■2020.03
日めくり 2020年03月(令和2年) ◄►
2020.03.01(日) Re・Re・Reスタートという名の試運転
どうしても「日めくり」が続かない。
有り体にいえば書くのが面倒くさい。
もちろん頑張ればなんとかなるのだろうが、そもそも頑張る類のものなのか。
などと以前も書いたような気がする・・・・。
要するにすっかり習慣がなくなったのだろう。
やめたきゃやめればいいのだが、十年続けた重しを振り返ると勿体ないとも思う。
要するに習慣化させなければならない。
それに誰かに読まれているのだと力まないことも大切だろう。
だから適当にやることに決めた。
やめたくなったらいつでもやめる。所詮はてめぇの備忘録でしかないのだから。
では備忘録ということで1月、2月の数少ないイベントを列記してみよう。
1月12日---新文芸坐オールナイト「異才・田中登の世界」
学生時代に夢中になった故・田中登の日活ロマンポルノととうとう邂逅。
やっぱり今観てもいいものはいいし、凄いものは凄い。
中川梨絵、芹明香の問答無用の存在感。そして室田日出男の熱演に思わず落涙。
1月18日---大相撲1月場所(両国国技館)
両横綱欠場で横綱土俵入りが行われない7日目。
注目の貴景勝、朝乃山は揃って白星。
この時点では当然、徳勝龍が優勝し、豪栄道が引退するなどまったく思っていなかった。
2月8日---約1年ぶりの清龍会。
「清龍会」とは昔の同僚と取引先の店長4人と高田馬場の居酒屋「清龍」での飲み会。
プロレスを一緒に行っていた仲間たちでもある。
これは楽しさ保証付きの飲み会であるが、幹事(私)の無精で久々となった。
2月13日---中島みゆきコンサート(NHKホール)
3階席まである大ホールにも関わらず、ほとんどかぶりつきの良席。
中島さんの目線が足元のモニターで歌詞を追っているのまで丸見え(笑)
それと目前のスピーカーからのパーカッションの音量がやたらうるさい。
必ずしも近くで観られればいいってもんでもないのか。
NHKホールのロビーに槇原敬之が贈った生花が飾られていた。
帰りの渋谷スクランブル交差点前の巨大ビジョンに「逮捕」の速報が流れびっくり仰天。
目立ったイベントといえばこの程度で、他は比較的、映画館通いを続けている。
・・・・以上、ふと「日めくり」ではなく「月めくり」に改編してもいいかなと。
いや嘘ですが。
2020.03.02(月) のんべんだらりと昨日の日曜日
その気になれば自宅のパソコンからでも入力出来るとのことだが、
みなとみらいで確定申告の特別会場が設けられて、
そこで毎年、両親の確定申告を行ってきた。
今日が特別会場での最終休日開催日となる。
会場はごった返して長蛇の列となり、人に揉まれながら、
係員の指示に従いパソコンが置かれたテーブルで入力作業をする。
このご時世だ。お年寄りたちの覚束ない入力作業に囲まれて、
新型コロナウィルス感染のリスクに晒されるなど真っ平御免。
申告期間が4月16日まで延期されたのを幸いにさぼることにした。
最近、どうも面倒なことは積極的に避けるようになっている。
実家の庭に生えてきた雑草も出来れば見たくない。
そもそも庭に張りめぐらされた山野草と雑草との区別がつかないのだから、
これもそろそろシルバー人材センターに依頼しなければならない。
こうして日曜日の午後はあっという間に過ぎていった。
2020.03.03(火) トイレットペーパー
職場までの通勤時間は1時間半。
まず最初の重労働だ。
しかしマスクをした人間がこれだけ一堂に会するのもある意味、壮観ではある。
かくいう私もマスク姿だが、気が付けば顎にずらしている。
こんなものをして長時間過ごせる方がどうかしていると思う。
日本はまだ新型コロナウィルスの感染者が1000人に到達していない。
たかが1億分の1000人ではないか。
潜在感染者を10倍に見積もっても1億分のたかが1万人だ。
こんな宝くじなみの感染確率でマスクはもちろん、アルコール消毒液、
あろうことかトイレットペーパーまでごっそりと売り場から消えた。
楽観する気はないが、トイレットペーパーが何故売り切れるのか。
石油ショック以来、どうやらトイレットペーパーは買い占めの象徴らしい。
各所で様々なイベントが中止となり、プロ野球のオープン戦も、大相撲も、
無観客で開催されるとなると、20日からの開幕戦もどうなることやら。
一応、3月22日の神宮と31日の東京ドームのチケットは買っているが、
この分だと延期濃厚の気配ではある。
ちょっと前まで東京五輪が危ぶまれるなんて大袈裟だとと思っていたものも、
なんとなく俄かに現実味を増しているではないか。
そう、色々なことががなんとなく俄かに進行している。この気持ち悪さ。
その気持ち悪さまで売り場から消えたトイレットペーパーが象徴しているではないか。
2020.03.04(水) 夜歩く
こんなタイトルの横溝正史の小説があったっけ。
そう、はからずも終電となり、ふた駅分の距離を歩く羽目となった。
何故、歩く羽目となったのかは情ないので書かないが、
真夜中の道を白い息を吐きながらてくてくと一時間。
東海大相模高校の門に立っている「センバツ出場」の幟を横目に、
今週末にオープンするイオンシネマ座間の前を通り過ぎる。
ここからからアパートまでどれくらいあるのか試してみたら、丁度30分。
自転車なら15分、車なら7、8分で行けるなと映画観賞ライフを想像しつつ、
帰宅したら時計の針は2時。おいおい平日だぜと溜息が出る。
その溜息も白い。春は名ばかりか。
2020.03.05(木) 会議
昔は好き勝手に異論空論口論が飛び交う会議は決して嫌いではなかったのだが、
今は仕事業務の中で会議が一番憂鬱になってしまった。
会議をやる以上、何か目に見える決定がなされなければならず、決まり事が増えていく。
そうして出来上がった決まり事などもともと実がないので、やがて胡散霧消となる。
なんだかそういうことが続いた年があって、それで会議が大嫌いになった。
そもそも動脈硬化と脳血管動脈瘤という矛盾する疾患を頭に抱えているので、
いつ詰まるか、キレるかしそうで怖いのだ。
誰か会議の進行を引き受けてくれる奴はいないのか。
2020.03.06(金) う~ん残念
楽しみにしていたイオンシネマ座間のオープン延期が決定された。
イオンモールのフロアではなく、独立した別棟で建てられた気合十分の施設だけに、
関係者としてもオープン2日前の延期はさぞ苦渋の決断だったろうが、私も残念だった。
それにしてもオープン予定の劇場が延期するなど前代未聞ではないのか。
ロードショーの公開が次々と延期され、演劇、ライブ、コンサートも中止に追い込まれ、
もはや日本のエンターティメント産業は壊滅状態になりつつある。
そんな中でツアー中の中島みゆきさんのコンサートも後半延期となるそうだ。
幸い私は先月、NHKホールでほぼかぶりつきの席で楽しんできたのだが、
名古屋や大阪のファンは本当に気の毒だ。
大規模な自然災害なら仕方ないが、新型コロナウィルスってそれほどのものなのか。
政府はこの一週間がヤマだといっているが、なんの根拠があるのだろう。
2020.03.07(土) MRI
MRI(magnetic resonance imaging)とは「核磁気共鳴画像法」のこと。
たった今調べた(笑)。
そうか方法であって撮影機械の名称ではなかったか。
そのMRIを体験した同世代はどれくらいいるのだろう。聞いても経験者は少ないようだ。
MRIを自分は少なくとも年に二回は受けている。
そもそも脳梗塞を発症した母の事後検診の付き添いながら、
自分もついでに受けたのが最初だった。
その結果、二度の小さな脳梗塞を起こした痕跡と、未破裂の脳動脈瘤が見つかった。
それで一昨年の暮れにカテーテルを入れて造影検査を行ったわけだが、
画像は笑ってしまうほど母のものと瓜二つだった。
去年の今頃、母子一緒にMRIを受けたのではなかったか。
造影検査の結果は経過観察で逃げているが、母は先に脳出血で逝ってしまった。
脳梗塞で処方されるバイアスピリンは脳出血のリスクをあげている。
おかげで自分が死ぬときはこれだなというイメージは出来上がってしまった。
しかし「経過観察」といってもとくに努力らしい努力はやっておらず、
酒こそ飲まなくなったが、相変わらずの大食いと喫煙。
先日もたばこはにIQOS変えたことを内科医に告げたが、一笑されたばかりだ。
検査結果は後日ということだが、動脈瘤が膨らんでいないことを祈るばかりだ。
2020.03.08(日) 無観客大相撲
大相撲の興行は朝の8時半から始まっている。
私も国技館に到着したとき、観客まばらな幕下以下の取り組に出くわすことがある。
土俵で向き合う髷を結わない若い力士を素足の駆け出しの行司が捌く、
この光景は何とも殺風景で牧歌的であり、弛緩したような空気に包まれている。
相撲協会が今回の大阪場所を無観客で行うと発表したとき、
まず頭に浮かんだイメージがその弛緩した空気だった。
テレビ中継が始まって、まず目についたのが無人の桝席の赤色。
しかし空気は弛緩していたどころか、張り詰めた緊迫感が漂っていた。
観客からの掛け声が一切ない中で行われる横綱土俵入り。
シーンとした中、四股を踏む音、パンパンと柏手を打つ音。
なにより白鵬や鶴竜の息遣いと気合が伝わってくる。
土俵入りが厳粛な儀式に思えてくるのは当たり前、これは神事なのだ。
この静けさは相撲の根源的な魅力を引き立ててくれている。
無観客は残念だが、テレビを通して特別なものを見せてもらっているのではないか。
呼び出しの鳴らす拍子木のキーンキーンと響く心地良さよ。
センバツの中継では打球音、ミットにボールが収まる音の臨場感が楽しめそうだ。
2020.03.09(月) 噂の「マイカリー食堂」へ
B級グルメなのだろうが、評判の「マイカリー食堂」に行って来た。
何故B級グルメかといえば、系列が松屋フーズでお値段もお手頃。
最近流行りのバターチキンカレーが680円。
ちょっとした専門店の半値でしかも味は超本格的。
私は辛いカレーが好きなので、「季節の野菜カレー」を注文。もちろん大盛り。
これホントに牛丼ファーストフードチェーンのグループ店舗なのかと思うほどのコクで、
はっきりCoCo壱、C&C、王様カレー、ゴーゴーカレーなど足元にも及ばない。
先日行った名店、新宿中村屋のインドカリーよりも旨かったくらい。
もっといってしまえば他のチェーン店ではもう食べる気がしないし、
それならば「マイカリー食堂」の全メニューを順番に食べた方がいい。
ただ残念なことにまだ都内限定で6店しかない。
週末は東京に出ない限りこのカレーを味わうことが出来ない。
聞けばこの価格は採算的にはいっぱいいっぱいなのだそうだ。
なんでも創業以来、松屋フーズの会長自ら商品開発の陣頭指揮をとっているらしい。
当たり前の商品開発部が手掛けていたら、もっと万人受けするカレーになっていた筈。
そもそも牛丼チェーンで出すカレーなんてそういうものやから(ミルクボーイ風)
要するにチェーンでありながら松屋のカレーはトップダウンで作られている。
だから松屋のカレーは特異な存在感として、早くからカレー通の注目を浴びていた。
その松屋のカレーをさらに洗練化、いや先鋭化したのが「マイカリー食堂」。
これから週に一度は西早稲田駅に途中下車することになるだろう。
2020.03.10(火) ペナントレース延期に施設立ち入り禁止
とうとうというか、案の定というか、プロ野球の開幕が延期された。
何十万枚ものチケット払い戻し作業にどれくらいの費用がかかることか。
そして親父が入居している施設も県からのお達しがあり外部の立ち入りが禁止。
これで春分の日からの3連休の予定がまるまる空いてしまった。
これはもう旅に出るしかない。
母の葬儀でうちの宗派が曹洞宗だと初めて知ったのだが、
これはもう曹洞宗の大本山永平寺に行くしかないではないか。
ぜひ道元禅師にご挨拶しておかなければ。
折しもお彼岸。まさか永平寺までコロナウィルス禍で閉門することはあるまい。
さて西から行くか東から行くか。
2020.03.11(水) 9年目の3.11
一生忘れられないだろう三月を思う-------。
9年前の「日めくり」で月の終わりにそう結んだ。
異常さにおいて比べられるものではないが、2020年3月も大概なことではある。
震災当日のことは今もよく思い出す。
池袋先の職場から自宅方面へ、川崎溝の口まで亡者の行列のごとき中を延々と歩いた。
あの日は今日のように温かくはなく、本当に寒かった。
でもその行列にマスク姿の人がいたものかどうかまったく憶えていない。
昨日あたりから電車の中や駅のコンコースをマスクなしの人を見かけるようになった。
きっと手持ちのマスクが無くなってしまった人たちなのだろう。
これが9年経った3.11のリアルなのかもしれない。
9年前、震災で茫然喪失とした日本人を感動させたセンバツ高校野球の選手宣誓。
当初、無観客開催が発表されたが、今日の会見で改めて中止が発表された。
2020.03.12(木) パンデミック
WHOの事務局長は、新型コロナウイルスは「パンデミックと見なせる」と表明。
実はこの“パンデミック” というタイトルの「日めくり」が過去にあった。
2009年5月----------。その時の文を引用してみよう。
“「認識が甘い」と「過熱しすぎ」という二つの世論があって、
私などはその真ん中をウロウロするのみで、当事者意識は恐ろしく希薄なのだが、
もし自分が新型インフルの保菌者で、一週間の行動範囲を問われたとすると、
先週末は神宮球場で二日続けて野球を観た。
青山通りを歩き、表参道で地下鉄に乗った。
平日は毎朝、満員電車に揺られ、夜は気まぐれにふたつの路線から帰宅、
渋谷、新宿などの繁華街をうろつき、池袋でしこたま焼酎のホッピー割を飲んだ。
半径3メートル以内で接触した人数はまさに膨大。
まるでパンデミックの権化ではないか。”
この時は新型の鳥インフルエンザが猛威をふるった。
この年だけで国内累計感染者数902万人(!)死亡者は200人を超えている。
にも拘らず私の文章はどこか牧歌的で深刻さのかけらもない。
普通にプロ野球も開催されているし、日常生活が不自由だった記憶もない。
何よりも自分がずっと元気であることが窺えて、そっちの方が気になってしまう。
東日本大震災前と後で、それから何度かの自然災害に見舞われ、
日本人もどこか切迫して大らかさを見失ってしまったのかもしれない。
今日、国会で新型コロナウィルスに関する特措法が賛成多数で可決された。
そんな法案が審議されている中、議員さんたちはみんなマスクをしていない。
マスク姿がテレビに映ると、議員ばかり得をしていると揶揄されるからだという。
何ともくだらない国に成り下がったものだと思う。
センバツ中止も屋外の甲子園で無観客なのだからいいじゃねぇかとも思うのだが、
「他の競技の生徒たちが中止に泣いているのに、なんで野球だけ」
との意見もあったという。
はぁ・・・不幸は皆、横並びで分かち合えってか。
2020.03.13(金) 『パラサイト』の臭味
劇場前で、今までさらっとしか見ていなかった『パラサイト』のポスターを眺めてみる。
貧しいキム家と裕福なパク家の集合写真。8人の人物の目線が消されている。
目線を消す線はキム家は黒、パク家は白。裸足と靴を履いている違いもある。
左隅には投げ出された足。チュンスク母さんの脛には便所コオロギが。
2ヶ月のスパンを開けてポン・ジュノ監督作品『パラサイト』を再見。
この2ヶ月でこの映画を取り巻く環境が大きく変わったのは周知の通りだが、
私もこの間、新宿シネマートのポン・ジュノ特集で『追憶の殺人』『母なる証明』を観る。
この旧作2本はある意味『パラサイト』初見の印象を超える衝撃だった。
なんでこれらの映画が正しく成立してしまうのかと、
隣国に現れた才能に畏怖し嫉妬した。
日本でこれを撮れる監督がいるのかと考えみたとき、3人の監督が浮かぶ。
今村昌平、大島渚、あと一人は『自殺サークル』から『ヒミズ』までの園子温か。
しかし『パラサイト』に至ると、多分、世界でこれが創造出来るのは彼しかいない。
とにかく私の2020年の映画シーンは、ポン・ジュノを初体験した年として纏められる。
半地下に棲む一家。
息子と娘がスマホを天井にかざしてWi-Fiの電波を探すところから始まる。
そこで目の高さより少し上に便器が設えているのにギョッとさせられるのだが、
家の一番高い場所に便器があるというシチュエーションの “臭味” が凄い。
この作品を語るとき、誰しもが急展開するストーリーを挙げるのだろうと思うが、
この急展開をすでに知っている状態で『パラサイト』を観たらどうなるのか。
強烈な後味として残ったのはこの “臭味” だった。
最初に匂いを指摘するのはパク社長だが、実はすでに息子のダソンは気づいていた。
そうこの映画最大のサスペンスはキム一家から漂う匂いの行方だ。
終盤、ほぼ笑顔が消えたソン・ガンホが凶行に及ぶきっかけも匂い。
人を差別するとき、差別されるとき、匂いというのは非常に分かりやすく残酷なことだ。
正直、この臭味をこれ以上味わうのはつらいと思った。
優れた映画であることは十二分に認めたうえで、二度と『パラサイト』は観ないだろう。
この映画の最大の凄みは匂いを可視化したことに尽きるのではないか。
2020.03.14(土) おや雪ですか
寒暖の差が激しいと身体にこたえる――――。
たびたび聞く言葉である。そうなのか?と思う。
我々は朝、駅の改札白い息を吐きながら歩き、電車に乗ったら背中に汗をかく。
エアコンの温風に晒されながら、タバコ休憩のベランダで室外機の冷気に震えている。
もう夏も冬も日常的にそこそこの凄まじさで寒暖差を味わっているではないか。
しかし間違いなく、今年は1月の真冬より、日照が延びた3月が寒いと感じる。
やはり一度、気温20℃を体験してしまい、身体の修復が効かなくなっているのだろう。
まともな雪はこの冬で初めてあるにもかかわらず、気象庁は桜の開花を宣言。
観測以来、もっとも早い開花だろうだが、なにもこんな雪の日に宣言しなくてもと思う。
2020.03.15(日) 庭の除草に5万円超え
母が逝って半年が過ぎる。
それこそ心血を注いでいたであろう庭もいい加減荒れてきた。
べつに花壇を設えて、色とりどりの花が咲いているような庭ではなく、
山野草や多肉植物の植木鉢と地下植えの草で覆われているだけの庭ではある。
しかし雑草が延びはじめ、鬱蒼としてきたのをまるで見えないふりをしてきたのも、
さすがに地下植えの山野草より雑草の嵩が増すのは忍びないと思いはじめていた。
かといってこちらは屈むだけで息があがり、頭に血がのぼる体たらくの人間だ。
草刈りなどやろうものなら脳血管が詰まるか破裂するに決まっている。
いやそうだと決めている(笑)。そもそも山野草と雑草の区別もつかない始末だ。
そこで市役所を通して、シルバー人材センターに依頼することにした。
私より十歳くらい上だろうか、気のよさそうなおじさん二人と打ち合わせをする。
この二人がどの程度、庭仕事を熟知しているのかわからないが、
こういう仕事が好きそうだとの実感はあった。もうそれだけで十分ではないか。
庭を見て「ああお母さん、本当にお庭がお好きだったのですねぇ」と感嘆されると、
ここまで荒れさせた罪悪感が突然芽生えてくる。
その罪悪感の見積もりが53,930円ときた。
これで今週末の福井・永平寺の旅は消えたか。
2020.03.16(月) 体感温度?
北風がきつかった。
「気温は12、3℃ですが、風が冷たく体感温度はマイナス5℃くらいでしょう」
天気予報ではこんなことをいっている。
実は以前からこの「体感温度マイナス」という表現が理解できないでいた。
気温が10℃なら10℃だろうし、体感がマイナス5℃なら気温5℃ではダメなのか。
そもそも気温から北風のマイナスを引く意味が理解できないでいた。
職場のベランダでガクガク震えて一服つけながら、職場のN君に疑問を聞いてみた。
N君の答えは明確で、気温と体感温度はまったく別モノなのだと。
例えば浴室の温度が15℃で、湯舟に40℃のお湯があっても浴室は15℃のまま。
お湯に浸かれば40℃の温みは享受できるが、浴室は40℃にはならない。
ああなるほど。スッキリ。
2020.03.17(火) 職場のコロナウィルス対策
もし職員のひとりでもコロナウィルスにかかったら事務所を封鎖する。
職員各々の地元の管轄保健所の電話番号を調べて、提出せよと。
今日、職場の局長から指示が出た。
あくまでも我々は政府の指導に従うということだ。
・・・しかしあくまでも表向きの話で、元気な者は出社して欠席者の穴埋めをすべし!と。
全然、政府の意向に沿ってないじゃん。
2020.03.18(水) 「焼肉ライク」に行って来た
前々から気になっていた「焼肉ライク」に行って来た。
おひとり様焼肉という奴で、一人掛けのカウンターに一人づつ無煙ロースターがある。
今まで一人用の七輪を置いたカウンターで焼肉を食べたことはあるが、
そこはあくまで “ひとり飲み” の客が焼肉も楽しめるという焼肉居酒屋ではあった。
基本、繁華街やロードサイドのファミリー向けの焼肉屋に一人で入る気は起らないもの。
その点、「焼肉ライク」は “ひとり食い” に特化し、一人用の冷水器もあり、
今どきの回転寿司のように、カウンターに設えた端末から自由に注文ができる。
私は「いきなりステーキ」のゴールドカードを持っているが、
ステーキより焼肉の方が高揚感があり、終始、楽しかった。
有難いのはカルビ、豚バラ、ホルモンのすべて美味しかったこと。
値段もリーズナブルで1500円も出せば腹いっぱいに焼肉が楽しめる。
私も今や外食オンリーになってしまったが、
その外食ライフに焼肉ライクがうまくシンクロするのを確認した夜だった。
2020.03.19(木) 花束でお別れ
齢は私より十も上の、職場の仕事仲間が満期で退職された。
65歳を過ぎて入ってきて、70になって連休明けから新たな職場で働くのだという。
休み時間には階段を上り下りするような人で、その元気には毎度あてられていた。
まったく来年には仕事辞めようかと密かに思っている自分が恥ずかしい。
うちの職場で高齢で入ってきて満期で辞められるのは皆、警察OBだが、
長年、茨城の自宅から淡々と通勤を継続しているのには本当に頭が下がる。
正直、仕事覚えが悪く、ミスも多い人ではあったが、
休み明けにはお菓子を全員に配るなど心遣いの人でもあった。
こんなご時世なので送別会をやってあげられなく申し訳なかったが、
ありがとうございます。いろいろとお世話しましたが、お世話になりました。
2020.03.20(金) 中途半端、上等じゃないか
この頃思うこと。
私は元来、保守寄りな人間だ。
ここでいう保守とは政治的な志向において保守寄りだという意味で、
もちろん日本が立憲民主国家であり、自由主義国家という前提での保守。
その前提のうえで憲法改正の必要性を思い、ときに集団的自衛権やむなしと考えている。
だから共産主義を嫌悪し、左派議員の発言や朝日新聞の論調を嫌悪してきた。
ところが東日本大震災で原発問題が沸き上がった頃から、私の心に揺らぎが出てきた。
原発建屋が水素爆発で吹っ飛んだとき、誰もが災害国家に原発は無理だと思ったはずだ。
ところが今まさにそこにある危機の最中に、
原発反対派は「それ見たことか」と元々の持論を展開し、
反対派を左側の人間と見做した右側の人間は、一気に推進派へと雪崩れ込む。
私は事故直後から原発をイデオロギーの具にするなと思っていたので、
この機に乗じて従来の持論を雄弁にコメントする反原発の学者に呆れ果てたのだが、
保守なら原発を推進すべしといわんばかりの論調にも大いに辟易させられた。
そもそも国防を考えるなら北朝鮮に鼻先並べる福井の原発群はおかしいだろう。
別に原発なんか要らないと考える保守が居たっていいではないか。
女系天皇、女性天皇にこだわらない保守が居たっていいし、
中国、韓国のカルチャーに一目置く保守が居たっていい。
外国人が電車の中で大声を出していることに眉をひそめつつ、
ヘイトスピーチの行進に顔をしかめるのも構わないし、
韓国の政治家やマスコミが流す反日記事に、頭に血が上るくらい怒りながら、
その記事に差別的なコメントをせっせせと寄せる匿名投稿を気持ち悪がってもいい。
今、同調圧力が日増しに強くなり、とてつもない閉塞感を生んでいるのが実際だ。
朝日新聞が存在しても別に問題はない。日本は自由主義国家だからだ。
むしろ大統領が名指しでマスコミを締め出すアメリカと比べて誇りに思えばいい。
(その点、沖縄タイムスと沖縄新報に二分される沖縄を気の毒に思う)
問題は朝日しか読まない、産経しか読まない連中が殆どだということか。
定期購読しなくてもインターネットの時代、両紙の社説くらいは読めるだろう。
さすがに一部の市民団体、一部の労働組合の機関誌は読むに堪えないが、
日本会議や神社庁の存在だって気持ちよいものではない。
とにかく私はさしずめ中途半端な保守寄りの人間ということか。
中途半端で悪かったな、文句あるか。中途半端上等じゃねぇか。
そもそも右も左も行き着く先は忌まわしい全体主義だ。
同調圧力の果てが全体主義なら、中途半端でいる方がなんぼかマシ。
そういえば最近、中道という言葉を聞かなくなった。
自民党の連中は自分たちの対抗勢力をリベラルなどという。
おいおい自民党の英語名は “Liberal Democratic Party” だろうが。
これもまた中途半端な話であるが。
2020.03.21(土) 検査結果
病院に着いて待つこと2時間。
二週間前のMRI検査の結果を聞く。
前回、秋の検査からとくに進展はなしとの初見。
未破裂動脈瘤はとくに膨張はなく、脳梗塞が新たに見つかったわけでもない。
しかし医師曰く、この脳梗塞は一歩間違えればマヒが起こっていたレベルで、
発症がたまたまなかったので「隔れ」脳梗塞と呼んでいるだけだと脅される。
未破裂動脳脈瘤と脳梗塞は治療が相反する爆弾みたいなもので、
これまでのように血液サラサラの薬を飲んでいていいものかどうかも聞く。
母は動脈瘤が破裂し、血液サラサラの薬が仇となった。
ただ、治療こそ相反するが、原因は普段からの生活習慣と食生活にあり、
そこに改めることになんの矛盾もないのだという。
さらに脳動脈瘤の手術についてのおさらい。
ひとつは頭蓋骨を開けて、動脈瘤をクリップで挟み付けるクリッピング術という方法と、
もうひとつはコイル塞栓術といって、カテーテルからコイルやステントを送り込む方向。
どちらも一長一短ありで、年間の手術例としては半々くらいなのだそうだ。
ただ全身麻酔を使うので動脈硬化や糖尿病を事前に治しておかなければならない。
結局、手術を前提に考えてもそこに落ち着いてしまうのか。
結果的には経過観察となったが、なにせ2時間も待たされたものだから、
腹は減るし、タバコも吸いたい。早速コンビニで大福を買い、駐車場で一服する。
だめだよね。
2020.03.22(日) 覚悟と確信のマッチョイムズ
小学生のとき自決のニュースで初めて三島由紀夫を知った。
多分、我々世代の殆どがそうなのだと思う。
ニュースはあの頃、機動隊の放水と学生の火炎瓶の応酬をテレビは映していた。
そうか、我々はよど号事件やあさま山荘をリアルタイムで見ていた世代だったか。
他に思い出すニュースはアポロの月面着陸と、
日活ロマンポルノ裁判で「ワイセツ」の言葉を知ったことか。
しかし三島の自決事件と全共闘運動とは全然別の出来事のように思っていた。
その三島が東大全共闘に討論を挑まれたドキュメンタリー映画を観た。
『三島由紀夫VS東大全共闘―50年目の真実』
今、映画館はコロナウィルスの影響で座席指定をひとつ飛ばして観させているが、
港北ニュータウンのシネコンがそこそこ埋まっていたのは意外だった。
私はもともとゲバ棒振り回しながらセクトに迷走していた学生たちに偏見を持っている。
大半は親の金で大学まで行かせてもらっている20歳そこそこのガキが、
大学立法粉砕だの、大学自治権の奪回だのと、なにいってやがるってなものだ。
そもそも彼らが火炎瓶を投げつけていた機動隊員の大半も似たような齢の若者たち。
田舎の高校から上京した者同士が路上でやり合っていたわけで、
乱暴にいえば、親の庇護で大学に行く側と、親に仕送りする側の小競り合い。
ただ勝手に権力者のレッテルを張られた機動隊員にとってこんな理不尽な話はなく、
革命やら反体制やらの美名に酔いしれた学生に、「ぶざけんな」という思いは強い。
結局、運動が消滅して、彼らは社会に出たのちバブルの恩恵をたらふく受けたわけだ。
映画は『50年目の真実』と銘打たれているが、とくに新事実が出たわけではなく、
“三島対全共闘1000人の対決”というほど、怒号と罵声が乱れ飛んだわけでもない。
一触即発の白熱の討論という緊迫感より、むしろ一定の秩序が保たれながら、
盾の会のメンバーが会場に紛れ込んで密かに三島をカードし、
東大全共闘の側は民青の襲撃に恐々としていた駒場教養学部900番教室だった。
熱気はあるが、時々笑いが出るような和やかな雰囲気すら漂う場内。
その和やかさを演出したのはひとえに三島の大人の佇まいではなかったか。
学生の演説中に三島が笑うと、反感を買うどころか場の空気が不思議と和んでしまう。
日焼けした精悍な顔に半そで黒シャツから伸びたムキムキの二の腕。
屁理屈だけは一人前の華奢な東大生とは、まず肉体の質量からして違う。
肉体の質量が、かくも人間力に直結するものなのかと思うほど三島は場を圧倒してゆく。
唯一、東大全共闘一の論客といわれた芥正彦だけが、三島の作家的な言論と思想に対し、
真っ向から空間と前衛で論戦に持ち込む場が最大の見どころだったか。
しかし、総じてこのドキュメンタリーは三島のプロモーションビデオになっていた。
この討論から一年半後、45歳で割腹自決。
ある意味、覚悟と確信のマッチョイムズの人だったか。
・・・・恥ずかしながら三島の小説はまともに読んだことはない。
2020.03.23(月) 払い戻し
プロ野球開幕シリーズの神宮球場、今月末の東京ドームのチケットを買っていた。
もちろん開幕延期を受けてチケットは払い戻されるわけだが、
もともと雨天順延がつきものの野球観戦に払い戻しは珍しいことではない。
雨チュー以外でも過去、選手会のスト、東日本大震災があったし、
クライマックス、日本シリーズの試合結果で後半カードが消滅したこともあった。
具体的な払い戻し手続きは、神宮は郵便振替払出証が自宅に届き、
それを郵便局の窓口に持って行けば払い戻される。
東京ドームは、コンビニで一旦チケットを発券しレジで払い戻された。
どちらもクレジットカードで払ったのだから、自動で返金されればいいと思うのだが。
2020.03.24(火) 東京五輪、延期へ
♪オリンピックの顔と顔~ソレトトトントトトン顔と顔~
三波春夫が唄った「東京五輪音頭」。
今夜のオリンピックの顔と顔は安倍首相、小池、森、橋本にバッハIOC会長か。
日本政府は正式に東京五輪の延期を要請し、IOCの賛同を得た。
それにしても、こんな時世になると、状況が刻一刻と変化するのは当たり前なのか。
同じ3月の話で、相撲協会が無観客を発表したのが3月1日のこと。
「センバツは無観客開催の可能性、開会式は取りやめか」は3月3日の新聞記事。
その頃まで、オリンピックが出来なくなる事態など半分冗談話だったように思う。
今やオリンピック決行の政府見解に冗談だろ?と思うまでに世界が様変わりした。
世界中の大都市がロックダウンし、イタリアでは7千人もの死者が出た。
もう日本がどうこういう段階を遥かに超えたのだから、五輪延期は当然だろう。
2020.03.25(水) 大関、朝乃山誕生
「大関の名に恥じぬよう相撲を愛し、力士として正義を全うし、一生懸命努力します」
愛と正義と一生懸命。わかりやすく大関昇進の口上を述べた朝乃山。
あの無観客の異様な雰囲気の中でよくぞ大関獲りの場所をものにしたものだ。
しかし今回の大阪場所で一番印象的だったのは、実は黒星を喫した豊山戦だった。
豊山の四股名の力士は私が生まれて3人目だと思う。
新潟出身ということで歴代の豊山は続けて応援している。
その豊山と朝乃山は初土俵から一緒に出世街道を走ってきたライバル。
ライバルの大関獲りの場所で真っ向から朝乃山を破った豊山は会心の一番だった。
朝乃山にはこうしたライバルたちと凌ぎを削ってぜひ綱取りに驀進してもらいたい。
もちろん当面、朝乃山の好敵手となるのは大関・貴景勝だ。
右四つに磨きをかける朝乃山と対照的に突き押し一筋の貴景勝。
四つに組むか、突き放すか。相撲観の違いもあってお互い意識していると公言する。
しかしその貴景勝が大阪場所は苦しみ、来場所はカド番だ。
そもそもしばらく大関陣の受難が続いている。。
栃ノ心、高安、琴奨菊に加えて、照ノ富士が幕内に上がると平幕に元大関が4人。
だからこそ朝乃山には「盤石の大関」を目指してもらいたい。
もちろん盤石の大関とは優勝に絡み、綱取りの声がかかる大関のことだ。
2020.03.26(木) 首都圏、外出自粛要請へ
今風にいえば「フェーズが変わった」ということか。
昨日の小池東京都知事の外出自粛要請を受けて、
神奈川でも同様の要請を黒岩知事が出し、埼玉、千葉が並んだ。
先日の三連休は折しも桜も満開となり、大勢の人出があった。
明らかに気が緩んだのだろう。今週に入って感染者が一気に拡大している。
“日本は何故、感染に強いのか” という記事を読んだのはつい先日のこと。
刻一刻と変化する状況にそんな記事はあっという間に胡散霧消していくのか。
オリンピックはロンドンが代替すると公言していたイギリスの政治家がいたが、
あっという間にロンドンはロックダウンし、出歩くと罰金に処される事態となる。
この週末、首都圏はゴーストタウンのようになってしまうのか。
映画館くらいは開けてほしいのだが、どうなのだろう。
2020.03.27(金) ジュディ・ガーランド
ジュディ・ガーランドの晩年を描く 『ジュディ 虹の彼方へ』を観る。
正直、多分こんな映画に違いないという予定調和へのかったるさが頭にあって、
観ようと思いながらも、なかなか足が映画館に向かないでいた。
またガーランドを演じたレネー・ゼルウィガーのオスカー受賞がすでに発表されており、
それも私に二の足を踏ませた大きな要因となった。
過去オスカー受賞演技を確認する作業で、映画に集中出来ないことが何度もあった。
ましてや『ジュディ』は伝記映画だ。
レネー・ゼルウィガーよりジュディ・ガーランドだろう、と。
まあ冷静に考えればひどく幼稚な発想を抱きながら映画と対峙したわけだが、
いや、レネー・ゼルウィガー、素晴らしかった。
当然ながら映画を成立させた最高のピースだ。
予告編ではエディット・ピアフが憑依した大竹しのぶのようだったが、
予定調和な内容も、レニーの熱演でエンターティメントになった。
私が映画館に通い始めた頃はライザ・ミネリの全盛期。
そのライザの母親としてジュディを知り、スーパースターの悲惨な人生を知る。
天才子役が成熟したのち過去の栄光にしがみつき薬に溺れて転落するという、
『サンセット大通り』でグロリア・スワンソンが演じたノーマのイメージだったか。
ところがガーランドは天才子役の愉楽に浸っていた少女ではなかった。
とくにMGMの名物プロデューサー、ルイス・B・メイヤーの描かれ方には戦慄する。
なんというハラスメント、なんというマインドコントロール。
強権による支配と実に巧妙な責任逃れ。
母親も鬱になった彼女に覚醒剤アンフェタミンと睡眠薬を大量に飲ませる人格否定ぶり。
しかもメイヤーがガーランドを言いくるめる場所はなんとイエローブリックロード。
もう二度と『オズの魔法使』を楽しめなくなったと思った瞬間だった。
映画は虐待にも似た少女時代と、晩年のロンドン公演が交互に進行していくのだが、
そうはいっても天下のジュディ・ガーランド。
ステージのスポットライトを浴びれば、無敵のエンターティナーとなる。
それがまた晴れやかな舞台と悲惨な実生活と対比させてつらい。
ガーランドがゲイの同棲カップルのアパートに乗り込んで歌を披露するシーンがいい。
クライマックスの泣かせどころであろう “Over The Rainbow” よりもずっと気に入った。
しかし観る前の「こんな感じだろう」との予想を覆してくれることはなかったのは、
やはりオスカーの主演賞受賞映画は発表前に観るに限るということか。
2020.03.28(土) 3つの“密” 絶対に避けて
私を含め職員の大半は都外からの通勤者だ。
不要不急の外出自粛はともかく、時差出勤、在宅勤務など可能だろうか。
社団法人なのでそこまで自社の売上に固執する必要はないが、
著作権絡みで社外に持ち出し不可の商材を扱っているので、
時差通勤も現実的とは思えないものの、在宅勤務は絶対に無理。
朝は指定切符を買って特急通勤だからまだいいとして、
帰りは小田急の新宿駅から中央林間駅までおよそ50分、そこそこの満員電車で帰宅。
濃厚接触するには十分すぎる時間だろう。
週明けから、毎朝、体温を測って報告するように上司から下命が出たものの、
今回、小池都知事が注意喚起した3つの「密」について、
1.換気の悪い「密閉空間」
2.多くが集まる「密集場所」
3.間近で会話などをする「密接場面」
職場で可能なことは1の換気くらいがせいぜい。
そんなこんなで週末はシネコンチェーンが一斉臨時休館。
それで何とか昨日の最終回の海老名のイオンシネマに駆けつけたわけだが、
観客は自分と離れた席のおばさんが二人だけ。
ガランとした客席でただでさえ寒々しかったが、送風を派手にきかせていたし、
入り口には巷のストアから消えたアルコールの消毒液も完備されていた。
こんな感じなら土日も開館出来るのではないかとも思ったが、
二人しかいない館内を思えば、これでは興行にならんと諦めるしかないか。
観たい映画はいくつかあるのだけど。
2020.03.29(日) ケツが痛た
おりからの雪。
外出自粛なんてクソ食らえの気概が挫かれる。
気概、なんだそれ?
昨日買っておいたサバ缶をこじ開けて食らう。
こう並べるとサバがクソみたいで、いくらなんでサバに失礼だ。
部屋に引きこもる日曜日なんていくらでもあるのに、
出るなといわれて出ないのは癪に障る。
ずっと椅子に腰かけてたらケツが痛くなった。
おかしいな。座っても玉子が割れないはずのクッションなのに。
それにしても三月が終わる。
雪降るか、普通。
2020.03.30(月) 志村けん、亡くなったか・・・
自分はそれほど志村けんを見ていない。
「8時だョ!全員集合」は荒井注がドリフを離脱したあたりから、
「全日本プロレス中継」や「刑事コロンボ」に趣向が移り、
志村けんが加入した頃はすっかりドリフを卒業していたように思う。
どうだろう、我々世代だとドリフといえばカトちゃんになるのではないか。
さすがに「東村山音頭」は見ていたが、「アイーン」もバカ殿も随分後から知った。
ただ、YouTubeで志村のギャグを振り返ってみるとこれが滅法面白く、
この人が代わりのきかないコメディアンであることに異論はない。
70歳まで冠番組を持ち、第一線で活躍したのだから大したものだろう。
新型コロナ肺炎で亡くなるとは、後々この世相の象徴になるのではないか。
テレビ視聴者側を「お茶の間と」表現していた時代の最後のスターなのかもしれない。
2020.03.31(火) 遅かれ早かれ
遠くないうちに緊急事態宣言は発令される気配だ。
昨日も小池都知事が改めて会見を開き、若者たちのカラオケやライブハウス通い、
中高年の夜間の飲食、深夜のバーやナイトクラブへの出入りの自粛を求めた。
ちょっと待て。何故パチンコに言及しないのか。
映画館や劇場などが休館している最中でもパチンコ屋はけたたましく営業していた。
失礼を承知でいえばマスクや手洗いに頓着しないおっさんたちが一定割合でいる。
狭いホールに長時間肩を並べて、不特定多数が同じ台のハンドルを共有する。
どう考えてもおかしくないか。
これが日頃から警察の天下りを受け入れ、政治献金を積んでいる業界の強みなのか。
明日からタバコ規制が強化され、クソ狭い喫煙室が濃厚接触の温床になるに違いない。
まぁいいや。こちらも昔はパチンコ台が夢に出るほどやりこんだ経験がある。
・・・・そんなこんなで久々に一か月「日めくり」を完走させた。
そして9年前の3月と同じ言葉で締めたいと思う。
「一生忘れられないだろう三月を思う-------。」
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