糖値も糖尿病予備軍だ。空腹でこれなら満腹時は考えるだに恐ろしい。
ちょっと前に高学歴、高収入、高身長の「三高」などと流行ったが、
高血圧、高血糖、高脂血ではもはや勝負にならないばかりか、
とうとうγGTPまでもBに落ちた。酒も飲まないのに肝機能が低下したって?
このままじゃいかんと節制の誓いを立てるのではあるが、
明日はどう思っているかわからない。
2016.11.17 早速、朝貢外交かいな
安倍晋三が早速トランプに会いにニューヨークへ。
世界に先駆けることで日米同盟の存在感をアピール?
朝貢外交としか思えんのだが、この国の保守はアメリカのポチだから仕方ないか。
2016.11.18 真昼の接触
いつものように昼飯のため階下に降りた時のこと。
エレベーターに乗り合わせたお爺さんに玄関を開け、先を譲った瞬間だった。
あぶない!自転車が突っ込んで来てお爺さんに接触。お爺さんは転倒。
助け起こすと額を擦りむき、肘から血がポタポタと落ちている。
自転車のサラリーマンは平謝りしていたが、片手にスマホ。画面はポケモンGO(呆)
お爺さんを介抱している間、我々の仲間が交番からお巡りさんを連れてくる。
お巡りさんは救急車を呼び、サラリーマンの取り調べを始める。
お爺さんは大袈裟なことをしてくるなと迷惑顔だったが、
スマホを見ながら舗道をかっ飛んできた自転車を許すわけにもいかず、
お年寄りが転倒したのだからほっとくことも出来ない。
まして、先を譲ってお爺さんを身代りにさせた多少の引け目もある。
この舗道は自転車通行可なのだが、職場の玄関を出るときはいつも要注意だ。
それにしてもスマホでポケモンやりながら、、、とんだ馬鹿野郎だ。
2016.11.19 「日本の恋と、ユーミンと」
ようやくAndroidに溜めていた音楽をiTunesに移し、iPhoneに補完する。
スマホを音楽プレーヤー化するのに一ヶ月近くかかってしまった。
これでようやくBluetoothでカーステレオに飛ばし、車で音楽が聴ける。
そうなると昔を思い出し、運転しながら松任谷由実を聴きたくなる。
所詮は昭和のヤングなのだ、私は。
今まで中島みゆきについては随分語ってきたが、
両者に敢然たる派閥があることを知りつつも、実はユーミンも嫌いではない。
「あの日にかえりたい」「海を見ていた午後」「埠頭を渡る風」には思い入れもある。
強いて違いをいえば中島さんは「買う」が、松任谷さんは「借りる」(笑)
叔母を見舞った帰りの首都高湾岸線。
レインボーブリッジを渡り、お台場のイルミネーション。
羽田空港、ベイブリッジから横浜港とめまぐるしく飛んでいく夜景。
松任谷さんの曲が女の子とドライブデートした日々を思い出させる。
「中央フリーウェイ」「青春のリグレット」「やさしさに包まれたなら」
切ないのは、今、助手席で爆睡しているのが老いた母親だということ。
……そういえば今日は85回目の誕生日だった。
2016.11.20 逆走
颯爽とハンドルを握っても時計の針は逆に戻らないが、高速道路は逆走する。
高齢運転の事故のニュースが連日のように聞こえてくる。
パーキングでアクセルを踏み間違えて二人を死なせたおばあちゃん。
まさに悲劇だ。哀れ晩節に交通刑務所に収監されるのだろうか。
しかし引き殺された方はもっと悲劇ではある。
今日も兵庫県内の中国自動車道を70代の高齢者が逆走したらしい。
うちの父親。免許証を取りあげて以来、すっかりボケてきた。
密かに父親の運転する車を足にしたい母親はそれをボヤく。
そしていつも90になろうとする叔父がまだ運転していることを引き合いに出す。
冗談じゃない。新潟の田んぼ道とは訳が違うのだ。
壁や電柱に自爆するならともかく、児童の列にでも突っ込んだらどうなる。
うちでボケてもらっていた方がどれだけ幸せなことか。
2016.11.21 死ぬまでご飯を食っていたい
健康のため、まず野菜、肉魚、最後にご飯、の順序で食えという。
ならばそのご飯をどうやって食べればいいのかと聞きたい。
確かに運動能力を持続するには炭水化物は必要だ。
運動能力を持続する必要のまったくない私には、それが糖分となり血中脂肪となる。
しかしご飯が好きなのだ。とってもとっても好きなのだ。
私にとって良いおかずとは、ご飯が美味しく食べられるかずのことをいう。
鈴木清順『殺しの烙印』の宍戸錠はご飯が炊きあがる湯気に恍惚としていたが、
同じ情緒(?)が私にもある。出来れば死ぬまでご飯を食べていたい。
とかく現代はご飯などの炭水化物が悪者にされ過ぎてはいないか。
と、浜っ子を自称しつつ、実は隠れエチゴの私は訴えたい。
2016.11.22 “はやくにげて”
ぐらっと揺れて思わず布団を跳ねあげた。
咄嗟に時計を見る。6時のアラームが鳴る直前。
テレビをつける。
震源は福島沖。津波が発生することのこと。
画面には赤の白ヌキ文字で「はやくにげて」。
アナウンサーは「津波が来ます。高台に逃げてください」と連呼。
あまりにのっぴきならぬ事態の最中、突然鳴り響く目覚しアラーム。
結果的には大事なくて本当に良かったもの、
川を水が逆流する映像の何たる不気味さ、畏怖感。
なんと東日本大震災の余震なのだという。もう五年も経ったというのに。
何かの前触れなら、余震の方がまだ安心なのだろうけど、
実際、今朝の津波で一体どれくらいの高齢者が高台に避難できたというのか。
ふと、我が両親を思う。彼らは車がなければ絶対に動かない。
親父など車があっても外に出るものかどうか。
2016.11.23 なにを勤労感謝?
今まであまり考えたことはなかったが、
「勤労感謝の日」とは国や経営者が日頃の我々の労働を感謝する日なのか、
それとも我々の方に勤労の機会を得て、生活できることを感謝せよとの意味なのか。
そのどちらにせよこんな日は休みたいものだ。
結局、休日出勤。いつ取れるやもしれない代休という貸しがまたひとつ増えた。
やはり大いに勤労に感謝してもらいたい。
2016.11.24 霜月の雪
「霜月」のはずだが、霜よりも雪が先に来た。
たかだか2週間前に木枯し1号が吹いたばかりではなかったか。
その木枯し1号は例年より16日も遅かったと発表された。
朝から雪。11月24日は間違いなく物ごころついてから最速だ。
毎年のように何かしらの「観測以来の~」がある。
どうも落ち着かない気分で、ちらちらと窓の外の雪を見ていた。
2016.11.25 中島みゆきNIGHT『夜会vol.19』 ~赤坂ACTシアター
毎年2階席の後ろの方から双眼鏡で追いかけていたのが、
今回はD列というかつてない良席。
しかも前3列がオーケストラピットで潰されていたため、
中島みゆき『夜会vol.19』はなんと最前列からの観賞となった。
いやはやたまげたのなんの。
中島さんの唄がマイクで拡声する寸前の肉声で聴こえてきそうな臨場感。
さらに鬼気迫る熱演の表情から、首の筋やお顔のシワまで(笑)
今回は2年前の『橋の下のアルカディア』の再演。
「もちろんそのままやるって手もあるんですけどね」
「でもそのままなぞるんでは、それ以下になると私は思うのね」
なるほど最後はクライマックスの「India Goose」の力業に持って行かれたものの、
実際、2年前の「日めくり」には、茫洋として確信のない感想が綴られている。
それが今回は格段に解りやすくなり、テーマも直截的に胸に響いてきたのは、
最前列の臨場感の賜物ばかりでもないだろう。
輪廻、因果応報は『夜会』の通奏低音だが、実に迷走することなく整理されていた。
そしてもうひとりの主役、中村中。彼女が圧倒的に素晴らしい。
彼女の演じるネコの生まれ代わりが、最後は羽ばたくまでの物語とするならば、
中ちゃんはネコになり切って、明らかに2年前より振り切れていた。
そんなこんなで9年連続となった中島みゆきNIGHT。
年明けには65になる中島さん。舞台をのたうち、転げ回り続けるのはきつかろうが、
いつまでも晩秋の風物詩であり続けてもらいたいと切に願う。
2016.11.26 九州場所終わる
俄然混戦が予想された大相撲九州場所。
最後までもつれたようでいて、すんなりと鶴竜が14日目で優勝を決めた。
びっくりの琴奨菊の優勝から始まり、白鵬-白鵬-日馬富士-豪栄道-鶴竜。
しかし年間の最多勝は稀勢の里に決定した。
この九州場所も三横綱三大関を破って「もしや」と思わせたが、またも優勝ならず。
未優勝力士の年間最多勝は史上初とのこと。平幕に三番取りこぼしたのが痛かった。
よく稀勢の里を称して「ここ一番での気持ちが弱い」といわれるが、
今年の稀勢を見ていると気が弱いというより、単なる間抜けなのではないかと思った。
長いこと「横綱に最も近い大関」といわれ続けながら、
唯一、四大関で優勝経験がない。もはや笑ってしまうしかない。
さて初場所はどうか。もちろん国技館に乗り込む予定ではある。
2016.11.27 おめでとう新井貴浩
輝く我が謎、阪神タイガースから高山俊が新人賞に選出された。
他に競争相手もなく楽勝の感はあったが、
それでも新人王最有力候補が本当に新人王を獲るのは並大抵ではない。
その神経の太さ、頼もしいではないか。二年目のジンクスなど吹っ飛ばしてくれ。
その他にタイガースの各部門の受賞者はひとりもなし。
ゴールデングローブもベストナインもなし、来季は個人能力の向上が望まれる。
大谷翔平が投手部門と打撃部門(DH)でW受賞。
あり得ないことをこの規格外のコミックヒーローは次々実現していく。
何とも嬉しかったのが新井貴浩のMVPだ。
虎キチの中には新井の活躍に複雑な感情を抱く輩も多かろうが、
腰痛に苦しみながら縦縞を着て3年間の全試合出場に打点王。
東日本大震災の時は選手会の先頭に立って偏屈なオーナーたちと渡り合った。
ドーム、横浜、神宮と、何度となく豪快な一発を見せてくれた新井の姿は忘れない。
MVPおめでとう。規格内の人間らしく泥臭く、この男は見事に復活を見せてくれた。
2016.11.28 三回忌
先日、池袋の新文芸坐で「菅原文太・三回忌」と銘打ち、
『仁義なき戦い』五部作のオールナイト上映があった。
行くか行くまいか迷った、、、といいたいところだが、上映自体を知らなかった(汗)
また東京ステーションギャラリーでは「追悼特別展・高倉健」が開催される。
う~ん、これも行くか行くまいか。映画ではなく展覧会というのがちょっと・・・
おそらく二人とも三回忌が過ぎれば追悼ムードも落ち着くだろう。
私もそろそろ二人への思いを過去のものとして受け入れる潮時かもしれない。
高倉健と菅原文太。二人が骨になって土中に埋まっていることは未だに信じ難いのだが。
2016.11.29 1129(いい肉)の日に
「ねぎし」が29(にく)の日に何かフェアを催していたわけではないが、
朝の通勤途中に突然、今夜は「ねぎし」に行くぞと決めた。
おそらく月いちでは確実に「ねぎし」には行っている。
都内に仙台の牛タンの出店は数あれど、私には「ねぎし」が丁度いい。
牛タンだけではなく、豚ロース焼きがたまらなく好きなのだ。
薄く切ったロースに味噌で焼いた香ばしいのを一口で平らげた時の至福。
だから牛タンのコースに豚ロースのひと皿は必ずつける。
そう、最近、健康を考えてチョレギソースのミニサラダも忘れない。
あとはお決まりの麦めし、とろろ、テールスープにおみ漬け、味噌なんばん。
おみ漬と味噌なんばんでまず麦めし一杯は戴ける。麦めしはおかわり自由だ。
とろろを麦めしにぶっかけたりはしない。そのままずずっずーと啜る。
そしていよいよ牛タンと豚と二杯目の麦めしとのアンサンブルだ。
仕上げは猫舌でもいける程度の温度になったテールスープを一気に飲む。
この店のいいところは完全無欠で腹一杯になって出られること。
これらを我慢して生活習慣病に立ち向かうより、
気持ちが喜んでいるだけ、健康的だと思うのだがどうだろう。
デブの論理?まぁいいじゃないか。今日は「いい肉の日」なのだから。
2016.11.30 あっけなくも盛り沢山に11月が終わる
案の定、あっという間に11月が過ぎ去る。
ドナルド・トランプがまさかの大統領選を制し、
俄かにぬかよろこびの北方領土問題の雲行きは限りなく怪しくなり、
何百万人もの怒号の中で朴槿恵が辞意を表明した。
福島で東日本大震災の余震が起こって、また津波が着岸し、
気候も20度を超えたかと思いきや、雪が降り出す始末。
比較的静かなはずの晩秋の趣はなく何とも忙しかった。
正確にいえばこの先の不透明感を矢継ぎ早に予告されたような月だった。
こんな11月も珍しいのではないだろうか。
平成28年と2016年などとっとと終わってしまえばいいのだ。
どうも個人的に偶数年はツキがないのだ。
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