■2010.10

日めくり 2010年10月(平成22年)         


2010.10.01 新潟ステーションホテルにて

仕事が引けて、その足で新潟まで来ている。
新幹線の格安チケットに、一泊朝食付で3600円の安宿。
同じ新幹線でも東海道新幹線と上越新幹線とでは車内の雰囲気がまるで違う。
乗客の顔つきには不思議な懐かしさがある。
遠い昔に母親の帰郷で一日中、ディーゼル車に揺られていたのを思い出す。
今や上野から新潟駅まで2時間の旅だが、
「郷愁」は時間ではなく人間が作るのだろう。


2010.10.02 何をやってんだか

7回終了まで4-0の楽勝ペース。なんと完全試合かという勢いだった。
終わってみれば5-6で負け。一軍同様、虎の二軍も負けられない試合を落とした。
まあそれはそれで仕方がない、自滅の怖さとはそういうものだ。
鶏めしも食った、コシヒカリの新米も食った、へぎそばも食った。
越後路で旨いもんと悔しさ、情けなさをたらふく腹におめてきた。


2010.10.03 馬鹿馬鹿しい

修理に出していた液晶モニターの見積もりが来た。
「延長保証の分を割り引いてお客様のご負担額は4万5千円となります」だと。
なんで買った値段より修理の方が高いんだろ。
液晶パネルを交換するとそうなるらしい。…そうだとしても馬鹿馬鹿しい。
結局、中古を買ってしまったが、もうそのメーカーのものは絶対に選ばない。
たかが修理ごときに融通を利かさないから、こうして顧客を逃す。
携帯電話を筆頭に新規客ばかりに目を向ける風潮は何とかならんもんか。
あらゆる製品から「買った方が安い」という言葉がなくなればいいと思うのだが。


2010.10.04 RUN

職場から雑司が谷まで歩いたので、新宿からロマンスカーでゆったり帰ることにした。
ロマンスカーのキャンセル分は出発の15分前に購入することが出来る。
ところが地下鉄が東新宿で急行の通過待ちのため3分停車するという。
地下鉄からでは携帯の電波が届かないので、思い切って下車。
走りながら携帯で乗車券を購入して、なおも走る。
とにかく東新宿-新宿三丁目-新宿を15分で走り抜けなければならない。
いやはや脚が動かない、あっという間に息があがる。
にも関わらず激しく咳き込む、さらに吐きそうになる。とにかく脚が重い。
それでも信号無視で、明治通りから歌舞伎町、靖国通り、新宿通りを懸命に突っ走る。
中央口から新宿駅のコンコースの人ごみをかわしながら小田急の改札口へ。
何とかロマンスカーに飛び乗って座席に倒れ込むも呼吸がなかなか収まらない。
そのうち大量の汗がドっと噴き出し、到着の頃にはハンカチがびしょ濡れとなった。
こんなしんどい思いまでして、ロマンスカーでゆったり帰る意味があるのだろうか。
でも一番しんどかったのは、こんな奴に隣に座られたおじさんだったに違いない。


2010.10.05 秋になると

夏の間には思いもつかなかったことが色々と頭をめぐってしまう。
家族のこと、仕事のこと、健康のこと、日々の過ごし方から人間関係のあれやこれや。
マット・マートンのシーズン安打記録達成に拍手し、
鳥谷敬の1000本安打に拳を突き上げながら。
……いや、考えているポーズをとっているだけかもしれない(汗)


2010.10.06 あり得ん…

レントゲンの結果、私の場合はインプラントをやるには人口骨を埋めなくてはならない。
この手術に130万以上の費用がかかるのというのだから、選択から除外。
そして今日、とうとう左上の奥歯に部分入れ歯をつけた。
医者の話だとここの部分入れ歯は9割の人が馴染めないのだという。
何しろ一番左端なので片側にしかフックが出来ないので安定しない。
試しに飯を食ってみたのだけど、もう全然あり得んという感じ。
そもそも「あり得ん」と最初にいったのはインプラントを薦めていた頃の医者だった。
食事のときは入れ歯を外すことしか考えられないが、
そうなると何のための入れ歯なんだか。


2010.10.07 レース終了

タイガースはまたしてもここ一番での勝負弱さをさらけ出したが、
浜スタのテンションは二位を守って本拠地開催権を狙うチームよりも、
球団身売りによって最後の横浜ベイスターズ戦になるのでは?という思いが勝った。
スタンドの熱気でもベイファンに完敗したのは当り前といえば当り前。
阪神が球団を手放し、これが最後の甲子園になるかもしれない試合を想像すればいい。


2010.10.08 秋の徒然

奥歯2本分の部分入れ歯は、常にガムが口の中にへばりついているような不快感。
それとは別に、一日に一度、後頭部に痛み。職場の先輩達から病院へ行けといわれる。
首筋とおでこに謎の発疹。顔を見られるたび「どうしたの?」と聞かれる。
連休は尾瀬にハイキングの計画。このまま不調が続くなら不参加も考える。
職場に残って内職しながら、ネットの野球速報を見ると、巨人の勝利が目前。
帰りのロマンスカーでは、斜め前の座席にオレンジのユニフォームを着た家族連れ。
ドームからの帰りだろうけど、珍しい中南米系の男の子。
「笑顔が似てるな」と思ったら、背中には“RAMIREZ 5”。…いやまさか、ね。
携帯でドームの試合結果を確認。
体調不良が一気に消し飛んだ。


2010.10.09 雨の日に

どうも天気が良くない。大島三原山に続いて雨の行軍になりそうだ。
今夜、深夜バスで尾瀬へと向かい、朝の五時から歩く。
まあ富士山に登るわけでもないので重装備はいらないと思うが、
南町田のアウトレットでレインウエアとトレッキングシューズを新調する。
ザックに着替えを詰め込みながら、西武とロッテの試合を眺めていたが、
ギリギリの熱戦にしばし仕度する手が止まってしまった。
明日は晴れてくれるといいのだけど。


2010.10.10 一日目、尾瀬沼へ

23時に池袋を出発した夜行バスは途端に消灯。
観光バススタイルの窮屈な車内で真っ暗の中、とても眠れたものではない。
朝の4時過ぎに尾瀬沼の入口である大清水に到着。雨が降っている。
尾瀬は湿原を木道に沿って歩くものだと思っていたら、結構な登山だった。
日頃の鈍った身体に寝不足が酷くて、すぐに息があがる。
それでも初日に往復で13キロの峠越えを往復出来たのは、自然の癒しのおかげ。
紅葉には渓流のせせらぎが合うことなど誰でも想像がつくが、本当に見事。
宿に帰って大浴場に身を沈め、大食堂で舌鼓を打つ。
ビールの旨いこと。都会では味わえない心地よさなり。


2010.10.11 二日目、尾瀬ヶ原へ

夕べゆっくりと風呂に浸かって身体をほぐしたおかげで、
思ったよりも早く筋肉痛が来た。
朝食のあと、チェックアウト時間ギリギリまで風呂。
でも、せっかく来たのだから尾瀬ヶ原の入口までは歩こうと往復7キロの山越え。
山登りの始めは「何で来ちゃったんだろう」といつも思うが、
しばらくすると身体が楽になる瞬間があって、これがひとつの快感になる。
結局、いかにも尾瀬という湿地の花は一輪たりとも見ることは出来なかったが(汗)
道中、ゴミらしきものも一切見なかった。
もっと早くに尾瀬には行くべきだった。今度はきちんと準備してまた行こうか。
閉口したのは帰りのバスの大渋滞。帰宅するまで8時間を要し、
職場へのお土産を置き忘れてくるという痛恨一撃をかましてしまった。


2010.10.12 鬼皮、渋皮

職場の先輩から戴いた栗を何とかしなければならない。
簡単に思いつくのが栗ご飯だが、恥ずかしながら栗を剥いたことがない。
ネットの検索によると、熱湯に3分、包丁で切れ目を入れる簡単とのこと。
しかし表面の鬼皮は剥けたが、渋皮がどうしても上手に剥けない。
結局、左の親指の爪をガビガビにしながら何とか渋皮を取り除いたものの、
実がボロボロになって栗ご飯というより、栗まぶしご飯。
味付けも濃すぎて、なかなか微妙な炊き上がりとなってしまった。
いやはや栗ご飯ってこんなに喉が渇くものだったか。
この歳になって包丁が上手になりたいと思いはじめた中秋の宵だった。


2010.10.13 救出劇

チリでは落盤事故で取り残された33人の救出劇が行われた。
当初、救出はクリスマスまでかかるといわれたときには異様な息苦しさを感じた。
気温35度、湿度90%という過酷な環境下。
極限の閉鎖空間に集団で取り残されることへの潜在的な恐怖があるのだろう。
ふと自分の「生」への渇望度と人間力を疑ってしまった。


2010.10.14 気がつけば

部分入れ歯を外したまま一日を過ごしてしまった。
ひとつの道具として早く慣れろと医者はいう。
慣れるわけないだろと身体が拒絶する。
「習うより慣れろ」
いやいや慣れることは習うより難しいことがあるのではなかろうか。


2010.10.15 いよいよクライマックスだぜ!

中日にリベンジだとか、日本シリーズ進出だとかは横に置いといて、
CSというシステムに矛盾を感じて嫌気が差すとかも置いといて、
「巨人を甲子園に迎える特別な闘い」
このフレーズだけで燃え上がるには十分。
逆にここで燃えない虎ファンは恐らく私とは違う種類のファンなのだろう。
歴史に名を刻む激闘なんて望まない。
完膚なきまでに叩きのめすのだ!


2010.10.16 ひと皿

砂糖に酢にみりんに和風の顆粒スープに塩コショウを混ぜ合わせておく。
じゃが芋4個の皮を剥いてレンジでチン。
フライパンのベーコンが炒まったらいったん皿に移し、
そのフライパンでじゃが芋を炒め、先ほど作った調味料を掛けてさらに炒める。
最後にベーコンと刻んだネギを合わせて出来上がり。
ネットに載っていたレシピに従ってひと皿が完成。うむ、なかなか旨かった。
まあそんな一日だったということで。
…明日は勝てよタイガース。


2010.10.17 タイガース、終戦

以上。


2010.10.18 一夜明けて

昨夜、今朝とニュースを見ていてスポーツコーナーになるとチャンネルを替え、
チャンネルを替えるたびに映し出される中国の反日デモ。
すっかりテレビに嫌気が差して普段より早めに出勤すると、
気を遣ってくれるのか、腫れ物には触りたくないのか、どこかシラ~とした空気。
私が席を立った途端に巨人勝利の話題で盛り上がるのかと勝手に被害妄想。
しばらくすると個々に「阪神残念だったねぇ」と声を掛けてくれるのだが、
その個々にいちいち対応するのが非常に面倒くせぇ(笑)
こんな一日になるのは予想してはいたのだけど。


2010.10.19 残業

21時過ぎまで残業をしたのだが、環境が変われば気持ちも変わるもので、
遅くまで仕事をしたという気分が妙に支配してしまう。
つくづく36時間缶詰、一ヶ月の労働時間400時間超なんてもう出来ねぇなと思った。


2010.10.20 また残業

二日続けて志願の残業。
どうせシーズン終って気を紛らわせてるとしか思われていない。
ああ、まさしくその通りさ。と開き直りつつも少しは役に立てればいい。
残業中に取引先からFAXが届くと、「おお、やってんな」と思う。
そういえば生まれてこの方、残業代や超過勤務手当てみたいなものを貰ったことがない。
今日は昨日の残業のご褒美にと上司が豚まんを奢ってくれた。
それでいい。


2010.10.21 困った

変な時間に寝てしまったのでなかなか眠れない。
しかも遅ればせながら尾瀬に行ったときのブログを書き始めて、煮詰まってしまう。
今夜中にアップするつもりが、到底無理。
仕上がり以上に無駄な時間をかけてしまうのは本当に悪い癖だ。
明日はぐだぐだになりそう。


2010.10.22 不調

何となく毎日がたるい。
そのためか最近、どうも気持ちと行動が一致しない。
あれをしようと思っていたのに、気がつけば違うことをやっていたりする。
ひとつのことに集中できない、すぐに煮詰まってしまう。
それでいて妙な緊張感がまとわりついているとも感じる。
親より先にボケるわけにはいかないのだけど。


2010.10.23 目ぢから

砂漠を駈けながら青い目に狂気をたたえるピーター・オトゥール。
陽炎の中を蜃気楼のように登場するオマー・シャリフ。
昔の俳優には映画の大きさに負けない、とてつもない目ぢからがある。
不思議だったのは全盲の辻井伸行さんが、ショパンの足跡を辿る番組で見せた目ぢから。
決勝の一打を放つ直前の和田一浩がマウンドの相手投手を見据えた目もよかった。
なんともヒーローたちの目の力に圧倒された一日だった。


2010.10.24 シロコロ食って

シロコロが食いたくなって本場の厚木まで出掛ける。
さすがに人気メニューだけあって一人ひと皿限定だったが、やはり旨いものは旨い。
七輪で焼いてふーふーしながら舌の上に乗せて、コロコロと転がし、
ひと噛みしてあふれ出る旨み汁を楽しむ。
こういう有難いものを戴くときは部分入れ歯は外す。
入れ歯で食べると味覚も何もあったものではない。せっかくの美味に勿体なさすぎる。
今回のことで歯でも味を感じることがよくわかった。


2010.10.25 80.41

経済もダメ、財政もダメ、外交もダメ、ついでに検察もダメ。
ダメダメづくしで1ドルが80.41円だそうだ。
「政治と金の問題」とはよくいったもので、
小沢一郎の国会誘致など安い話で、一体ナンボのものなのか。
世界でニッポン国の相場はストップ安を継続中。
ちっとは明るいニュースはないのカネ?
整いました。
「日本の政治と掛けて、23時の新大阪、新幹線のホームと解く」
「もうのぞみはございません」


2010.10.26 地下三階

地下二階の有楽町線なら、改札から少し階段を降りればすぐにホームに着く。
私が乗る副都心線となると地下三階まで降りなければならない。
改札を抜けると副都心線の発車まで僅か1分。階段を駆け下りるのは苦手だ。
エレベーターに飛び乗る。運がよければ渋谷行きに飛び乗れるかもしれない。
ところがエレベーターのドアが閉まる直前にオバサンが乗ってきてまたドアを開ける。
しかも地下二階の有楽町線ホームで降りやがった。
おかげで地下三階に到着した途端に副都心線のドアが閉まって間に合わず。
「あのババア…」と怒りながらホームを去る電車を睨みつけていた。
何が腹立つかといえば、この程度のことで苛つく自分の小ささだ。


2010.10.27 雑司が谷から

雑司が谷の図書センターで本を借り受け、明治通りを歩いて西早稲田まで。
買いたいものがあったので、小滝橋通りを下って高田馬場へ。
「なるべく体重を落とせ」との天の声が聞こえたので、
この際、新宿まで歩くと決める。
ところが歩けば歩くほど腹も空く。
百人町を過ぎる頃には、四方に軒を連ねる旨いもんの店。
天の声もどこへやら、麺屋武蔵で角煮+味玉子ラーメン大盛を注文。
せっかく長々と歩いたのが無駄になったと思うか、
歩いたので食っても問題ないと思うか。
新宿の大ガードを潜ると、どこからか大音量で「第九」の旋律。
瞬間に西新宿の摩天楼を見上げると、何だか映画の一場面を見るようだ。
ちょっと感動。これも天の声の恩恵だろうか。


2010.10.28 雨の銀座

ドラフトの結果を確認して、有楽町へ。
駅前がすっかりオシャレになって、昔馴染みの居酒屋がバラックに見える。
日劇跡地に有楽町マリオンが豪奢にオープンしたのは、もう26年前か。
そこの西武デパートがもうすぐ幕を降ろそうとしている。
雨の中を銀座の並木通り、柳通りを歩き一丁目の「天龍」でジャンボ餃子を頬張る。
以前と変わらぬ食い応えに安心しつつ、20代の時に勤めていた銀座二丁目へ。
おお、残業でよく出前を取った「大王」のオヤジがまだ働いているではないか。
勤め先のビルはどうかなと歩を進めてみると、
なんと取り壊されていて更地になっていた。
文字通りぽっかりと穴が開いた気分に降り注ぐ秋雨が冷たかったこと。


2010.10.29 (財)防衛施設周辺整備協会

米軍の厚木基地近くに住居があり、たまに爆音でテレビの音が聞こえなくなる。
その分だけNHKが安いなどの特典もある。
この度は全部屋にエアコンを設置するための視察が入った。
(財)防衛施設周辺整備協会という法人の調査員が来たのだが、
この程度なら市役所の役人でも簡単にこなせる仕事だろう。
ホームページを見ると案の定、役員には防衛省の天下りが並んでいた。
午前中の仕事を休んで立会いをやらされたのだが、
別に全部屋にエアコンなど要らないし、だいたい電気代がかかって仕方ない。
ちょうどテレビのニュースでは蓮舫が事業仕分けをやっていた。


2010.10.30 那っちゃんが亡くなった

Yahoo!のトピックスが突然の訃報を報せる。
中学から高校にかけて金曜日の授業はいつも生あくびだった。
伝説と呼ばれた白石冬美との「ナチチャコ・パック」が本当に伝説になってしまった。
アラン・ドロン、ジェームズ・ディーン、アル・パチーノ、ジュリアーノ・ジェンマの声優。
劇団の主宰者であり、鬼の舞台演出家。
でも我々にとって、那っちゃんは深夜放送「パック・イン・ミュージック」のDJだ。
またひとり、人生のひと時を夢中にさせてくれた人が去る。


2010.10.31 お気楽ダラダラ休日

何でもこの10月は観測史上で一番寒い10月だったらしい。
確かに街中をダウンを着込んでいる人もいたような気がする。
寒いといっても所詮は10月の寒さなど知れたものだと思っているのだが、
たった数日間の温度差が17℃というのだから、身体もびっくりといったところか。
さて、今日は台風も過ぎて、朝から映画を観て、その足でスーパー銭湯。
ジャグジーをどてっ腹に噴射し、源泉かけ流しに浸かったら、全裸でタバコを一服。
ヒゲをあたってもらうと、あまりの気持ち良さについウトウトと。
そこで夕方までダラダラと過ごして、帰宅したら日本シリーズをダラダラと観る。
暑かろうが、寒かろうが、お気楽ダラダラ休日には関係ないってか。

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