■2017.05

日めくり 2017年05月(平成29年)         



2017.05.01(月) 浪費と消費

早くも5月。こうして日々をやり過ごしていく。
通勤電車はいつもの7割。早々とGWを満喫している人もいるのだろう。
去年は房総半島を、一昨年は北関東をめぐったのだったか。
今年はまったく計画なし。いやいや恨むまい恨むまい。
消費は財布を軽くするが、浪費は心を重たくする。
浪費してはいけない、せめて気持ちだけ消費しよう。


2017.05.02(火) 秋山見殺し ~神宮球場

かつて、ずっと長い間この球場で勝てなかった。
神宮には小学生から行っているが、初勝利は2003年。
ここまでくると、もはや「鬼門」などという生易しいレベルではなく、
仲間内からも「頼むから神宮には来ないでくれ」とまでいわれた。
何よりヤクルトには梶間、安田という2大阪神キラーがいた。
そのイメージが強烈で、未だに阪神打線は左に弱いイメージがある。
85年の優勝決定の神宮にもいたが、あれも勝ったわけではなく引き分け。
その内、野村ヤクルトの全盛時代と阪神大暗黒時代が重なる。
一年だけ突然強くなった中村阪神の前に立ちはだかったのもヤクルトだった。
胴上げXデーを目論んで乗り込んだ時は、広澤に一発を浴び、岡林に完封された。
・・・・などと神宮の暗い思い出に浸っている場合ではない。
阪神唯一の得点だった初回の高山のホームラン。
試合開始直後の先頭打者アーチなど、仕事帰りの観客に見られるわけはない。
見せられたのは例のごとき残塁祭りと、小学生レベルの小フライお見合いだ。
開幕25試合で失策25。毎試合ポロリとやっている。もちろん12球団ワースト。
ということは当然その倍は記録に残らないミスがある。
高山はグラブに当てて後ろに逸らし、糸井は緩慢処理で2塁打を3塁打に。
内野はバックホームに備えていたが、ゴロGOを仕掛けられ本塁突入を許す。
梅野は打撃妨害で傷口を深め。鳥谷は一塁余裕セーフのところ間一髪の二封を選ぶ。
久々にひでえ試合を見らせれた。久慈の苦虫を噛み潰した顔が見えるようだ。
とにかく打球が三遊間に飛んだら思わず目をつむりたくなる現状では厳しい。
これでは投手が気の毒。実際、昨日の秋山は私の中でベストピッチだった。
今年は糸井加入というトピックスがあるのだが、去年と比べてもチームに魅力がない。
何故貯金があって2位にいるのか、まったく意味不明なところがある。
ここ数年、私の球場観戦成績は絶好調だった。
しかし球場観戦6連勝して神宮で止められ、その後からの5連勝を今日止められた。
鬼門復活?いやいやそんなレベルではない。下手をすればズルズルと沈む。
試合をやりながら、まずは懸命一丸で守乱を克服していかなければならない。


2017.05.03(水) 憲法70年に

親父の部屋で大した会話もあるわけでもなし、
手持ち無沙汰に安倍晋三の憲法改正宣言(?)のニュースを見ていた。
憲法改正が自民党の党是なら、安倍晋三が改憲に動くのは当然だ。
蓮舫が改憲阻止の演説をやっていたが、民進党はいつから護憲政党になったのか。
安倍内閣の元で改正はさせないということか。相変わらずのモラトリアムぶりだ。
国家の大テーマなのだから、共産党に論調を合わせている場合ではない。
まず内々の論議を深め、党としての意見の集約に取り組むべきで、
この大テーマを政争に矮小化するなど決して許されることではない。
私はずっと改憲派で通しているのだが、決して平和憲法を失くせとは思っていない。
9条の理念は残せばいい。理念は大切だ。しかしその理念が不確かなままでいいのか。
70年前、新憲法を作る際、保守派は軍の解体に強く抵抗したという。
それは軍国主義の燃え滓が未だに燻っていたと教えられた気がするが、
自衛の軍隊は不可欠になるのだから、条文に明記すべしとの主張だったかも知れない。
まったく報道も教育も臭いものに蓋をすることでは戦前も戦後も同じだ。
まず自衛隊を自衛のための軍隊であると認めなければならない。
自衛隊の存在を曖昧にしたから平和憲法が認知されたなどとの主張はまやかしで、
そこが不確かなことで憲法が解釈で運用されるみっともないことになっている。
解釈でどうにでもなるものを世界に誇れる憲法などとよくいえたものだ。
同じく9条のおかげで日本の平和と安定が築かれたというロジックもまやかし。
そもそも核の傘にあって、平和も安定もあるものか。


2017.05.04(木) あゝ怠惰に過ごしてしまった

母親が風邪をこじらせたらしく、今日明日は実家に来なくていいという(汗)。
親父の所に顔を出そうにも、母親と一緒でないとあからさまに嫌な顔をされる。
そうなると2日間、自分の自由に使えるではないか。
思いついたのが浜松-静岡のコース。
もしかしたら宿に直前キャンセルが出ているかもしれない。
検索するまでも無い。GWの渦中におひとり様のキャンセルなどあるものかいな。
それでも割と早めに目が覚め、寺社めぐりのコースを考える。
そうこうするうちに朝ドラが始まる。
ヒロインとしての鮮度はどうかと思っていた有村架純。なかなか頑張っている。
『ひょっこ』が終わると、前回の『べっぴんさん』の総集編が始まる。
何だかんだで前後編を見てしまう。終わったのが昼近く。
それにしても心も体も消極的だ。怠け癖がつくと遊びすらサボろうとする。
どう考えてもデブ症の二重構造。
昼過ぎにアパートを出て駐車場に。駐車場まで7分は歩かなくてはならない。
いや、それ以前に車を使おうという了見が前向きではなかったか。
朝から煎餅しか食べていなかったので、カレー屋に寄る。
定番のCoCo壱。フィッシュフライカレー400g1辛。フライは3等分に切ってもらう。
腹一杯に平らげて車を走らせた途端に大渋滞。
こりゃダメだ。駐車場に戻って車を置いて電車で出掛けよう。
そうこうしているうちに睡魔がやって来て、出掛ける気分も萎えてきた。
もう今日はアパートで野球で見ながら身体を休めよう。
そしてCSフジテレビONEをつけた途端に爆睡。
ちゃんと布団を敷いていのだからほぼ確信犯だ。
目が覚めたら外はほぼ暮れかけている。結局、朝ドラとカレーを食っただけ。
浜松-静岡コース?ちゃんちゃら可笑しいわい。
野球は快勝していた。ちっ、久々に一昨日の現地観戦はスカを引いたか。


2017.05.05(金) 東京山の手札所めぐり

せっかくのGWをデブ症の二重構造で終わらせるわけにはいかない。
明日明後日は実家の用が待っている。動けるのは今日だけだ。
そんなこんなで満願まで大詰めにさしかかっているふたつの札所をめぐった。
三軒茶屋-目黒-恵比須-渋谷-馬込-大井町というルート。
GWは遠方に行楽もいいが、空いている都内をめぐるのも手ではある。
御府内八十八ヶ所めぐりと江戸三十三観音霊場。
近くにあれば参るというスタイルで4年かがりになってしまっている。
御府内が残り6ヶ所で、江戸三十三があと2ヶ所。
その残りを一気に満願してしまおうかと思ったものの、
昨日の怠惰のツケだが、すべてを結願することは出来なかった。
そこは都内の札所。暇を見てゆっくりめぐるとしよう。


2017.05.06(土) 0-9からの歴史的大逆転

力が拮抗している筈のプロの試合で、こんなこともあるものだ。
タイガースがカープ相手に0-9の劣勢をひっくり返した。
9点差の逆転は球団記録だという。
ただ本質的にバカ試合。ボーンヘッドにエラーにボークに四球、死球、押出し。
双方とも凡ミスが続出。1点の重みがまったく感じられないゲームだ。
私が一番嫌いな野球だが、同時にたまらない試合だった。
嬉しかったのは、17分のリプレー検証後の糸原の同点打だった。
試合の流れ、勝負のアヤを勝手に読むのは私の趣味みたいなものだが、
一旦追いついた勝負が覆るという途方もないアヤがあったにもかかわらず、
そこで流れを切らさず、見事に同点、逆転を演じたということ。
糸原と梅野。口火を切った高山も含め、若手の反発力は率直に嬉しい。
この長い中断が試合の流れを切らさず、勝負のアヤにもさせなかったどころか、
シーズンを振り返った時、「あの試合で流れが来て、あれがアヤとなった」と、
いずれ語り草となっていく予感がしないでもないではないか。


2017.05.07(日) GW終わる

親と喧嘩しながらタイガースの激勝に歓喜したGW。
ひと言でいえば、単に「職場に顔を出さなかった数日間」に過ぎなかった。
今年ほど日々の消化に無頓着に過ごしたGWも珍しい。


2017.05.08(月) フランス大統領選と雑感

そもそも「極右政党・国民戦線」という名称が物々し過ぎる。
ルペン党首などというが、本名はマリオン・アンヌ・ペリーヌ・ル・ペン。
“Marion Anne Perrine Le Pen” 殆んど文章みたいだ。
そんなことはどうでもいい。彼女の大統領選挙は思った以上の敗北だった。
日本のマスコミは総じてエマニュエル・マクロンの勝利を歓迎しているようだが、
確かに私にもこれ以上、世界を物騒にしたくないという思いはある。
ただイギリスのEU離脱もアメリカのトランプ誕生もそれぞれの国民の総意であって、
彼ら有権者にとっては、国際社会の秩序云々を押しつけられる筋合いはないのだろう。
思想云々ではなく、日々の生活の中から発せられた欲求は自然に「自国優先」となる。
そんな彼らに取り入ることで、ポピュリズム政治の台頭などと言われているが、
そもそもポピュリズムを無視した民主主義などあり得るだろうか。
「大衆に迎合する」ことと、「市民生活に寄り添う」こととは同じロジックで、
逆にポピュリズム化しない民主主義というものを見てみたいものだ。
どの国も本質的に「自国優先」。それが行き過ぎると「排外主義」などと呼ばれる。
排外主義ということでいえば、日本ほどの排外国家も無いのではないか。
かくいう私も、私の周辺の人たちも消極的な排外主義者ではあると思う。
因みに仏新大統領の本名はエマニュエル・ジャン=ミシェル・フレデリック・マクロン。
“Emmanuel Jean-Michel Frédéric Macron” どんな名前なんだろ。
24歳年上のブリジット夫人と並んでも、決して親子には見えなかった。


2017.05.09(火) 秋山、菅野に投げ勝って6連勝 ~東京ドーム

GWの劇勝を受けて、今朝のスポーツ紙では“菅野VS猛虎打線”と謳われていた。
私も3試合連続完封中の菅野を打てるか否かといったら、まず打てないと思っていた。
当日、球場に観に行く試合で、そこまで強気にはなれない。
「よりによって取ったチケットが菅野登板試合になるとは・・・・。」
好投手にはもっぱら弱い。長い年月の中で沁みついているものってあるのだ。
1回裏の巨人の攻撃が終わるか、というところで東京ドーム到着。
初回に2点を先制している。あら、すでに菅野か点を奪っているではないか。
結局、今夜のトピックスは菅野攻略ではない。秋山拓巳の好投だ。
一昨日、金本は語った。「秋山には菅野に投げ勝って欲しいですね」
思えばルーキーイヤーの後半から一軍に登場して一気に4勝を挙げたとき、
おっ、デカくて活きのいいのが出てきたなと目を細めたものだった。
あれから7年が過ぎた。その間、ずっと秋山は燻っている。
自分を落ち着かせるために、秋山はマウンドでピョンピョン跳ねる。
高校時代の恩師から教わったらしいが、秋山は見る度にピョンピョンやっていた。
今夜も時折やっていたので、もはやルーティンのひとつになっているのだろう。
以前のように不安気に跳ねていたときとはまったく雰囲気が違う。
4回裏のピンチを凌いだ時にも、抑えられるとの確信が見えた気がして、
とくに長野を三振に斬ったストレートの力強さには特筆すべきものがあった。
それにしても一週間前の神宮。秋山は打線の援護がなく、守乱に足を引っ張られた。
私も思わず「久々にひでぇ試合を見せられた」と書いてしまったが、
たった一週間でチームの雰囲気がガラリと変わったものだ。
金本が再び語る。「明日の岩貞が、今日の秋山を見てどう思うかですね」と。
これで6連勝。セリーグ20勝一番乗り、貯金9。
まだまだ先は長いが、この調子で交流戦も乗り切ってほしいものだ。


2017.05.10(水) 韓国大統領

革新派の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が誕生。
圧勝だったらしい。
そういえば日本では「革新政党」なる言葉は聞かれなくなった。
聞かれなくなったといえば韓国大統領の日本語読み。
全斗煥や金大中までは「ぜん・とかん」「きん・だいちゅう」と呼んでいたか。
文在寅ならば「ぶん・ざいいん」とでも呼ばれていたわけか。
韓国に対しては韓国人の反日も、日本人の嫌韓も私には不愉快でしかない。
「うるせぇから、ガタガタいうな」。これに尽きる。


2017.05.11(木) 予定は肉、寝過ごしてもまた肉

炭水化物の摂り過ぎの害がいわれて久しいが、
一方で肉が復権してきたように感じる。
何よりもご飯が好きだが、それを抑えるとなると、もう肉しかない。
本質的にステーキも焼肉もハンバーグもご飯抜きでは考えられなかったが、
一度、ご飯抜きで肉を食ってみようと考えていて、今夜実行するつもりでいた。
ところが帰りの電車で爆睡。小田急の町田で焼肉を喰うつもりが、見事に寝過ごす。
寝過ごしたなら仕方がない、予定変更で海老名でハンバーグだ。
ということで“Hungry Tiger”に行く。ハンバーグならこの店以外は考えられない。
しかしセットメニュー以外のオーダーは人生初だろう。
いつものラージライスがないのならと、ハンバーガーをダブルにする。
旨い。ご飯がない分、肉の重厚さがズシリと来る。
さらに付け合わせのジャガイモ、玉ネギ、インゲン、人参もいつもより旨い。
案外、肉との相性で用意された付け合わせの旨さをご飯が邪魔をしていたのかも。
ようし、こうなったら晩飯の炭水化物抜きを続けてみようか。
・・・・・ジャガイモ丸々一個平らげて炭水化物抜きはないか。


2017.05.12(金) 若手とベテランの融合 ~横浜スタジアム

今季、球場に行ったときのささやかな楽しみにしているのが、
インニング間の福留孝介と糸井嘉男のキャッチボール。
球団を渡り歩いたビッグネーム同士。なんとも不思議な感覚だ。
一球一球を確認するようにお互いのグラブめがけてボールを投げる。
このリズムがなんともよい。長い野球人生で繰り返してきたキャッチボール。
いや、なんてことはない、ただのキャッチボールなのだろうが、
あゝ野球がしたい。というよりもキャッチボールがやりたいと思わず胸が疼く。
私はキャッチボールが好きなのだ。
そんなこんなで今夜はこの二人と鳥谷のベテランが活躍した。
それと中谷将大。バッターボックスと外野スタンドの私と同じ目線上の放物線だった。
続いて福留、鳥谷が反対側のライトスタンドに放り込んで試合を決める。
ベテランに若手が刺激された図式ではなく、若手にベテランが応えた色合い。
これぞ理想的な融合で、連勝が止まった次の試合を締めて、首位をがっちりキープ。
前半はメッセと井納の投げ合いで、終盤に一発攻勢。
ノ―エラーで久慈コーチも虎党もひと安心といった試合だったか。


2017.05.13(土) 映画『アンタッチャブル』

何だかんだいっても第一級のエンターティメントなのだろう。
それにしても『アンタッチャブル』ですら、封切りから30年経つのか。
デジタルの鮮明な画面で観ていると、
出演者それぞれが30年齢を積み重ねていることに感慨を禁じえない。
この映画が封切られたときのことはよく憶えている。
当時、映画ファンには“デ・パルマ”ブランドは絶大だった。
禁酒法時代のシカゴ。財務局長官エリオット・ネスvs暗黒街の顔役アル・カポネ。
その題材が20代の私には素敵すぎた。
しかもケビコスにコネリー。アル・カポネにデ・二―ロ。キャストも申し分なく、
止めは音楽がエンニオ・モリコーネ。私の期待はMAXだった。
ところが観終わった直後の感想は「なんだか物足りない」だった。
実際、カポネのバット撲殺と、階段を乳母車が転がる場面以外は忘れていた。
30年後に改めて観賞。当時「物足りない」と思った理由がよくわかった。
デ・二―ロの芝居は突出しても、カポネのキャラクター造形が浅く、
ネス捜査官と、盟友の老警官ジム・マローンも颯爽としながらも上滑りしている。
そう、この映画、妙に凝りまくった演出はあるものの、中身が「軽すぎ」なのだ。
デ・パルマのヒッチコック信者ぶりは当時から知れ渡っていたものの、
『裏窓』やら『めまい』へのオマージュが細切れに現れるのがいちいち鼻につく。
結論として「物足りない」理由がはっきりしたことに、妙な昂揚感があった。
もちろんデ・パルマのギャング映画なら私は断然『スカーフェイス』を推す。


2017.05.14(日) 母の日に母のしょーもない性分

昔から母の見栄っ張りはわかっている。
進物の季節でもなかろうに、高級海苔を親戚、友人に贈り届ける。
それに発送費を含めて20万以上のカネを使う。
届けたいのは海苔なのか、三越本店の包装紙なのか知らないが、
今どき、落ち目の三越の品物を有難がる時代でもなかろうに。
もう道楽を通り越して病気だ。いや殆んど執念に近いおぞましさを感じる。
「みんな楽しみに待っているから」などというが、
贈られた方は無下にも出来ず、お愛想くらいは返すものだ。
実は親戚から「そろそろやめた方がいい」との声も聞こえている。
それでいつも喧嘩になる。怒鳴ると「生き甲斐なの」と喚かんばかりだ。
道楽、病気、執念に生き甲斐を並べられると、こちらも気力が萎えてくる。
結局、大金持参した老婆をひとり、日本橋まで行かせるのも心許ないので、
車で三越本店に送り届けることになる。
正直、親父を預けて毎月馬鹿にならない出費がある。洒落にならんのだ。
まず三越の海苔屋に案内の電話を止めさせなければならないが、
85の老母の生き甲斐を奪うのもどうなのだろう(嘆息)


2017.05.15(月) 「受動喫煙」の根拠

私のような煙草吸いの論理からしても、受動喫煙は不快に決まっている。
他人の肺を通過した煙を吸い込むなど、喫煙者だって避けたいものだ。
しかし「受動喫煙」がもたらす実害には相変わらず“推定”の断りがつく。
その“推定”の上に“実数”が踊る。いや踊りまくる。
そもそも受動喫煙の唯一の根拠とされる平山論文。多くの矛盾が指摘されているが、
その検証もなしに、受動喫煙死が毎年2万人などと“推定”が重ねられ、
それに拠出される社会保険料の実数を並べることが科学的だといえるのかどうか。
非喫煙率は国民の8割に及ぶというのに、肺がん患者は60年前の70倍だ。
そこがシンプルに不思議なのだ。何故誰もそこを究明しようとしないのか。
もう一度いうが、他人の吐いた煙を吸いたくない権利は守られて然るべき。
路上喫煙、歩行喫煙者から罰金をとることに一切の疑問はないのだが。。。。


2017.05.16(火) 田園都市線の悲劇

私自身はタッチの差で運転見合わせに遭遇する不運を免れた。
東急の青葉台駅で痴漢行為を疑われた男が、線路に逃げ電車に轢かれて死亡した。
たまに痴漢男の線路逃走がニュースになるが、ついに死亡事故に至ったわけだ。
痴漢行為のやったやらないは当事者にしかわからないことで、冤罪の可能性も残る。
やってないなら堂々としていればいいと思うのだが、そうともいえないらしい。
周防正行の映画『それでもボクはやってない』を観れば明らかなように、
一度取り調べに応じると、冤罪だろうが起訴される確率が非常に高くなる。
職場の警察OBですら、任意で警察署に同行したら終わりだぞ、などといい、
そのことが一般に広く認識されているから、線路逃走などという事態となる。
最近は東京メトロなどで車内にビデオカメラを設置する動きもあるらしいが、
痴漢、盗撮、スリ、暴行と電車内が犯罪の温床になっているのは事実なのだから、
監視社会を助長しようがなんだろうがカメラ設置は賛成だし、
さらに女性専用車両があるなら女人禁制車両も考えた方がいいと思っている。
痴漢の容疑者を家宅捜索すると大概、部屋からアダルトビデオが出て来るというが、
そんなものは根拠にならない。痴漢と無関係な男性一般のAV所有率はどうなのか。
今回の事件、当事者である被害女性は騒動の中で姿をくらましたという。
逃げたい気持ちはわかるが、人ひとりの命が失われたのだ、勇気を出してほしい。
しかし、痴漢を疑われ、逃げて命を落とす人生って一体・・・・。


2017.05.17(水) この国のリスク

私自身、テロに巻き込まれることはあっても、関与するはないだろうから、
今国会で論争中の「テロ等準備罪」についてはそこそこの関心程度しかない。
ただテロを根絶するのだという国家の意志として内外に示す必要性はあるのだと思う。
私の記憶の中に「有事立法」や「破防法」が記号のようにあるものの、
そのつど「戦前の治安維持法の再来」と批判されてきたことは知っている。
どの刑罰法でも執行にあたっては人権・自由へのリスクはあるものだろう。
捜査が恣意的なのかはともかく、団体個人に尾行監視がつくケースは当然あり得る話だ。
テロか人権かのどちらのリスクを優先するかといわれれば、テロのリスクを取りたい。
それゆえに国会で大いに議論を戦わせればいいと思っているのだが、
例によって法務大臣の資質を問うたり、相変わらず野党の論戦は本質を外れていく。
その大臣にしてからが、就任中に立法化するのだとの強い信念の欠片も感じられず、
「なんで俺が大臣になった時にややこしい法案が・・・」との嘆息が見え隠れする。
多分、今の自民党は恐ろしいほど人材が不足している。あまりに層が薄い。
もちろん野党とて同じ。これはかなり深刻な事態ではなかろうか。
とても「スマホで風景を撮っても処罰の対象か」など、国会の質疑とは思えない。
「テロ等準備罪」ではなく「共謀罪」のワードが目立つのはマスコミ操作だが、
リスクある法案を論議する場が人材不足、という現実ほどリスキーな話はない。


2017.05.18(木) またひとつ血圧の薬が増えた

まぁ体重は増える一方なところに煙草をスパスパ吸っている状況で、
高血圧の数値が改善されない現状は十分に承知しているが、
常時160を下回らない状況に、医師から降圧剤の追加が処方された。
従来のミカルディス40mgに今回アムロジピン5mgが加わったのだが、
今までのミカルディス40mgが、
「血管内のアンジオテンシン受容体に作用して昇圧物質アンジオテンシンIIの
血管収縮作用を抑え、血圧を下げます」という効果があり、
新たに処方されたアムロジピン5mgは、
「カルシウムチャネルを遮断し、細胞内へのカルシウムの流入を抑えることにより、
血管を拡げて血圧を下げ。また、心臓へ酸素や栄養を供給する血管を拡げて
胸痛を改善したり予防したりする」効果があるらしい。
……まったく意味がわかりませんが。
ただ、ミカルディス40mgのジェネリックが来月から発売されるとのこと。
効用よりも価格にひかれている時点でダメなのか。


2017.05.19(金) 岩貞背信 ~神宮球場

イニングの先頭打者を四球で歩かせると8割の失点リスクがある。
これは星野仙一の弁だが、確かに先頭を歩かせると失点の匂いが一気に漂う。
テレビを観ていて、僅差で拮抗するゲームの終盤でこれをやられるとたまらない、
思わずチャンネルを替えたい衝動に駆られるものだ。
まして次打者の送りバントが二塁野選なんてことになれば確実にチャンネルを回す。
逆に同じケースでこちらが強行してゲッツーを喰らってもチャンネルを回す(笑)
テレビ中継ならばチャンネルを回してしまえば済む話なのだが、
今夜のようにスタンドで観戦している以上は、根性決めて見守るしかない。
星野さんの8割は大袈裟としても、6割以上、失点に繋がるのは確かだろう。
それでも先頭打者四球は守備に緊張感が走るので、野球の面白さの内ではある。
今夜は二死走者なしからの四球もそれなりのリスクなのだと思った。
無死四球のときには緊張感が走る守備陣が、二死四球だと弛緩を漂わせるのだ。
守備位置を変えながら「ちっ、ととっとアウトとれや・・・」の声なき声が聞こえる。
投手がチームやベンチに信用されるか否かは、案外そんなことかもしれない。
昨年、二桁勝利でブレイクした岩貞祐太も、今季は期待を裏切り続けている。
二死走者なしからの四球にバックからの「ちっ」を背中で感じたかも知れない。
そして、その弛んだ空気の中で痛打を浴び、追加点を献上する。
点差をさらに開けられての次の攻撃ではあっさりと三者凡退。
なるほど、投球テンポの良し悪しが打線のリズムに影響するのはこういうことか。
我々がイメージだけでいう「試合の流れ」にも多少の根拠はあるのだろう。
話はガラリと変わるが今夜のヤクルトの先発は原樹里。
一昨年のドラフトで例の真中監督の早トチリで高山俊の替わりに獲得したドラ1だ。
高山はともかく原の方はそれなりに意識していたのではないか。
レフトスタンドからでも、高山を三振にとった原のストレートには気迫が見て取れた。
そして次の打席では今度は高山がライトスタンドに放り込む。
そんなふたりの意地が交錯した。と、勝手に妄想しただけの神宮の負け試合だった。


2017.05.20(土) ついに待望の旅へ

先週末の両親詣で、ついに我慢の限界に達した。
何よりも私自身が必要以上に父母へのアタリが強くなってきている。
これではダメだ、絶対にガス抜きは必要だとなって、
明日の親父への面会は勘弁させてもらい、職場にも代休を申し出た。
休暇を申請したわけではない、二日間の代休の消化を申し出たのだ。
代休はあと12日間残っている。本来、気を遣う必要などさらさらないのだ。
最初は静岡県を浜松から熱海まで車でめぐろうと思っていたのだが、
上役が先日、新発田まで車で日帰りしたという話を聞き、
ならば新潟を目指そうかと思い立った。
新潟ならば関越、圏央道を走れば実家に何があってもかろうじて駈け戻るのも可能。
それで週の初めから計画に入った。例によって寺社めぐりの旅。
最初に思いついたのが越後国一宮・彌彦神社。
次に村上に下って日本最後の即身仏の観音寺に行きたいと思った。
さらに新潟市内の護国神社を参拝し、上杉氏ゆかりの春日山を計画に入る。
春日山といえば上越市。直江津港が近いなとなって突然思いついたのが佐渡島。
そうなると頭の中は佐渡一色となる。日蓮流島の御首題めぐりもいい。
度津神社という佐渡国一宮にも寄ろうとなって、佐渡汽船の時刻表を調べる。
ところが朝9時半の直江津出航海に間に合わせるにはかなりの強行。
しかも車をフェリーニに持ち込むとなると往復で3万近い車両運賃が発生する。
こりゃ高すぎる。車は持ち込めない。島でレンタカーを借りた方がどれだけ安いか。
新幹線で当日9時半に直江津着は無理。ならば佐渡行きは翌日に回すか。
そもそもマイカーでの長距離運転はつらい。慢性的な居眠り症のリスクも抱えている。
道中はレンタカーだとしても、帰りは新幹線で寝て帰りたい。
となると、佐渡には初日に行ってしまい、残り2日をレンタカーで動くのが効率的だ。
さてどうしよう。そうだ、高速バスがあるではないか。
早速、東京-直江津の深夜バスを検索し、新宿バスタ23時10分発の便を予約。
直江津着が早朝5時40分と、出航まで4時間あるが他に選択肢はない。
そんなこんなで一便しかない直江津行きのバスに乗ったのだが、
バスで寝られるように今朝の6時半から睡魔を追い払い続けてきたにもかかわらず、
やはり熟睡は無理。3列シートでもぐっすり寝られるものではない。
毎朝、毎晩の通勤電車ではすぐに舟を漕ぐのだが、チョイ落ちとはわけが違う。
正味3時間も寝ていたなかったのではないか。
生まれて初めての佐渡島。ガス抜きするには島は最適だ。
おっと、実家にすぐに駈けつけられるから新潟にしたのではなかったのか(汗)


2017.05.21(日) 草木もなびくよ佐渡紀行

早朝、直江津駅から港までの2.5キロあまりトランクをコロコロ転がして歩く。
途中、まだ無人の八坂神社で道中の無事を祈願。
旅の始めは神社で柏手を打ってからが、私の寺社めぐりの流儀だ。
佐渡汽船高速ジェットフェリー「あかね」では90分爆睡した。
佐渡小木港に着くと子供連れのご婦人が待っている。手には私の名前のプラカード。
島のレンタカー屋さん。いいね、こういうローカルなお出迎え。
さて生まれて初めての佐渡島。
昔の職場で仲の良かった先輩が漁師をしているが、申し訳ないが素通りさせてもらう。
佐渡にもコンビニがそこそこある。そしてそれ以上に自動精米機が点在する。
当り前のことだが、もうやたらに海。車で回ると前後左右に海の圧力がある。
かつて島流しとなった流人には、さぞかし四方八方の海の圧は堪えただろう。
その圧をものともせず、二年半の流刑の間に法華経を根付かせたのが日蓮上人。
日蓮ゆかりの寺院は身延山、鎌倉、安房、伊豆と法難の地をめぐってきたが、
割と早い段階で日蓮流刑の地・佐渡島を訪れることが出来た。
日蓮宗の寺院には他の宗派と一線を画す独特の張りつめた空気がある。
本質、一神教なので朱印帳も専用にして南無妙法蓮華経の御首題を戴くのだが、
佐渡島の風土なのか、ここの日蓮寺院はどこものんびりとした穏やかさがある。
五重塔で有名な妙宣寺をはじめ根本寺、妙照寺など日蓮宗佐渡三本山をめぐりながら、
佐渡国一ノ宮の度津神社、小比叡山蓮華峰寺など、十ヶ所を参拝した。
根本寺で「佐渡ヶ島 日蓮聖人大銅像」とプリントされたTシャツを衝動買いする。
うーん、どこで着るのか?このシャツ。
本当はもう少しめぐりたかったのだが、なにせ佐渡に到着したのが昼前のこと。
結局、佐渡紀行とは名ばかりの日帰り強行軍となってしまった。
だから金山遺跡もトキ保護センターもたらい舟も鬼太鼓もすべてスル―。
一生のうち、再び佐渡を訪れる機会があれば、その時には訪れようか。


2017.05.22(月) 上越から魚沼へ

直江津のホテルで一泊する。大浴場が嬉しかった。
越後上越といえば上杉氏。町中に「毘」「毘」「毘」「毘」の文字が踊る。
春日山神社の売店でキャップをまたも衝動買い、もちろん刺繍文字で「毘」。
上杉氏の菩提寺だった春日山林泉寺には謙信公を中心とした宝物館があり、
謙信、兼続、景勝ゆかりの甲冑などが展示されている。
館長と思しき人の話を聞いたが、もう謙信LOVEだ(笑)
ただ米沢の方の林泉寺に話を向けると、途端に声のトーンが下がる。
あちらは江戸時代のことだし、よくわからないと。
米沢でも話を聞いたが、上越のことはあまりよくいっていなかった記憶がある。
そのあたり元祖と本家ではないが、謙信公の引っ張り合いがあるのだろう。
昼過ぎに上越を後にして、北陸道を東南の魚沼に移動。
両親が新潟出身で、私の本籍も新潟県に残したままなのだが、
佐渡も直江津も高田も初めて訪れた。魚沼方面も同じで、土地鑑があるようでない。
高速ルートは北陸道で長岡まで一旦北上し、関越道で南下することになり、
地図上の見た目以上に距離を走らされた。100キロを優に超える距離。
途中、まだ雪をまとった越後三山(駒ケ岳、中ノ岳、八海山)がくっきり姿を現す。
田植えも終わり、連日夏日の気温だが、この地方の冬の雪深さを思う。
その八海山の麓にいく。ここでのメインは西福寺と雲洞庵。
西福寺開山堂の天井彫刻は一見の価値あり。まさに絢爛豪華とはこのこと。
“江戸のミケランジェロ”の異名を持つ名工・石川雲蝶、渾身の作だ。
幼名を虎千代、その後は景虎、輝虎を名乗る謙信をめぐって、
タイガース必勝の景気をつけたつもりが、天井絵では虎が竜に尻尾を巻いている。
八海山尊神社で手を合わせて、「日本最大の庵寺」といわれる雲洞庵へ。
ここが庵寺とは思えない大きなお堂を拝観。
幼少のみぎりの兼続、景勝が肩を並べて学問に励んだのだという。
彼らの自筆の書状も多く残され、その達筆文字に上杉氏の文武両道の気風を思う。
おかげで本尊の釈迦牟尼佛よりも歴史館の方が目立っている印象だった。
ここは「雲洞庵の土踏んだか、関興庵の味噌舐めたか」といわれる修行の地。
最後はもう一方の関興寺。サンプルの味噌をたっぷり舐めさせてもらう。
そこから新潟市内まで130キロの距離を走らせてホテルへ。
春日山から雲洞庵、関興寺まで。寺社めぐりというより上杉めぐりの一日だったか。


2017.05.22(月) 彌彦神社御神廟へ

最初に新潟行きを思いついたとき、真っ先に浮かんだのが村上の観音寺だった。
NHKの「歴史秘話ヒストリア」で紹介されていたのを見て、
ぜひ最後の即身仏である佛海上人の御尊顔を拝したかったのだ。
しかしどうしても越後国一宮の彌彦神社に行かないわけにはいかず、
長い距離への気力も体力も自信が持てず、村上は断念した。
「未練を残して終わるのも旅の醍醐味」。
私が勝手に作った造語だが、それで旅が繋がることも少なくない。
朝のうちに新潟市内の白山神社、護国神社を参拝し、彌彦へと向かう。
そして車の中でスマホがないことに気がつく。またか・・・もはや旅の風物詩だ(汗)
運よく公衆電話のあるコンビニを発見してホテルに電話。
出掛ける時、忘れ物はないかと部屋を見渡したまではよかったが、
トイレでしゃがみながらスマホをいじっていたことを失念していた。
私の旅はどうやら醍醐味よりも風物詩に明け暮れる運命にあるようだ。
結局、スマホは夕方までホテルで預かってもらい彌彦神社へ。
ここに至ると「実家に駆け戻れる」など、もはや方便もいいところだ(恥)。
下社で参拝を済ませ、ロープーウェイで弥彦山に登頂。
寺社をめぐりではロープーウェイやケーブルカーに乗る機会が増えたが、
絶景という意味では山頂からの眺めは彌彦山が最上級だといっていい。
東に遥か広大に拡がる越後平野。見渡す限りの水田に集落が点在し、
西を向けば足元から日本海が広がり、佐渡が島影を浮かべている。
思わず写真を撮りたいところだったがスマホがない(汗)
尾根伝いに20分ほど彌彦神社の奥宮にあたる御神廟まで歩く。
最近、めっきり歩かなくなったものだから、ことのほか山道が堪える。
ただ慣れて来ると息も上がらなくなり、足取りも軽くなる。不思議なものだ。
再び新潟市内に戻り、ホテルでスマホを回収して新幹線で帰路へ。
今回の旅でめぐった寺社は合わせて30。海に山に田園地帯を走り抜けた旅だった。


2017.05.23(火) 駅弁

せっかくあちこちに旨いものがある新潟に居ながら、
飯を食う間も惜しんで寺社めぐりをやってしまったおかげで、
ほぼ、運転しながらコンビニのおにぎりやパンで済ませてしまっていた。
久々にへぎそばを啜りたかったし、噂のタレカツも食ってみたかった。
そうなると帰りの新幹線では旨い駅弁を食いたい。
富山の「ますのすし」をパクったような「さけずし」でもよかったのだが、
売店で目に飛び込んだのが「焼漬鮭ほぐし弁当」。
鮭ほぐしといってもそこらのスーパーで売っている鮭フレークとはわけが違う。
身離れのいい肉厚の鮭がゴロンとご飯の上に乗っている豪快な一品。
さすがに鮭も旨ければ米も旨い。やや塩気が足りないのは健康志向の時代だからか。
さらに車内販売のお姉さんに高崎の「鶏めし」をリクエスト。
車内販売の予定はないとのことだが、高崎駅に連絡してくれと頼み込む。
やはり旨い。もともと私のナンバーワン駅弁だが、無理をいった分まで旨い。
相変わらず味が濃い。このままいつまでも濃い味をキープ欲しい。
新潟から上野まで2時間足らずの新幹線「とき」。
昔の「とき」は急行で、それこそ6時間以上はかかっていたように思うが、
その頃も駅弁に舌鼓を打っていたとしても、2個も食っていたかどうか。


2017.05.24(水) うーん、稀勢の里欠場・・・

いま、大相撲のチケットは生半可なことでは入手出来なくなっている。
私も特別先行発売やら出羽の海部屋にコネのある先輩に頼ったがダメだった。
仕方なく今回の相撲見物は見送りとなったのだが、
それもこれも先場所の千秋楽での稀勢の里大逆転の余波だろう。
実際、あそこまで絵にかいたような感動的な幕切れは記憶にないほどだった。
稀勢の里は番付最高位を務める風格をよくぞ一気に身につけたものだと思うが、
やはり怪我による稽古不足は否めず、前半から苦しい土俵が続いていた。
栃煌山、琴奨菊に一蹴された相撲は見ていて痛々しく、気の毒だった。
出場することが横綱の責任としたが、気の毒な相撲では責任以前の問題で、
途中欠場して、怪我の回復に努めることに誰も文句はいわないだろう。
それにしてもこの分だと秋場所もチケットが取れるかどうか心配だ。
私が国技館に通うこと自体が相撲人気の沸騰という現象そのものなのだが。


2017.05.25(木) フェイスガードの鳥谷

映像で鳥谷の姿を見たとき、真っ先に思い出したのが宮本恒靖だった。
しかし衝撃的な死球シーンから一夜にしてよく出てきたものだ。
鼻骨骨折では昨夜は殆んど寝られなかったのではないか。
連続出場というのはとかく賛否を呼ぶ記録だが、
私はベンチの鳥谷を見て「もう出るな」とは不思議と思わなかった。
こんな状態で出場してこそ連続出場に箔がつくだとかではなく、
フェイスカード姿の鳥谷がいつにも増して精悍に思えたからだった。
このことでひと皮剥けそうな予感がする。
いや、きっかけにしてほしい。


2017.05.26(金) 肉を食らう

肉が食いたい。それもがっつりステーキが食いたい。
そんな職場の勇士たちで仕事帰りに板橋のステーキ屋に繰り出した。
高級ブランドの霜降り和牛などではなく、テキサス風の赤身400グラム。
武骨な肉の塊にバターを乗せて塩コショウで豪快に食らいつく。
後輩たちに奢れるほどの給料はもらっていないので、
割り勘になったのは多少、忸怩たる思いではあったが、
一応、チョリソーとエローテを振る舞って勘弁してもらった。
旨い!ああ旨い。焼肉よりもステーキの方が断然好きだ。


2017.05.27(日) 映画『雪之丞変化』と崑マジック

名女形・雪之丞が華麗に舞う舞台のライブから映画は始まる。
画面は横長の歌舞伎舞台の上手から下手までのサイズがぴったりと入る構図。
シネマスコープで育った私には、昨今主流のビスタが物足りなくて仕方ないのだが、
ステージとシネスコの構図を緻密に計算したのだろう。うーん見事なり市川崑。
こういう映像を見せられると本当に嬉しい。
我々世代が市川崑の名を憶えたのはTV時代劇『木枯し紋次郎』からか、
決定的なのは『犬神家の一族』から始まる金田一シリーズ。
明朝体のクレジットに数々のトリッキーな映像マジック。
役者の芝居や台詞ではなく映像の仕掛けで笑わせるのは市川崑の真骨頂だった。
さてこの『雪之丞変化』。「午前十時の映画祭」では異色のラインアップだった。
長谷川一夫300本記念作品。山本富士子、若尾文子、勝新太郎、市川雷蔵。船越英二。
大映オールスター総出演のいわゆる“お祭り映画”なのだが、
市川崑は彼らを引き立てるより、初の時代劇演出での実験に夢中だったように思える。
もしかしたら主役の長谷川一夫は二の次なのかもしれない。
光と闇を極端に見せる映像に斬新なカット割り。音楽は全編がジャズだ。
これぞスタイリッシュ。もはや悪ノリ気味にそこを極めようとしている。
正直いうとおっさんとなった長谷川一夫の女形はそれほど美しくなく、
晩年期の『どら平太』と比べても、時代劇の面白さがやや希薄に感じたが、
巨匠のやんちゃぶりを堪能できてなにやら微笑ましくもなった。


2017.05.28(日) 白鵬全勝優勝

呼び方として「五月場所」が正しいのか「夏場所」が正しいのか。
とにかく今場所は白鵬が全勝優勝で締めた。13回目の全勝優勝だそうだ。
稀勢の里に人気が集中し、高安の大関昇進なるか?でも注目された場所。
しかし白鵬の全勝優勝で「ああ、やっぱり」となり、「ま、いいか」となる。
琴奨菊が優勝して以来、土俵の流れが少しめまぐるしくなっていた。
さらに豪栄道の全勝優勝って何だったのか?と今は思う。
琴奨菊は大関を陥落し、豪栄道はカド番は脱したが元のクンロク大関に戻った。
そう2横綱途中欠場なんて場所は、白鵬にまとめてもらうのが一番落ち着くのだ。


2017.05.29(月) 内閣支持率

加計・森友とほとんど醜聞といえるダメ―ジを受けた安倍晋三だが、
内閣支持率は依然として高水準を保っている。
反安倍の朝日の世論調査だけに、現実そういうことなのだろう。
分析すると20代の支持が高く、60代の支持は下降しているのだという。
そこは保守ネット世代と全共闘世代の暗黙の対立があるのかもしれない。
時代を読み取るとき「若者たちを取り巻く閉塞感」は常にキーワードだ。
それがバブルの時代であれ、若者は常に閉塞された世代として扱われてきた。
この煽りは怒りを喚起しようと仕向けたときのマスメディアの常套手段なのだが、
今のネット世代の「右寄り」傾向でも、理屈をこじつければ「閉塞感」は出来あがる。
しかし本当にそうなのか。
匿名を隠れ蓑に、レッテル貼りと、差別の享楽に明け暮れているだけではないのか。
私も極めて保守的な人間だが、ここ十年で膨張したネトウヨには違和感を覚える。
同時に「総理、あなたには多くの国民の疑惑の目が注がれていますよ」という野党。
彼らに「国民」を持ちだされると腹が立って仕方ないのだ。
もしかしたら世代論ではなく、単に私が「閉塞」しているのではないか。


2017.05.30(火) 藤川球児、最速1000奪三振

リリーバーの登板準備を生で見られる神宮のブルペンでは、
藤川球児が登場すると、試合そっちのけで背中の「22」を見てしまう。
その球児が、所要イニングで野茂秀雄の記録を抜いたらしい。
本人は「野茂さんは先発で、大リーグでも実績を残された方なので」と、
1イニングを最初から飛ばせる救援の立場とを比べて謙遜するが、
短いイニングでの達成だからこそ称えられるべきことでもある。
今季の球児は勝ちパターンのリレーから外れることが多くなり、
「全盛期には及ばないですが~」の常套句がついて回ってしまうのだが、
たまに素晴らしいストレートが来ると「おおっ」と前のめりに見てしまう。
節目の1000奪三振超えを角中、井口という好打者相手に記録達成したのがいい。
また阪神を戦力外となりロッテに移籍した柴田講平との対決も面白かった。
6年前の夏の神宮。九回裏二死満塁からの平凡なセンターフライを柴田は落とした。
騒然とする球場。マウンドで茫然とセンターを見る藤川。
走者一掃の事態となり、その後もミスが連鎖して5点差が一気に1点差に。
最後は球児が何とか締めたものの、柴田はベンチの前でナインに頭を下げ、
球児も笑いながらグラブで柴田の頭をポンと叩くひと幕があった。
副産物として、9回裏5点差の段階で多くのヤクルトファンが帰ったので、
ネット裏の近くまで行って、初めて本気の球児の豪球を見ることが出来た。
藤川球児の全盛時代を知らないファンも増えてきたかもしれないが、
それほど長くはない稀代のストッパーのマウンドをしっかり目に刻んでいてほしい。
マウンドでの佇まいに積み重ねてきた1000三振に思いを馳せるのもいいだろう。


2017.05.31(水) 幕張完封リレー ~ZOZOマリンスタジアム

千葉にロッテとの交流戦を観に行くのは5年ぶり。
それまではほぼ毎年、恒例のように千葉に行っていた。
トータル観戦成績は4勝6敗1分。でも目下3連勝中だ。
行くたびに楽しみにしているのが、マリンスタジアムの挑発ポスター。
今年のポスターは「忘れタイガ―忘れられない“トラ”ウマの四連敗!!!!」と来た。
さすが低迷マリーンズ、随分と古いネタを持ち出してきたものだが、
確かにあの濃霧コールドから始まった12年前の日本シリーズは忘れタイガ―だった。
その前代未聞の濃霧コールドの開幕戦を、ネット仲間たち4人で観戦した。
ハンドルネーム「旅虎」「タテジマン」「初代勝負師」に「ザトペック主義」の私。
最初はどこかの屋台から出た白煙に思えた。
それがみるみるうちに霞み状に広がり、グランド全体を覆っていく。
試合は中断。その時点で1-10の大劣勢。ほぼ勝負は見えていた。
結局、7回裏にコールド試合が宣告されるのだが、
その中断の間にマリサポたちのHMの大合唱が延々と繰り返されていた。
そして霧の中、球場から海浜幕張駅まで歩く虎党たちの行列は亡者の如しで、
タテジマン君は深夜バスの中で、マリサポたちの歌声が耳から離れなかったらしい。
実際、あの頃のマリサポはとにかく先鋭的だった。
「忘れタイガ―忘れられないトラウマ」。まさしくあれはトラウマになった。
でも今は懐かしい思い出として、私の虎党遍歴でも語るべき一頁だ。
翻って今夜の試合。能見が好投し、要所で点を重ねて5-0の完封リレー。
これで5年のスパンを挟んでロッテ戦は4連勝。
交流戦の初端で不調のロッテと当ったのはラッキーだった。
それにしてもレフトスタンドに空席が目立っている。
2005年、我々を圧倒したマリサポたちの声援もどこか儚げだ。
そもそも大連敗の中からファンが結束したのがマリサポの原点ではなかったのか。
「もうちょっと頑張れよ」と、レフトスタンドにエールを送っておこう。



                           

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