■2014.11
日めくり 2014年11月(平成26年) ◄►
2014.11.01 巡礼-の・ようなもの 大阪編
2泊3日の計画で、大阪、比叡山、奈良の寺社めぐりに旅立つ。
この旅には前置きがある。実は日本シリーズ6戦、7戦のチケットを持っていた。
最初のCS広島戦を突破したとき、甲子園のチケットの抽選に応募。
まさか巨人に勝つわけがないと思っていたので、ほんのおまじないのつもりだった。
抽選に当選したのは巨人戦が始まる前。あらら当たっちゃったかという程度。
そして阪神タイガースの快進撃が始まり、一日ごとに腰が落ち着かなくなる。
実は気の置けぬ友人たちと11月1日は飲む約束をしている。ギリギリまで戦況を待つ。
そしておまじないのつもりだった抽選チケットが「実券」となったのが一週間前。
そこから飲み会不参加の連絡をし、宿を求めてのてんやわんやが始まる。
なにせ秋の行楽の三連休。こんなギリギリになって空き部屋などあろうはずはなく、
夜なべでネットの旅行会社のサイトやホテルを片っ端から当たるがダメ。
これはサウナかネカフェかと諦めかけていたところ、
新幹線+宿のパックの別枠があるかもと直接、JR東海の窓口へ。
梅田の法華クラブを往復新幹線込み25000円で抑えてもらう。ラッキーだ。
日曜日は西成の木賃宿に何とか空きを見つけ予約。これで何とか宿は確保。
ところが、ここから輝く我らの阪神タイガースがやってくれた(泣)
ポテンヒットとサヨナラスリーランと守備妨害と博多で三つ落として憤死。
おかげで心おきなく寺社巡礼に集中できることと相成りました。
住吉大社、大島大社、四天王寺。『ちりとてちん』所縁の高津宮や天満宮など、
大阪を駆けずり回りながら、次回に課題を残すのは旅の極意だといい聞かせ、
道明寺や葛井寺、枚岡神社、大念仏寺は時間切れで断念。
大阪の寺社をめぐるのは、天王寺を拠点にすれば実に効率がいいことが解った。
大鳥大社では朱印帳に「和泉国一之宮」の墨書を加筆して戴き、
大阪天満宮ではお願いして「天満天神」と記してもらう。
夕方から雨が降り始める。すでに疲労困憊。雨の野球観戦はさぞきつかったろう。
だから甲子園がなくなって良かったなどとはまったく思っていないが、
四天王寺庚申堂で「あなたが訪ねてこられたのも何かの仏縁です」といわれた。
仏縁だったのか!? 阪神タイガース。
2014.11.02 巡礼-の・ようなもの 近江編
比叡山には今年の1月に行ったばかり。
しかしシャトルバスがオフシーズンで横川中堂に行けなかった。
先ずはJR比叡山坂本駅を目指して京都で米原行きに乗り換える。
しかし米原方面は間違いだった。湖西線で琵琶湖の対岸に行くのが正解。
間違いに気付いたのは膳所。ならば膳所で下車して義仲寺に寄ってみる。
琵琶湖にほど近い小さな寺だったが、木曽義仲と松尾芭蕉の墓があったのに驚く。
そもそも、まったくの無知から始めたのでそれぞれの縁起には驚きの連続だ。
坂本に着くと比叡山方向とは逆に歩いて聖衆来迎寺。またも琵琶湖の近くへ。
そこから日吉東照宮の急な石段を昇って参拝。前回は神職の方が不在だった。
そんな具合に今日の比叡山の旅は、忘れ物を取りに来た色合いが濃い。
ようやく坂本ケーブルに辿り着いたときには昼になり、雨が降り出していた。
霧深い比叡山山頂に上がった途端、延暦寺の梵鐘の音が「ゴ~ン」と。
鐘の音に迎えられるのは前回と同じ。今回は霧の中から聞こえてきた。
高野山、伊勢神宮もそうだった。聖地に足を踏み入れた瞬間の霊験あらたかな感覚。
旅の昂揚感と相俟っているのだろが、誠に不思議な思いに囚われる。
延暦寺の中核を成す根本中堂は後に回して、先ずはシャトルバスで横川へ。
元三大師の根付けを購入した後、日蓮上人ゆかりの定光院までの長い坂道を下る。
講堂の中心から離れた場所が如何にも日蓮の孤高を思わせるのだが、
普段、都会で高血圧症に悩んでいるのが嘘のように身体が動く。これも不思議。
日没手前まで延暦寺を巡り、東塔の「不滅の灯明」もじっくりと拝観。
帰りに梅田で寄って阪神百貨店の「応援感謝セール」を覗き、地下で食料を買い込む。
ついでに地下に隣接する「阪神理容院」で気持ちよく髭をあたってもらう。
この床屋はマッチが置いてあるような昭和の佇まいで、以前からのお気に入りだ。
2014.10.03 巡礼の・ようなもの 大和編
西成の宿は2000円。3畳ほどの部屋にエアコンとテレビが置かれている。
共同風呂、共同便所でせんべい布団。一切のアメニティはなし。
しかしこの宿泊料でこれ以上何を望むのか。
窓を開けると「あいりん公共職業安定所」が目の前に見える。
連休中でも早朝には仕事にありつくための行列が出来るのだろうか。
屋上の共同風呂は大浴場と銘打っているだけに思ったよりも広く、眺望もよい。
窓から輝く通天閣。その存在感たるやあべのハスカスの比ではないだろう。
新今宮から一旦奈良まで来て、桜井線に乗り換えて三輪へ向かう。
いかにもローカル線といった趣きの単線の鈍行は30分、一路、大和平野を走る。
大和国一之宮の大神神社を参拝し、名物のそうめんと柿の葉寿司のセットを食う。
そうめんも柿の葉寿司も外で戴くのは初めての経験。
旅に出て、コンビニのおにぎりでは芸がなさすぎるというものだが、
西成の宿賃と値段が変わらないのは、これが観光客価格だからだろう。
奈良駅周辺は連休唯一の晴れ日で、人でごった返し、道路も大渋滞だった。
今回は春日神社の摂社末社と、大仏殿以外の東大寺のお堂に絞って参詣する予定。
七五三の家族連れや正倉院展の来場者と相変わらずウザかわいいシカを除けながら、
東大寺の念仏堂、三昧堂、法華堂、戒壇院、指図堂・・・。ここでも歩きに歩いた。
さらに途中で財布がスッカラカンになって、駅のATMまで往復(疲)。
何度か足をつりかけたが、ここまで歩けたのは自信になったかもしれない。
一昨日も、昨日も夜は雨。もし甲子園で観戦していたら疲れで熱を出していたかも。
とっととのぞみで帰りたかったが、貧乏旅行ゆえ、京都からこだまで新横浜へ。
この三日間で参詣した寺社35。戴いた御朱印は52。なかなかの旅だったが、
あまりにも一人道を邁進してしまったとも思う。
そこで自戒も込めて、中島みゆきの歌詞を自分に言い聞かせてみる。
古い記憶は語り継がれて 捻じ曲げられることもある
さまよう人よ 心とはぐれていないか
やさしすぎる弱虫は 孤独だけを選びとる
真実の灯をかざして 帰り道を照らそう
2014.11.04 新井サンの退団
CSの快進撃で浮かれ、日シリに苦笑いしたタイガースファンに爆弾が落ちる。
鳥谷のメジャー挑戦に続いて、新井サンの退団のニュースだ。
新井サンのタイガースでの通算打率の詳細は解らない。
仮に3割打っていたとしても、残り7割の凡退がやけに目立つ選手ではあった。
でも自分は決して嫌いな選手ではなかった。7割の凡退が実に人間臭かった。
逆に新井サンなら何を野次っても許されるようなスタンドの雰囲気を嫌悪していた。
「新井!働けっ」 「恥を知れドアホ」 「弟と代わって鳴屋浜に消えろ!」
金本のアニキが新井サンを弄るからといってファンが調子に乗りすぎてはしないか。
「優勝出来るチームでプレーがしたい」と移籍してきた新井サンが、
「出場機会を求めて自由契約をお願いしました」では感傷的にもなろうというもの。
189㎝の体躯からフルスイングでレフトスタンドに持っていく豪快な一発。
打った瞬間のドヤ顔も好きだったな。
2014.11.05 おいおい
真鶴の女子高生殺人事件の容疑者で、証拠不十分で無罪となった男が、
大阪で女性を数回にわたってナイフで刺し、傷害容疑で逮捕される。
その現場のニュース映像が流れたとき、思わず「はっ?」となった。
最近見たことのあるような街並みに、最近見たことがあるような風俗店。
画面の右端に「ホテル法華クラブ」の看板が。
しかし無罪放免になったばかりで、すぐに人を刺すか?
まったくどうしようもねぇな。もう舞鶴の事件ではこの男を裁けないぞ。
2014.11.06 レームダック
レームダックとは「死に体」のことで、主に相撲で使われる用語だ。
「死に体」といえば北の富士と貴ノ花の攻防で、両者の態勢が崩れた場面。
北の富士のは「かばい手」だったのか「つき手」だったのかで紛糾した一番を思い出す。
さて職場にテレビが入って、朝と昼休み、終業間際にニュースを見る機会が増えた。
今日のトップニュースは共和党が圧勝したアメリカの中間選挙の結果だろう。
これで任期半ばにしてオバマ民主党政権はレームダックに陥るといわれている。
それにしても残り二年は長い。日本にも大統領制導入の議論はあるが、
こんなアメリカを見ていると大統領制にも欠陥があるものだと思う。
2014.11.07 蹂躙の海
小笠原付近で赤珊瑚を片っ端から密漁していく中国船。
東シナ海に現れる奴らより頭に来る。お前らはイナゴか。
海保が領海外に追い出す話しばかりではなく、
泥棒を捕まえんでどうする。盗まれた物を没収せんでどうする。
安易な反中の風潮に与する気はさらさらないが、
これは完全に国有財産の侵害ではないか。
いまいましいのぉ~、完全にナメられとるではないか。
2014.11.08 一家で移動
実家のトイレと屋根に改修工事に入る。
トイレが使えなくなるので、両親を車に乗せて向島まで叔母の見舞いに行く。
親父を外に連れ出すのはどれくらいぶりだろうか。
叔母の入院はそろそろ2年になる。
次男のお嫁さんがよく叔母の世話をしてくれているのは本当に有難い。
相変わらず母親の無邪気な暴走が周囲の苦笑を買ってしまったが、
今回、御無沙汰だった親父と顔合わせるよい機会になったかもしれない。
その後で、従姉がやっている喫茶店に寄って昼食を御馳走になる。
その従姉は本当にうちの両親によくしてくれる。
初めて知ったのだが、従姉の名付け親が我が母なのだそうだ。
さて、夕方になっていつまでも商売の邪魔をしているわけにもいかず、
再び、一家3人が小さな車で帰路に着く。
まだトイレの改修が終わっていないだろうということで、
時間稼ぎに高速を使わず中原街道をちんたらと横浜へ向かう。
あまりの渋滞に今度は親父がぐずり出す。
トイレが近いので気を使って何度かコンビニに寄っているのだが、
後部座席でため息と舌打ちを繰り返され、ハンドルを握るこちらも苛々が募ってくる。
母親はなるべく遅くに家に到着したいらしく、とうとう車の中で揉め始める。
こちらもいい加減、車内の平和を維持する自信を無くしかけていたので、
躊躇なく川崎ICから東名に乗る。これで気が済むか?親父。
途中の港北パーキングで母親が財布を従姉の店に置き忘れたことが判明。
まったく・・・一体なんという連中だ。さすがに堪忍袋の緒を切ろうかと思ったものの、
実は自分も昨日、帰宅のロマンスカーにスマホを忘れてしまって、
はるばる小田原まで回収しに行ったのだった。
2014.11.09 七五三
やはりハンドルを握る時はひとりが気楽でいい。
ということで都内を突っ切って埼玉まで飛ばし、
大宮の武蔵国一之宮の氷川神社を目指した。
ところが大きな神社は七五三で駐車場がごった返していることを失念していた。
昔は、お爺ちゃんお婆ちゃんがこんなにいたものか?と思うが、
今の七五三は親子三代でお参りに出掛ける一大イベントなのだろう。
自分のときもそこそこのおしゃれをさせられた記憶はあるが、
女の子の振袖はわかるにしても、男の子も和装や袴姿が大勢いた。
自前なのか貸衣装なのか、どちらにしても爺婆が衣装代は捻出したのだろう。
境内の売店に売ってはいたものの、千歳飴の袋を提げた子供たちは皆無に近かった。
2014.11.10 一の酉
仏事や神事を司る場所に行くと妙に心が落ち着くようになってしまった。
仕事帰りの時間には大概の寺社は閉門しているのだが、
今日は一の酉。酉の市で湧く練馬の大鳥神社と新宿の花園神社をはしご。
予定では新文芸坐で中島貞夫監督の特集をやっているのを観るつもりだったが、
今夜の『くの一忍法』と『くノ一化粧』は未見ではあるものの、
どうしても観たい映画だったか?といえばそんなこともなかった(笑)。
無数に飾られた提灯と満艦飾に並べられた色鮮やかな熊手。
秋の大祭に相応しい催しだったが、もうひとつのお目当ては屋台。
定番の焼き鳥、焼きそば、タコ焼き、イカ焼き、あんず飴、チョコバナナから、
最近はバラエティに富んでクロワッサン鯛焼きなんてのもお目見えしている。
その中から焼きそばとチキンステーキを食って、かなり腹がもたれてしまった。
とくに花園神社では絶滅品種の「見世物小屋」も出ていた。
話のついでに小屋を覗こうかとも思ったが、
見世物小屋の方を選ばれたとあっては、新文芸坐も中島貞夫も不憫なので止めた。
2014.11.11 ○○○ ○○○
表題は六文銭のつもり。決してCSでのタイガースの成績ではない。
一方、小室等や及川恒平、上条恒彦の六文銭のことでもなく、
この六文銭を旗頭にする真田幸村と、中島貞夫の映画について。
先日の関西旅行のとき、主要駅に和歌山県が観光ブースを出していて、
そこで幸村を前面に推して観光をアピールしていたので、「おや?」と思った。
真田といえば信州・上田のイメージが強く、和歌山県に縁があるとは知らなかった。
それは今日、職場帰りに映画『真田幸村の謀略』を観て得心した。
真田といえば真田丸。猿飛佐助、霧隠才三、三好清海ら十勇士は紀伊で結成された。
(根津甚八は知っていたが、望月六郎もこの十勇士からの戴きとは知らなかった)
映画が封切られたのは浪人のとき。当時、東映のドン的存在だった中島貞夫が監督した。
あの頃は予備校に行くと見せかけて名画座廻りに明け暮れていた日々で、
パチンコ屋で球を拾ってタバコと交換していたくらい金がなかった。
この映画を観るため、横浜駅から国道15号を歩いて川崎まで歩いたのだったか。
1979年に観た映画には、多かれ少なかれそんな逸話がくっついてくる。
映画は新解釈に新解釈を上塗りして自爆。今日も35年前とまったく同じ印象だったが、
あの手この手を使って観客を楽しませようとする太秦撮影所の粋は読みとれた。
あの頃、円熟味を増していたと思えた主演の松方弘樹はまだ37歳。
すでに大御所監督となっていた中島貞夫にしても45歳だ。
まだまだ、みんな若かった。もちろん川崎まで歩いた自分も若かった。
2014.11.12 中島みゆき「問題集」
ニューアルバムの「問題集」がリリース。さっそく山野楽器で購入した。
開演を控える『夜会VOL.18「橋の下のアルカディア」』から5曲。
今までこんな例はあっただろうか。少なくとも夜会のコンセプトの一角が崩れた。
しかし個人的には大歓迎。曲先行で舞台を想像するのも楽しいというもの。
すでに還暦を過ぎて中島さんも思うところがあるのかもしれない。
朝ドラ『マッサン』から「麦の唄」も収録。初めてフルコーラスで聴く。
既成の曲を提供するのではなく、物語に沿った曲作りは中島さんの真骨頂か。
それにしてもフルで聴くと何とスケールの大きな曲だろう。
アルバムはまだ通しで聴いた程度なので、聴き込んでいるいるわけではないが、
25日の赤坂ACTシアターが今から楽しみでならない。
2014.11.13 解散総選挙ですか
APEK、ASEANからG20と首脳外交を矢継ぎ早にこなす安倍晋三。
しかし首相に張り付く記者たちの関心はもっぱら「解散」の二文字。
「私は年内に解散するなど一言も明言していない」とする首相をよそに、
各新聞の一面は「解散」の文字が踊り、12月2日公示、14日投票日とぶち上げる。
確かに検討条項があるとはいえ消費増税10%は法律で決まっている。
その法律を覆すとなると、解散してその是非を国民に問うという大義名分にはなる。
しかし増税見送りが「争点」となるのかといったらどうなのだろう。
先般の日銀の追加緩和はアベノミクスの敗北だという見方もある。
なるほど景気上昇が増税をカバーする予定が狂うだから敗北なのかもしれない。
現政権がそこを認めるならば、ぜひ解散すればよろしい。
「アベノミクスは成功したが、景気の動向を見て増税は先送りする」
これでは論理破綻だ、まるで話にならない。
「今なら勝てる」「野党の足並みが揃わぬ間に」「これ以上、閣僚の不祥事が出ぬ内に」
「また安倍政権が信任されれば、集団的自衛権の解釈変更も信任されたということ」
こんな理由で解散するのならば、いよいよお里が知れるというものだ。
2014.11.14 映画『0.5ミリ』は今年の邦画ナンバーワンか
エンドロール。スバル座の幕が下りたとき、これは素晴らしいと思った。
もちろん今年公開の邦画すべてを観たわけではないが、個人的にはベストだ。
強い日差しが降り注ぐ全編の高知ロケ。一種のロードムービーにもなっている。
監督は安藤桃子、主演に安藤サクラ、エグゼクティブプロデューサーに奥田瑛二。
共演が柄本明、角替和枝とくれば、殆んど身内で固められた映画ではあるのだが、
安藤サクラの強烈な存在感にすべてを委ねた身内の結束力が見え隠れする。
サクラも『愛のむきだし』コイケから『かぞくのくに』リエまでの幅を駆使して、
津川雅彦、織本順吉、柄本明、坂田師匠、井上竜夫演じる老人たちと対峙する。
彼女が彼らと対峙した際に発する振動係数がそのまま映画の魅力だった。
老いることの悲しさ切なさ、ある意味での凄味。それを軽妙に綴る196分。
劇中、高知の映画館で上映され、サワに爆笑される奥田瑛二監督『少女』。
閉館の挨拶文の巻末に大きく記された「日本映画万歳」の文字。
小規模の上映ながら全国で順次公開される。ぜひご覧あれ。
2014.11.15 伊豆稲取へ
社員旅行で伊豆稲取温泉へ一泊。
昼に東京駅集合。リゾート踊り子号のグリーン車に乗り込む。
全座席が360度回転。180度はもちろん45度にも90度にも自由自在。
こんな列車は初めてのことで、ここまで団体旅行が満喫できるとなれば、
うちの職場は速攻で宴会となり、あっという間に焼酎のボトルが空く。
まぁ社員旅行も職場行事の内とは思うのだが、
観光も散策もなく、昼日中から酒盛りに特化した旅行は正直、苦手ではある。
夜に宴席がセットされているのだから、ここは軽くビール程度でいいのではないか。
などと思いながらも、列車は大磯を過ぎたあたりから車窓に相模湾が広がる。
トンネルに入るとライトが消えて、天井に鮮やかな大海原のイルミネーション。
さすがリゾート踊り子号、どこか懐かしのバブリーな頃を思わせる。
超オーシャンビューの宿に到着し、温泉で酔い気を醒まして宴会に臨む。
「金目鯛煮つけ・しゃぶしゃぶの大満足プラン」
いやはや旨かった。稲取の金目鯛は高級ブランドらしいが、問答無用で納得。
煮つけ、金目しゃぶの他に刺身から茶碗蒸し、グラタン、みそ汁まで金目づくしだ。
金目がこんなに美味とは文字通り目から鱗だったが、やはり地元産ならではだろう。
2014.11.16 満天の星空とご来光
宴会の後、ジョゴビッチと錦織の一戦をあーでもねーこーでもねーと見た後、
真夜中にひとり屋上の露天風呂へ行く。
海からの寒風が吹きっさらしだったが、浴槽を独占だ。
闇の中、月明かりが直線に海面を照らして、まるで幻想画の中にいるよう。
そして見上げれば満天の星たち。星が降り注ぐとはまさにこのことだろう。
ひときわ輝くオリオン座がまるで天の川に包みこまれているようでもある。
そしてひと眠りして、今度はご来光だ。
伊豆大島の先からオレンジ色の光を放ち、船影がシルエットで浮かんでくる。
瞬きをするたびに太陽が膨らんで昇ってくるのが何とも不思議。
正直、それほど期待していた旅ではなかったが、
金目、海、星、ご来光で一気に忘れ得ぬ旅となった気がする。
少々現金だが、幹事を務めたYさんには感謝を書き留めておこう。
2014.11.17 たまには活字を
電車の中でずっとスマホと睨めっこの学生、会社員、OLたち。
その一群に紛れて自分もずっとスマホの画面に目を落としている。
それで、最近、本離れの状態が続いている。
先日、電車にスマホを忘れて小田原まで取りに行ったとき、週刊文春を買った。
今どき週刊誌を読んでいるオヤジも珍しかっただろう。
駅の売店で売っていながら、読んる奴を見かけないのも不思議ではある。
今朝もアパートにスマホを置き忘れて出勤。
昨日、真夜中の星空と早朝のご来光で寝足りていなかったのか、朝は呆けていた。
スマホがないと電車の中ではいきなり手持ち無沙汰となる。
カバンを探ると先日の週刊文春が出て来た。読んでみるとなかなか面白い。
電車で週刊誌を読むオヤジがいたら、そいつはスマホを忘れた奴かもしれない。
2014.11.18 高倉健
哀悼文?
そんなもの気軽に書けるかいな。
暗がりの中、青春をありがとう。
また改めて。
2014.11.19 母親の誕生日に
どうしたものかと躊躇したが、
母親の誕生日に電話の一本でもくれてやらにゃと思い、
池袋の西口から東口の地下通路あたりで実家に電話する。
昭和6年生まれは健サンと同じだ。
しかし母は見事に自分の誕生日を忘れていた。これで2年連続だ。
ついでにぐずぐずと愚痴をこぼし始める。
電話なんかするんじゃなかった。
・・・って、ことはないか。
2014.11.20 解散
衆議院が解散した。いつも万歳する光景は不思議ではある。
自民党から共産党まで当選して万歳はわかるのだが、職を失って万歳とは。
「我々はいつ解散してもいいように常在戦場の覚悟でいる」と。
議員にとって常在戦場とは「議会」ではなく「選挙」のことなのか。
「問題が山積する中で、政治の空白を作るとは何事だ」と野党の一派。
問題が山積しているからこその解散ではないのか。
「この財政難で、何百億も使って総選挙をやるのか」との声も。
別に海外に流出する金ではなく、国内で流通するのだからいいではないか。
外遊先で世界中にその名を喧伝した「アベノミクス」。
しかし、歌謡ショーとワインとうちわとSMクラブに揺さぶられた。
そして合流、解党、流出の離合集散。
いよいよ「大義なき解散」と「意味不明の野合」との対決が始まる。
2014.11.21 一人と独り
職場の飲み会を断って帰宅したら500mlのお茶が切れていた。
お茶を買いに行く前に洗濯機を回そうとしたら洗剤も少なくなっていて、
玄関の鍵を閉めるときに、キーホルダーから鍵が落ちてチャリンと音がして、
暗がりの中、スマホのライトで地面を照らして鍵を探す。
自転車に乗ろうとしたら何故だかタイヤから空気が抜けていて、
駅前のスーパーに空気入れがあったなと思って、そこまで自転車を引く。
そこで黙々と空気を入れて、お茶のペットボトルを箱で買い、洗剤の詰替えを買い、
その箱が思ったより大きくて自転車の籠に入らないので、
後ろの荷台に紐で縛って、自転車をヨロヨロ漕ぎながらアパートに戻る。
戻ったところでちょうど洗濯機の脱水が終わったところで、
ついでに詰替えの液体洗剤を容器に流し込む。
なぜだろう。
普段、寝たり、食ったり、風呂に入ったりの生活ではまったく感じないのだが、
これらの作業にいい知れぬ孤独を感じてしまった。
2014.11.22 東京うろうろ
53年の生涯のほぼすべてを神奈川で生活し、
東京には大学時代を含め四半世紀近く通っている。
しかし、すっかり週末の習慣になっている寺社めぐりなどをやっていると、
毎度のように知らない神奈川、知らない東京の光景に出くわす。
今日は上野から恩賜公園を横切って下谷まで歩いてみる。
寛永寺の厳かな霊園と並行して見えるのが鴬谷駅に並ぶラブホテル群。
これがひとつの視界の中に捉えられるのが非常に奇妙で面白かった。
猥雑な歓楽街に異次元のように存在している寺社は珍しくないが、
ここまで絶妙なまでに整然と調和のとれた光景は珍しいのではないか。
寛永寺の霊廟に眠る徳川綱吉や吉宗も苦笑いだろう。
2014.11.23 長野で震度6弱
グラッと来て、テレビをつけたら長野県小谷村で震度6弱だとか。
しばらくテレビを見ていたが、真夜中ゆえになかなか情報が入ってこない。
朝になってから倒壊した家屋や崖崩れの様子が生々しく映し出される。
善光寺の石灯籠が崩れていたのにも驚いた。
なによりも街灯もない土地での真夜中の避難はさぞ怖かっただろう。
白馬村の崩れた家屋を見ると非難出来たことが奇跡に思える。
「みんなで助け合いながら命からがら逃げて来た」という話だが、
それこそが田舎の人々の繋がりの強みなのかとも思う。
まだ強い余震が予測されているが、
日々寒くなる中、避難所の人たちには本当に頑張ってほしい。
2014.11.24 秩父寺社めぐり
昔、仕事で行ったきり。今日、何十年かぶりに秩父まで車をふっ飛ばした。
最初に訪れた寺院が何と秩父三十四霊場の34番札所で、
いきなり「結願」してしまったのは少々バツが悪かったか。
きちんとした巡礼は来年にしようと思い、今日は秩父三社を回ることにした。
寶登山神社、秩父神社、三峯神社の順に秩父だけで100キロは走ったか。
急カープの連続で疲れたが、その間、たっぷりと渓谷と紅葉を満喫した。
車の中で中島みゆきをガンガン鳴らしていたのだが、
紅葉の渓谷と中島さんの歌の相性が思った以上によかったのは、
ここが霊場めぐりのメッカだからか(違)
明日の「夜会」が本当に楽しみ。
2014.11.25 夜会VOL.18「橋の下のアルカディア」
中学生のとき、ブルース・リーがとてつもなく含蓄に富んだ言葉を教えてくれた。
「考えるな、感じろ」。
含蓄もあるが、とても便利な言葉でもある。
しかし少しは考えなければ正しく感じることも覚束ない。
例によって中島さんの『夜会』は、今回も輪廻転生がモチーフで難しかった。
しかも説明的な台詞が一切なく、物語を間断なく歌で綴って40曲を越える。
公演が終わってからスマでネットのレヴューを覗いたものの、
核心を捉えたものが何ひとつ見つからなかった。
「ネタばれになるので・・・」と逃げている。これも便利なネット言葉だ。
理解するため、もう一度劇場に足を運びたいのだが、何せチケが取れない、高い。
共演に中村中を起用。彼女(?)の歌唱はみゆき節のツボを踏まえて気持ちいい。
最新アルバムに収録されている「身体の中を流れる涙」に背筋がゾクっとする。
最後は中島さんが渾身の気合で「India Goose」を熱唱して幕が下りる。
いつも最後の力技にコロっと行かれてしまう。これも『夜会』の特徴か。
中島みゆきという唯一無二の存在に圧倒されれば、もう満足だろう。
2014.11.26 2本立て
仕事帰りに新文芸坐で2本立てを観て、日付境界ギリギリに帰宅。
アパートに帰ると、いきなり玄関を占領している折り畳み傘に進路を塞がれる。
そうだった、朝、出掛けに傘を乾かすため広げていたのだった。
邪魔じゃのぉ~とぶつくさ言いながら、差したばかりの濡れた傘と交換。
折り畳み傘なんて1本だけ持っていればいいのだろうが、何故か2本ある。
折り畳んでカバンにしまっておけば普通の傘ほど無くさなくて済むのだが、
油断して傘の袋をどこかに失くしてしまった。
雨なんか降るな。2本の傘に袋が1つ、めんどくせぇ。
2014.11.27 またスマホ不調
電波不調、消耗過剰、操作凝固、再起動頻発、不明着信音請求、意味不明。
明日また修理に出すしかないのか。とほほほ・・・
2014.11.28 日本の国家元首は
日本はわりと国の根幹の部分を曖昧にしている。
確か日本は「立憲君主制」と習ったが、違うと異論もあるらしい。
そもそも日本の国家元首は誰なのだろう。
象徴天皇なのか、それとも内閣総理大臣なのか。これまた諸説あるようだ。
いや、そんな真面目な話をするつもりではなく・・・
去年、東京駅で皇太子ご夫妻を見かける偶然があり、
先日、職場の前を通過する天皇陛下を拍手で見送った。
そのときの気分の昂揚感は何とも不思議だったのだが、
今日、煙草を吸おうと新宿西口の喫煙コーナーに立ち寄ったところ、
物々しい警備と人だかりの中で安倍晋三が演説していた。
その時、「ちぇ、一服も出来ねぇじゃん」と思った。
いや、それだけの話だが。
2014.11.29 母と新勝寺で護摩修行
以前より母親が行きたがっていた成田山新勝寺まで行く。
親孝行と見せかけて、実は自分が一番行きたかったのではあるが。
新勝寺といえばご本尊は不動明王。
ということでお不動さんの護摩修行を母子で体験した。
不思議と炎は心を落ち着かせ、火柱に霊験の念を抱かせてくれる。
来年あたりは本格的に「関東三十六不動」を回ってみようかとも思う。
帰りは東京湾アクアラインの海ほたるPAに行ってみたいというので、
若干遠回りして館山方面を目指したのだが、車の中で腹が減ったとくずり出す。
トイレ休憩のために寄った市原SAでラーメンを食いはじめ、
さらに土産物を物色し始めるのを首根っこひっ捕まえて無理やり車に押し込める。
すでに日没間近。暗くなったらアクアラインも海ほたるも行く意味ないではないか。
しかし傍からは老女虐待に見えたかもしれない(汗)。
あゝ、お不動様の護摩修行の霊験は何処に・・・
2014.11.30 昼日中から
幻の日本シリーズ観戦のため、延期してもらった飲み会。
気の置けぬ旧友たちとの語らいは毎度楽しいのだが、
午後2時から4時間で生ビール一杯、冷や升二杯で後はウーロン茶。
やはり昼日中からの酒は吸い込みがよろしくない。
事前に昼飯を食っていたのも失敗だったようだ。
鯵の刺身、ピザ、あん肝のポン酢、ナポリタン、焼き鳥、チヂミ、コーンバター・・・
夜の飲み会なら気にならない見事な雑食ぶりも妙に胃にもたれている。
だったら「喰うな」ということなのだろうが。
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