●2011年(平成23年)


◆◇◆三行映画評 2011 (平成23年)◆◇◆


※劇場観賞本数29本

北北西に進路を取れ
2011.1.3 TOHOシネマズ海老名 North by Northwest
【01】1959年アメリカ 監督:アルフレッド・ヒッチコック 脚本:アーネスト・レーマン
CAST::ケーリー・グランド、エバ・マリー・セイント、ジェームズ・メイスン、レオ・G・キャロル、マーティン・ランドー
●何度観ても面白い。「間違われる」→「巻き込まれる」→「逃げる」の単純な三拍子で舞台がニューヨークからラッシュモアまでもう動く動く。ソウル・バスのカッコ良いオープニングデザインから始まり、息もつかせぬ展開で、あらゆる映画の華たっぷり盛られて皿から溢れ出そうだ。面白主義に徹した巨匠の十年に一回は観ておきたい快作。


刑事ジョン・ブック/目撃者
2011.1.9 TOHOシネマズ海老名  Witness
【02】1985年アメリカ 監督:マイケル・ウィアー 脚本:アール・W・ウォレス、ウィリアム・ケリー
CAST:ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス、ルーカス・ハース、ダニー・グローバー、アレクサンダー・ゴドノフ
●緩急のバランスがこの作品の妙味か。最初に観たとき、何て不思議な映画なんだろうという印象だったが、今観ると必ずしもアーミッシュへの理解に寄り添うのではなく、外からアーミッシュを刺激する構成であることがよくわかる。刑事と少年の視点から「Witness」が二重の接点となっている。ハリソン・フォードが一番良かった頃か。
※1985年キネマ旬報ベストテン第5位


追 憶
2011.1.16 TOHOシネマズ海老名 The Way We Were
【03】2011年アメリカ 監督:シドニー・ポラック 脚本:アーサー・ローレンツ
CAST:バーブラ・ストライサンド、ロバート・レッドフォード、ブラッドフォード・デイルマン、ロイス・チャイルズ
●大学時代に三軒茶屋の名画座で観た記憶などいい加減なもので、ウーマンリブの運動家のバーブラが休暇で訪れた青年将校レッドフォードと恋に落ちる日々を追憶した映画だと勝手に追憶していた(笑)。かつてカノジョはこれを観て、女性の観客がレッドフォードと仮想恋愛出来るように作られた作品だといってたが、それは非常に正しい。


ソーシャル・ネットワーク
2011.1.16 TOHOシネマズ海老名 THE SOCIAL NETWORK
【04】2010年アメリカ 監督:デヴィッド・フィンチャー 脚本:アーロン・ソーキン
CAST:ジェシー・ローゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャテスィン・ティバーレイク、ルーニー・マーラー
●D・フィンチャーは、女子学生を格付けして喜ぶオタク学生を数年で億万長者にのし上げてしまう現実に、情報社会の病理を見出して批判するようなタマではおそらくない。しかしあまりに極端なシンデレラストーリーが、結果的にはアメリカンドリームの虚妄性をひっくり返す逆説になったか。もっと落ち着いて撮ってほしかったが。
※2011年キネマ旬報ベストテン第2位


ショウほど素敵な商売はない
2011.1.18 TOHOシネマズ海老名 There's No Business Like Show Business
【05】1954年アメリカ 監督:ウォルター・ラング 脚本:フィビー・エフロン、ヘンリー・エフロン
CAST:エセル・マーマン、ドナルド・オコナー、マリリン・モンロー、ダン・デイリー、ミッチー・ゲイナー
●ミュージカル全盛の頃のハリウッドは知る由もないが、そんな自分でもMGMミュージカルとは明らかに空気が違うことがわかる。ショウビジネスに離合集散や光と影がつきものだとしても、表題作にして『ザッツ・エンターティンメント』のメインでも使われた曲が響けば自然とショウビジネス界の楽しさが瞬きだす。


人生万歳!
2011.1.27 恵比寿ガーデンシネマ Whatever Works
【06】2010年アメリカ 監督:ウディ・アレン 脚本: ウディ・アレン
CAST:ラリー・デヴィッド、エヴァン・レイチェル・ウッド、パトリシア・クラークソン、エド・ベグリーJr
●因みに私は「ケ・セラ・セラ」という言葉が大嫌いだ。この映画、意訳してしまうと「何でもありさ」。似たような意味でも「ケ・セラ・セラ」に感じる嫌悪感はない。ウディ・アレンには人生への皮肉と諦観が読み取れる。人生をそれなりにしぶとく生きて、「結局、何でもありかいな」と悟ることが出来たとしたら、それは素晴らしい人生だろう。


川の底からこんにちは
2011.2.6 関内ホール
【07】2010年ユーロスペース=ぴあ 監督:石井裕也 脚本:石井裕也
CAST:満島ひかり、遠藤雅、相原綺羅、岩松了、志賀廣太郎、管間勇、稲川実代子
●主人公の木村佐和子がやけっぱちになる映画だ。決して居直るのではなく、満天下に向けて開き直る姿を描いていて、それが可笑しくて、実に楽しい。まだ頭の中を「木村水産社歌」が鳴り響いていて困っているくらいだ。これは正しく「開き直れた」人はかくも輝くものなのかを教えてくれる映画だった。
※2010年キネマ旬報ベストテン第5位


今度は愛妻家
2011.2.6 関内ホール
【08】2010年東映他 監督:行定勲 脚本:伊藤ちひろ
CAST:豊川悦司、薬師丸ひろ子、石橋蓮司、濱田岳、水川あさみ、津田寛治、井川遥、奥貫薫
●パーフェクトだとまではいわないが、後半は客席の周囲から聞こえてくるすすり泣きく声に呼応するように、私も鼻水が垂れるのを抑えるを苦労していた。そうなると豊悦が不味いニンジン茶を飲んでいるだけで泣けてくる。やや舞台劇の縛りに偏り過ぎた恨みは残るとしても、主演三人の演技は賞賛に値するといってもいい。


十三人の刺客
2011.2.6 関内ホール
【09】2011年東宝=テレビ朝日 監督:三池崇史 脚本:天願大介
CAST:役所広司、松方弘樹、市村正親、伊勢谷友介、稲垣吾郎、平幹二郎、古田新、伊原剛、松本幸四郎
●三池崇史がリメイクした『十三人の刺客』が文句なしに作品賞に値するとまではいわない。しかし面白かった。工藤栄一の名作と肩を並べるほどの傑作ともいわない。しかし本気で映画を作っていた熱意に安堵したし嬉しかった。松方が斬って斬って斬りまくれば、それだけで私にとってエンターティメントだ。
※2010年キネマ旬報ベストテン第4位


ディーバ
2011.2.20 TOHOシネマズ海老名 Diva
【10】1981年フランス 監督:ジャン=ジャック・ベネックス 脚本:ジャン=ヴァン・アム、ジャン=ジャック・ベネックス
CAST:ウィルヘルメニア・ウィギンズ・フェルナンデス、フレデリック・アンドレイ、リシャール・ポーランゼ
●もし学生時代の私が30年前の映画を観たとしたらどうだろう。そんなことを考えながら最新作を観るような気分で30年前の『ディーバ』を観ていた。それでも今の若者がこれを観れば「古い」というのだろうか。ベネックス同様にリュック・ベッソン、レオン・カラックス世代のフランス映画は殆ど馴染まないままここまで来てしまった。


素晴らしき哉、人生!
2011.3.4 TOHOシネマズ六本木ヒルズ It's a Wonderful Life
【11】1946年アメリカ 監督:フランク・キャプラ 脚本:フランセス・グッドリッジ、アルバート・ハケット
CAST:ジェームズ・スチュアート、ドナ・リード、ライオネル・バリモア、トーマス・ミッチェル
●今回の「映画祭」で最上級に心待ちしていた作品。ダスティン・ホフマンがオスカー受賞の壇上でジェームズ・スチュアートにこの作品への賛辞を語ったシーンは今でも憶えている。この名作を悪くいう人は殆どいないのは、良心が全編に息づいているからだろう。クリスマスの奇跡を描く映画は多いが、その原点にして最高傑作。


ブラック・サンデー
2011.3.6 TOHOシネマズ海老名 Black Sunday
【12】1974年アメリカ 監督:ジョン・フランケンハイマー 脚本:アーネスト・リーマン、ケネス・ロス、A・モファット
CAST:ロバート・ショウ、ブルース・ダーン、マルト・ケラー、スティーブン・ケーツ、ベキム・フェーミュ
●封切り直前に脅迫によって公開が見送られた経緯は今でも強烈に憶えている。DVDになっても、あの時の悔しさからか絶対に映画館で観てやると思い続けて35年が経ってしまった。テロリストへの共感も匂わせるなど、今の映画の作りと比べるともっさりしている部分もあるが、面白い映画を作るという心意気に溢れていたのが嬉しかった。


シャレード
2011.4.17 TOHOシネマズ海老名 Charade
【13】1974年アメリカ 監督:スタンリー・ドーネン 脚本:ピーター・ストーン
CAST:オードリー・ヘプバーン、ケーリー・グラント、ウォルター・マッソー、ジョージ・ケネディ、ジェームズ・コバーン
●ヘンリー・マンシーニの名曲は知っていたが、モーリス・バインダーのカッコいいタイトルデザインをバックにサスペンスフルなアレンジになって流れたとき、客席で軽く「おっ」と声が出てしまった。ほんわかしたサスペンスが展開するが、主役の二大スターの他にもひと癖もふた癖もある名優たちが出て来るのが楽しい。


英国王のスピーチ
2011.4.24 ワーナーマイカルシネマズつきみ野 THE KING'S SPEECH
【14】2010年イギリス 監督:トム・フーパー 脚本:デヴィッド・サンドラー
CAST:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム・カーター、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール
●国王とローグがラジオマイクを挟んで、旋律を奏でる演奏者と指揮者のように対峙する。隠し味のように静かにベートーヴェンを流すあたりは心憎い限りだが、ハリウッド映画にありがちな作為的な演出ではなく、コリン・ファースとジェフリー・ラッシュの恍惚とした表情だけでクライマックスを演出したのは見事の一言。
※2011年キネマ旬報ベストテン第3位


さよならをもう一度
2011.5.7 TOHOシネマズ海老名 Goodbye Agein
【15】1961年フランス 監督:アナトール・リトヴァク 脚本:サム・テイラー
CAST:イブ・モンタン、イングリット・バーグマン、アンソニー・パーキンス、ジェシー・ロイス・ランディス
●今回の映画祭で知らなかった映画が2本あって、これはそのうちの一つ。正直いうとこれって名作なのか?とは思ったが、離婚歴のある女性が年上と年下の男の狭間で揺れ動くF・サガンの原作を、それぞれバーグマンとモンタンとパーキンスでやられてしまう問答無用感みたいなものはちょっと凄いと思った。


阪急電車  ―片道15分の奇跡― 
2011.5.14 TOHOシネマズ海老名 The Bad News Bears' '
【16】2011年東宝=関西テレビ 監督:三宅喜重 脚本:岡田恵和
CAST:中谷美紀、戸田恵梨香、宮本信子、南果歩、芦田愛菜、勝地涼、相武紗季、玉山鉄二、安めぐみ
●有川浩の小説『阪急電車』は映画の原作としても最高に面白い素材で、どんなに凡庸に作ってもそこそこ面白い映画になると思っていたのだが、決して簡単に映像化できるドラマではないことがよくわかった。片道15分の短い時間に8駅も停車するコンパクトな舞台は、大きなハードルとなったのではないだろうか。


昼 顔
2011.5.29 TOHOシネマズららぽーと横浜 Bell De Jour
【17】1967年フランス 監督:ルイス・ブニュエル 脚本:ジャン・クロード・カリエール、ルイス・ブニュエル
CAST:カトリーヌ・ドヌーブ、ジャン・ソワレ、ミシェル・ピッコリ、ジュヌヴィエーブ・パージュ
●大学時代の一時期、ブニュエルの映画にはまったことがある。その中で『昼顔』は劇場未見のままだったが、深夜テレビで何度か観ている。有閑マダムの妄想を描きつつ個人的にカトリーヌ・ドヌーブをセクシーだと思ったことはないが、間違いなくブニュエルはドヌーブでエロい映画に仕上げきったのではないか。


ブラック・スワン
2011.5.29 TOHOシネマズららぽーと横浜 BLACK SWAN
【18】2010年アメリカ 監督:ダーレン・アロノフスキー 脚本:マーク・レーマン、アンドレス・ハインツ
CAST:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダー
●汗染みで黒ずんだトウシューズ。つま先は水ぶくれと血マメで変色している。優雅の高みを獲得することが、身を削ることと一対であることの過酷さ。慢性的な痛みを抱えながらナイフで靴底に刻みを入れるのは控え室での彼女たちのルーティンだろうが、針や刃物から受けるイメージがまるで自傷行為のようにも思えてくる。
※2011年キネマ旬報ベストテン第5位


ドクトル・ジバゴ
2011.6.5 TOHOシネマズ海老名  Doctor Zhivago
【19】1965年アメリカ=イギリス 監督:デヴィッド・リーン 脚本:ロバート・ボルト
CAST:オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティ、ジュラルディン・チャップリン、ロッド・スタイガー、アレック・ギネス
●今回の映画祭ではデヴィッド・リーンの超大作の現場を捌く骨太の演出力に圧倒された。同じ戦争を背景にした三作の中でもこの『ドクトル・ジバゴ』がもっとも人間臭い大河ドラマなのではないか。モーリス・ジャールの勇壮な音楽がスケール感を盛り上げる中で、静かなラストの余韻が心地良い。やはり人は愛のみによって生きるのか。
※1966年キネマ旬報ベストテン第9位


シベールの日曜日
2011.6.18 TOHOシネマズ海老名  Cybele ou les Dimanches de Ville d'Avray
【20】1962年フランス 監督:セルジュ・ブールギニョン 脚本:セルジュ・ブールギニョン、アントワーヌ・チュダル
CAST:ハーディ・クリューガー、パトリシア・ゴッジ、ニコール・クールセル、ダニエル・イヴェルネル
●昔からタイトルだけで気になっていた映画が何本かあるが、これもそのひとつ。まさかこういう内容とは思わなかった。強面のドイツ軍将校のイメージのハーディ・クリューガーの少女愛とは意外すぎた。確かにゴッジちゃんのキュートな魅力はわかるが、綺麗ごとは並べられるものの、とても感情移入は出来るものではなかった。
※1963年キネマ旬報ベストテン第3位


情 婦
2011.6.26 TOHOシネマズ海老名 Witness for the Prosecution
【21】1958年アメリカ 監督:ビリー・ワイルダー 脚本:ビリー・ワイルダー、ハリー・カーニッツ
CAST:タイロン・パワー、マレーネ・ディートリッヒ、チャーズ・ロートン、ジョン・ウィリアムス、エルザ・ランチェスター
●巧妙な伏線の張り方や意外なドンデン返しに至るまでの筋書きはアガサ・クリスティの功績なのだろうが、豊かなキャラクター造形と何ともいえないユーモアで作品全体のイメージを膨らませたのはワイルダーの名人芸の賜物だろう。しかもまだまだ演出の隠し味を全部把握していない気にさせられるのが憎い。


荒野の用心棒
2011.8.6 TOHOシネマズ海老名 Per un Pugno di Dollari
【22】1964年イタリア 監督: セルジオ・レオーネ 脚本:セルジオ・レオーネ、ハイメ・コマス、ヴィクトル・A・カテナ
CAST:クリント・イーストウッド、ジャン・マリア・ボロンテ、マリアンヌ・コッホ、ヨゼフ・エッガー
●もう何といったらいいのだろう、「たまらん!」というくらいにセルジオ・レオーネの画であり、クリント・イーストウッドの勇姿であり、エンニオ・モリコーネのメロディだった。イーストウッドのガンマンが悪党のひとりと視線が合う、その瞬間にモリコーネの音楽がジャンと鳴り響く。もうそれだけて胸が騒ぐのを禁じえない。


大いなる西部
2011.8.15 TOHOシネマズららぽーと横浜 The Big Country
【23】1958年アメリカ 監督:ウィリアム・ワイラー 脚本:ジェームズ・R・ウェッブ、サイ・バーレット他
CAST:グレゴリー・ペック、チャールトン・ヘストン、ジーン・シモンズ、キャロル・ベイカー、チャック・コナーズ
●『THE BIG COUNTRY』という原題のイメージで、郷愁としての古き良き西部を礼賛する映画だと思い込んでいたのだが、どうも違っていた。そもそもワイラーはテキサスの広大な画面で見せておいて、主人公に「海はもっと広い」といわせている。巨匠はこの映画を壮大なパラドックスとして見立てようとしたのではないか。
※1958年キネマ旬報ベストテン第1位


荒野の七人
2011.8.17 TOHOシネマズ海老名 The Magnificent seven
【24】1960年アメリカ 監督:ジョン・スタージェス 脚本:ウォルター・ニューマン
CAST:ユル・ブリンナー、スティーブ・マックイーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ホルスト・ブッホルツ
●見所はブリンナーが7人のガンマンたちをリクルートする前半と、いよいよ野盗との対決が展開する後半とで好みが二分されているようにいわれているが、実はガンマンたちが野盗たちの襲撃に備えて塹壕を掘り、罠を仕掛け、村人たちに銃を教えていく中盤が一番の面白さだったと思う。これは『七人の侍』についても同じ。


ツリー・オブ・ライフ
2011.8.26 109シネマズグランベリーモール THE TREE OF LIFE
【25】1951年アメリカ 監督:テレンス・マリック 脚本:テレンス・マリック
CAST:ブラッド・ピット、ショーン・ペン、ジェシカ・チャステイン、フィオナ・ショウ、ハンター・マクラケン
●父と子の葛藤の物語には違いないものの、止めどもなく溢れていくイマジネーションの洪水が、私には映像の暴走に思えてしまう。理屈ではなく感性で観るべきなのかもしれないが、根っこの部分で天地創造や人類創生といったキリスト教史観のアンテナを持っていないとお手上げのような気がした。


ツレがうつになりまして。
2011.10.19 109シネマズグランベリーモール Rebecca
【26】2011年東映 監督:佐々部清 脚本:青嶋武
CAST:宮﨑あおい、堺雅人、津田寛治、吹越満、犬塚弘、余貴美子、大杉漣、梅沢登美男
●最後まで夫婦のラブストーリーとして見ていたかった。天真爛漫でのんびり屋だけど、あくせく働かなければならなくなった妻と、あくせく働きすぎて病気になってしまい、子供みたいに駄々をこねるツレがいる。それを見つめるペットのイグアナ。ただツレに二度もスピーチをやらせたのは少々無粋だったのではないか。


スマグラー おまえの未来を運べ
2011.11.7 TOHOシネマズららぽーと横浜 Alien
【27】2011年日本 監督:石井克人 脚本:石井克人、山口雅俊、山本健介
CAST:妻夫木聡、永瀬正敏、高嶋政宏、安藤政信、満島ひかり、テイ龍進、我修院達也、松雪泰子、島田洋八
●全編にほとばしる流血とバイオレンス、そして死体の山。螺子の外れた男たちの脳天が陥没し、画面狭しと飛び散る大量の涎。スタイリッシュだが、あまりに作り込みすぎて笑ってしまう。石井克人のほどほどのところで手を打たない姿勢には常に期待してしまうのだが、なんて期待に違わぬキッチュな出来栄えなんだろう。


いちご白書
2011.12.12 新宿武蔵野館 The Strawberry Statement'''
【28】1970年アメリカ 監督:スチュアート・ハグマン 脚本:イスラエル・ホロヴィッツ
CAST:ブルース・デイヴィソン、キム・ダービー、ダニー・ゴールドマン、イスラエル・ホロヴィッツ、ボブ・バラバン
●平日の最終回の武蔵野館。還暦過ぎのおじさんたちで席はそこそこ埋まっていた。かつて膿んでいた傷はかさぶたすらも残っていないだろうが、映画を観ながら消えてしまった傷痕を疼かせていたのではないだろうか。どうぞ彼らの記憶が、35mmニュープリントリマスター版で鮮やかに蘇ってますように。


ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル
2011.12.17 109シネマズグランベリーモール Mission: Impossible - Ghost Protocol
【29】1976年アメリカ 監督:ブラッド・バート 脚本:ジョシュ・アッペルバウム、アンドレ・ネメック
CAST:トム・クルーズ、ジェレミー・レナー、ポーラ・パットン、サイモン・ペッグ、ジョシュ・ホロウェイ
●トム・クルーズのワンマンショーだったシリーズも、今回はIMFのチームが上手く機能する。『スパイ大作戦』は同じ諜報部員を描いてもジェームズ・ボンドはいない。そう適材適所に配置されたチームプレーの面白さを描くドラマでもあった。別にデジタルの中に見え隠れするアナログを求めていたつもりはないのだが。


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