◆三行の映画評

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さがす
2022.01.22 川崎チネチッタ:CINE6 [1200円/123分]
【20】2022年アスミック・エース 監督:片山慎三 脚本:片山慎三、小寺和久、高田亮
CAST:佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也、森田望智、石井正太朗、松岡依都美、成嶋瞳子、内田春菊、品川徹
●“良い映画”を撮る必要がないことを『岬の兄妹』一発で確定させた片山慎三の「商業映画第一作」に期待した。確かに力作であるし衝撃作でもあるのだが、内容にミステリー要素を加味したことでエグ味よりエンタメに振れてしまい、上手くまとめた印象。もっととんでもない異物感が欲しかった。なにより佐藤二朗がメジャーになりすぎたか。


真夜中乙女戦争
2022.01.22 川崎チネチッタ:CINE4 [1200円/113分]
【19】2022年角川大映スタジオ=KADOKAWA 監督:二宮健 脚本:二宮健、小林達男
CAST:永瀬廉、池田エライザ、柄本佑、篠原悠伸、安藤彰則、山口まゆ、佐野晶哉、成河、渡辺真起子
●現状に不満を持つ大学生、既に富を得て満たされない二人が結社を作って東京を破壊する。ほぼ『ファイト・クラブ』じゃねぇかと思いつつ、この欺瞞を“乙女”と名付けるのは失礼すぎないか。まったく共感出来ないナレーションと擬音の乱発に辟易しつつ、悪相の柄本佑とお姉さんキャラのエライザが意外と魅力的。結局そういう感想しかない。


シカゴ
2022.01.20 TOHOシネマズ池袋:スクリーン1 CHICAGO [1200円/113分] ※再観賞
【18】2002年アメリカ 監督:ロブ・マーシャル 脚本:ビル・コンドン
CAST:レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、リチャード・ギア、ジョン・C・ライリー、ルーシー・リュー
●『ドリーム・ガールズ』との混同もあって内容は殆ど忘れていた。R・ギアの役はプロモーターだと思っていたら弁護士。ただC・Z=ジョーンズが圧倒的だったこととミュージカルシーンがステージで展開されることは憶えていた。殺人事件から始まる物語の大半が刑務所だったことに驚くも、ダイナミックなダンスを新鮮な心持ちで堪能出来た。
※2003年キネマ旬報ベストテン第8位


クライ・マッチョ
2022.01.15 109シネマズグランベリーパーク:シアター4 CRY MACHO [1200円/104分]
【17】2021年アメリカ 監督:クリント・イーストウッド 脚本:ニック・シェンク、N・リチャード・ナッシュ
CAST:クリント・イーストウッ、エドゥアルド・ミネット、ドワイト・ヨーカム、ナタリア・トラヴェン、フェルナンダ・ウレホラ
●正直、いつもよりリズムが悪く、編集もぎこちない気がしたが、キャリア集大成の枷をようやく解いた等身大の90歳として老いと弱さと晒しながら、マッチョな闘争心を雄鶏に仮託し、迷うことなく愛する女のもとに帰っていくイーストウッドに人生レベルの安堵を感じてしまった。そして中一からのファンも今日、またひとつ齢を重ねた。


マークスマン
2022.01.10 TOHOシネマズ海老名:スクリーン7 THE MARKSMAN [1100円/108分]
【16】2021年アメリカ 監督:ロバート・ロレンツ 脚本:ロバート・ロレンツ、クリス・チャールズ、ダニー・クラビッツ
CAST:リーアム・ニーソン、キャサリン・ウィニック、フアン・パブロ・ラバ、テレサ・ルイス、ジェイコブ・ペレス
●ジャンル映画好きとしてL・ニーソンの需要は意識しており、これは見逃せないと思ったが、イーストウッド最新作と同じような設定で予告編と絵面も似ており、しかもホテルのテレビで『奴らを高く吊るせ』が放映されているとなるともうイーストウッド・オマージュなのだろう。海兵隊の勲章に憧れるカルテルの首領のキャラクターは面白いが。


決戦は日曜日
2022.01.10 イオンシネマ海老名:スクリーン2 [0円/101分]
【15】2022年製作委員会=クロックワークス 監督:坂下雄一郎 脚本:坂下雄一郎
CAST:窪田正孝、宮沢りえ、赤楚衛二、内田慈、小市慢太郎、音尾琢真、たかお鷹、高瀬哲朗、今村俊一、小林勝也、原康義
●ポイント観賞で文句は言いたくないがつまらなかった。選挙戦はそれこそ映画ネタの宝庫なのだろうが、その有り余る素材を消化できずに羅列するのみで、決戦であるはずの日曜日にドラマを集約出来ないシナリオが致命的。「落選を目指す」という転換の飛躍も当選の想定の中で右往左往しているだけ。それなりに役者陣は頑張っていけど。


天使にラブ・ソングを
2022.01.10 TOHOシネマズ海老名:スクリーン7 SISTER ACT [1200円/100分]
【14】1993年アメリカ 監督:エミール・アルドリーノ 脚本:ジョゼフ・ハワード
CAST:ウーピー・ゴールドバーグ、マギー・スミス、ハーヴェイ・カイテル、キャシー・ナジミー、ウェンディ・マッケナ
●100分間をご都合主義で繋ぎながら一気に大団円まで持っていってしまう力技はいかにもレンタルビデオ全盛期のヒット作といった感じ。そうだった、みんなあの頃はウーピーが大好きだった。その好きに応えて歌って逃げて自由を叫ぶ彼女は確かに輝いている。配信に押され気味のハリウッド興行界も煌びやかだった。もう30年が経つのか・・・。


偶然と想像
2022.01.09 Binkamuraル・シネマ [1200円/101分] ※再観賞
【13】2021年NEOPA fictive= Incline LLP 監督:濱口竜介 脚本:濱口竜介
CAST:古川琴音、中島歩、玄理、渋川清彦、森郁月、甲斐翔真、占部房子、河井青葉、大沢まりを、横田僚平、安倍萌生
●メインのル・シネマで再見。満席の場内が笑いに包まれるなど観客の熱量が心地良い。改めてカメラの前で演技することの本質に迫った濱口竜介の視点が驚異的であり、それを成立させた俳優たちも凄い。三つの会話劇それぞれにエッジが効いており、演出の妙に何度も観ていられる。世界的評価の『ドライブ・マイ・カー』より圧倒的に支持する。


エッシャー通りの赤いポスト
2022.01.09 ユーロスペース [1200円/146分] ※再観賞
【12】2021年製作委員会=ガイエ 監督:園子温 脚本:園子温
CAST:藤丸千、黒河内りく、モーガン茉愛羅、山岡竜弘、上地由真、藤田朋子、田口主将、諏訪太朗、渡辺哲、吹越満
●一度観た印象のままの記憶でフタをしてしまうべきだったか(笑)。“小林監督心中クラブ”との追っかけっこは冗長。全員が主役といっても黒河内さんが頭一つ抜けていることを再確認。かつての満島ひかり、二階堂ふみのように園子温から羽ばたいて欲しい。ともに渋谷スクランプル交差点で絶叫した藤丸さんは鳥居みゆきになってしまった。


巴里の屋根の下 <4Kデジタルリマスター版>
2022.01.09 川崎市アートセンター アルテリオ映像館 SOUS LES TOITS DES PARIS [1100円/93分]
【11】1930年フランス 監督:ルネ・クレール 脚本:ルネ・クレール
CAST:アルベール・プレジャン、ポーラ・イレリー、ガストン・モド、エドモン・T・グレヴィル、ビル・ボケッツ
●ルネ・クレール初のトーキー作品ということで全編に歌声を響かせ、パリ下町の酒場の喧騒を拾い、各階層のアバルトマンをパンして屋根から人々を俯瞰する。思えば主人公アルベールは何ひとつも報われていないのだが、不思議と爽やかな余韻を残すのは屋根の上から眺めれば一人一人の人生なんてこんなものという巨匠の達観なのか。
※1931年キネマ旬報ベストテン第2位


リラの門 <4Kデジタルリマスター版>
2022.01.08 川崎市アートセンター アルテリオ映像館 PORTE DOS LILAS [1100円/145分]
【10】1957年フランス=イタリア 監督:ルネ・クレール 脚本:ルネ・クレール、ジャン・オーレル
CAST:ピエール・ブラッスール、ジョルジュ・ブラッサンス、アンリ・ヴィダル、ダニー・カレル、レイモン・ビュシェール
●子供たちの遊びで銃撃事件を再現するテクニックに感服しつつ、あまりに無垢なお人好しお馬鹿さんに苛々させられながらもパリ下町の人情喜劇の体裁の中にしっかりノワールサスペンスのテイストも残している。それにしても冷静に観れば悲惨な話でもギターの弾き語りが最高の“芸術家”のジュジュへの肯定がすべてを救っているのではないか。
※1957年キネマ旬報ベストテン第6位


スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
2022.01.08 イオンシネマ新百合ヶ丘:スクリーン1 SPIDER-MAN:NO WAY HOM [1100円/149分]
【09】2021年アメリカ 監督:ジョン・ワッツ 脚本:クリス・マッケナ、エリック・ソマーズ
CAST:トム・ホランド、ゼンデイヤ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジョン・ファヴロー、マリサ・トメイ、ウィレム・デフォー
●「平行世界」くらい便利な飛び道具はなく、歴代3人のスパイダーマンがいとも簡単に集結し、20年ぶりにトビー・マグワイヤとウィレム・デフォーが対峙する。ミステリオの顛末はわからないがMARVELの中でも一番馴染み深くサム・ライミの3部作を抑えていて助かった。今やアベンジャーズの一員となってもスパイダーマンの世界観は好きだ。


ダ・ヴィンチは誰に微笑む
2022.01.08 川崎市アートセンター アルテリオ映像館 DON'T LOOK UP [1100円/100分]
【08】2021年フランス 監督:アダム・マッケイ 撮影:ザビエル・リーベルマン
CAST:(ドキュメンタリー)
●史上最高額510億円で落札されたダ・ヴィンチの「サルバトール・ムンディ」。そこまでカネと国家の威信が膨張するともはや絵画の芸術性やその真贋さえもどうでもよくなり、そこに群がる思惑だけが暴走していく。果てはルーブルの威信さえも魑魅魍魎の一部に思えてしまうのだが個人的には周囲の暴走より真贋論争を突き詰めて欲しかったが。


自由を我等に <4Kデジタルリマスター版>
2022.01.08 川崎市アートセンター アルテリオ映像館 DON'T LOOK UP [1100円/84分]
【07】1931年フランス 監督:アントワーヌ・ヴィトキーヌ 脚本:ルネ・クレール
CAST:レイモン・コルディ、アンリ・マルシャン、ローラ・フランス、ポール・オリヴィエ、ジャック・シェリイ
●『モダンタイムズ』でチャップリンはオートメーション化による人間性の喪失を訴えたが、そのモチーフとなったルネ・クレールもやはり資本とカネに狂騒するドタバタを描きながらもっと洒脱に高らかに友情を謳いあげる。もう91年も前のトーキー初期の古典だけに人物は記号化されているが、群衆の動きの捌き方が巨匠たるゆえんなのだろう。
※1932年キネマ旬報ベストテン第1位


ドント・ルック・アップ
2022.01.02 ヒューマントラストシネマ有楽町:シアター1 DON'T LOOK UP [1200円/145分]
【06】2021年アメリカ 監督:アダム・マッケイ 脚本:アダム・マッケイ
CAST:レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・ローレンス、メリル・ストリープ、ケイト・ブランシェット、ティモシー・シャラメ
●巨大彗星の激突で地球存亡の危機が訪れたとき人類はどうなってしまうのか。映画は皮肉を交えたブラックジョークを強調していたが、実際、突然そのような危機に見舞われた場合の日常生活はそんなものではないかと思った。とにかく見応え十分、オールスターに贅を尽くしたNETFLIX作品。でもこれはどう考えても劇場で観るべき大作だ。


長靴をはいた猫
2021.01.02 丸の内TOEI [1000円/80分]
【05】1969年東映動画=東映 監督:矢吹公郎 脚本:井上ひさし、山元護久
CAST:(声) 石川進、藤田淑子、水垣洋子、熊倉一雄、水森亜土、小池朝雄、益田喜頓、榊原るみ、愛川欽也、白石冬美
●子供の頃は実写の怪獣映画ばかり見ていたので「東映まんがまつり」を劇場で観たのは高校を卒業してからだった。これは50年以上前のシンボル的作品でも東映動画のクォリティの高さに今更ながら驚いた。クレジットに大塚康生、宮崎駿の名前を見つけたが、クライマックスの魔王の城での大チェイスは今観てもアニメの粋に満ちている。


柳生一族の陰謀
2021.01.02 丸の内TOEI [1200円/130分] ※再観賞
【04】1978年東映=東映太秦映画村 監督:深作欣二 脚本:野上龍雄、松田寛夫、深作欣二
CAST:萬屋錦之介、千葉真一、松方弘樹、西郷輝彦、大原麗子、原田芳雄、成田三樹夫、真田広之、山田五十鈴、三船敏郎
●東映70周年で30年ぶりに東映の本丸を訪れた。客は20人ほどだったが44年前の封切り初日は長蛇の列が劇場を3周した。実際『柳生一族の陰謀』は面白い。深作と錦之介の間で確執があったのは事実だろうし、批判が出やすい映画であることも承知だが、オールスターを捌き、錦之介の「夢じゃ夢でござりますー!」の大芝居まで一気に見せる。


スティール・レイン
2022.01.01 kino cinama 横浜みなとみらい:シアター3 강철비2: 정상회담 [1200円/132分]
【03】2020年韓国 監督:ヤン・ウソク 脚本:ヤン・ウソク
CAST:チョン・ウソン、クァク・ドウォン、ユ・ヨンソク、アンガス・マクファーデン、白竜、シン・ジョングン、リュ・スヨン
●原潜の狭い一室に囚われた米大統領、韓国大統領に北朝鮮委員長。「ファック!」と罵倒し、挙句は喫煙と放屁合戦・・・って、コントか?それでもポリティカルアクションの体裁は維持し、「ハズレなし」の潜水艦アクションで盛り上げる。半島統一の夢と現実が交錯し、アメリカ、日本をチクリと非難する。どこまでサービス精神旺盛なのだ。


レイジング・ファイア
2022.01.01 kino cinama 横浜みなとみらい:シアター1 怒火 [1200円/126分]
【02】2021年香港=中国 監督:ベニー・チャン 脚本:ベニー・チャン
CAST:ドニ―・イェン、ニコラス・ツェー、チン・ラン、ロイ・リョンワイ、サイモン・ヤム
●原題が炎文字でドーンと出て、もうそこからアクション&バイオレンスの雨あられ。なにせ『怒火』だぜ、元旦からしっかり燃えさせてもらった。大晦日に観た韓国映画も合わせどんだけ死体が積みあがったか。このジャンルのアジア映画で日本の周回遅れは深刻の域まで達している。もっとも相手がドニ―・イェンでは勝負にならんだろうが。


悪なき殺人
2022.01.01 kino cinama 横浜みなとみらい:シアター1 SEULES LES BÊTES [1200円/116分]
【01】2019年フランス=ドイツ 監督:ドミニク・モル 脚本:ドミニク・モル
CAST:ドゥニ・メノーシェ、ロール・カラミー、ダミアン・ボナール、ナディア・テレスキウィッツ、バスティアン・ブイヨン
●片田舎の殺人事件を当事者たちの視点を変えながら真相に辿り着く展開は珍しくはないが、「偶然」の重なりが神の目線からすれば必然なのかと、なかなか面白く観た。ただ死体を遺棄するジョゼフの行動が作為的過ぎてパズルのピースとして不完全だったのが残念。題名は『悪なき殺人』だが、偶然を必然にしたのは悪意そのものだ。



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