◆三行の映画評

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リチャード・ジュエル
2020.01.19 TOHOシネマズ新宿 スクリーン5 RICHARD JEWELL [0円/131分]
【11】2019年アメリカ 監督:クリント・イーストウッド 脚本:ビリー・レイ
CAST:ポール・ウォルター・ハウザー、サム・ロックウェル、キャシー・ベイツ、オリヴィア・ワイルド、ジョン・ハム
●例によって抜群の演出テンポで限りない満足度へと持っていかれるが、リチャードに容疑を仕掛けたFBIとメディアが「法執行官への憧れ」というロジック一点張りだったことと、公衆電話のアリバイで無罪を確信する程度の稚拙さが気になった。それでも熟練の手腕に抗いようがなく、あっけなく語り口の気持ちよさに乗せられてしまうのだが。


フォードvsフェラーリ
2020.01.18 イオンシネマ新百合ヶ丘 スクリーン6 FORD V. FERRARI [1100円/153分]
【10】2019年アメリカ 監督:ジェームズ・マンゴールド 脚本:ジェズ・バターワース、ジェイソン・ケラー
CAST:マット・デイモン、クリスチャン・ベール、ノア・ジュープ、カトリーナ・バルフ、ジョン・バーンサル
●フォードが勝って万々歳で、レースの昂揚感とともにアメリカ人が留飲を下げる用の映画だと思っていたことをマンゴールドに詫びねばなるまい。様々な思惑が交錯する人間ドラマであり、シェルビーとマイルズの友情、技術者たちの心意気、そしてそれらすべてを呑み込もうとする資本論理。かくも “誇り高き戦い”は崇高であったことか。


音 楽
2020.01.15 新宿武蔵野館 [1100円/71分]
【09】2019年ロックンロール・マウンテン 監督:岩井澤健治 脚本:岩井澤健治
CAST:(声)坂本慎太郎、駒井蓮、前野朋哉、芹澤興人、平岩紙、山本圭祐、姫乃たま、天久聖一、竹中直人、岡村靖幸
●熱狂?の噂を聞きつけて劇場へ。なるほど古武術の奏でるシュールなサウンドも古美術のフォークも気に入った。もう一度聴きたくなるし、研二のリコーダーも素晴らしい。ただ演奏する側はさぞ気持ち好いのだろうとバンドを組めなかったこちらとの温度差は薄っすら感じる。さてインディーズに留まることの自由さまで評価すべきかどうか。


午前0時、キスしに来てよ
2020.01.13 イオンシネマ新百合ヶ丘 スクリーン7 [1100円/113分]
【08】2019年フジテレビ=松竹=講談社 監督:新城毅彦 脚本:大北はるか
CAST:橋本環奈、片寄涼太、眞栄田郷敦、八木アリサ、岡崎紗絵、鈴木勝大、酒井若菜、野田理人、内藤秀一郎、遠藤憲一
●昨年のベスト『殺さない彼と死なない彼女』ですっかりティーンムービー侮り難しとなったものの、始まりの3分で席を立ちたくなる。テレビならチャンネルを替えていたはずだ。それでもシンデレラストーリーのお約束でそれなりに最後は大団円感を満喫したと思う。ポン・ジュノ、田中登と観賞が続き、箸休め的なリセットにはなったか。


人妻集団暴行致死事件
2020.01.12-13 新文芸坐 [ 〃 /96分]
【07】1978年日活 監督:田中登 脚本:佐治乾
CAST:室田日出男、黒沢のり子、古尾谷雅人、志方亜紀子、日夏たより、深見博、酒井昭、岡本麗、小松方正、岡麻美
●この年の主演賞の殆どを高倉健が持っていってしまったが、私は今も頑なに室田日出男こそ絶対だったと信じている。地方新聞に報じられる痴情事件を加害者と被害者を共有させ70年代の荒っぽい人間群像とした田中登は素晴らしいが、逮捕から復帰した室さんの演技にただ茫然とした40年前。今もその感慨が蘇って涙が出そうだった。
※1978年キネマ旬報ベストテン第9位


江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者
2020.01.12-13 新文芸坐 [ 〃 /76分]
【06】1976年日活 監督:田中登 脚本:いどあきお
CAST:石橋蓮司、宮下順子、夢村四郎、渡辺とく子、八代康二、織田俊彦、長弘、中島葵、田島はるか、秋津令子、水木京一
●一定の評価はされた。ただ大正デモクラシーの爛熟した世相から醸されるアバンギャルドなエロスを、どん底の喘ぎと諦観から一転してブルジョワジーたちの愉悦を乱歩調に落とし込んだ田中登には初見から違和感はあった。人の腐臭を排除し芳香を前面に描くが屋根裏の散歩者にも人間椅子にも様式以外のアプローチがあってもよかった。
※1976年キネマ旬報ベストテン第10位


色情めす市場
2020.01.12-13 新文芸坐 [ 〃 /83分]
【05】1974年日活 監督:田中登 脚本:いどあきお
CAST:芹明香、夢村四郎、宮下順子、花柳幻舟、萩原朔美、岡本彰、絵沢萌子、小泉郁之助、庄司三郎、榎木兵衛、坂本長利
●例えば実夫の通天閣からのニワトリ飛ばし、商店街のトメからの視点と実夫からのトメへの大胆な主観の交換。ダッチワイフで自爆する遠景からの定点ショット。4回目40年ぶりの再会はいちいち凄すぎた。格差社会の底辺で喘ぎながら「だから?」と受け入れる諦観の美しさ。当時でしか撮れない人間讃歌であるが故、永遠の名作となった。


女郎責め地獄
2020.01.12-13 新文芸坐 [ 〃 /77分]
【04】1973年日活 監督:田中登 脚本:田中陽造
CAST:中川梨絵、山科ゆり、あべ聖、薊千露、絵沢萌子、堂下繁、織田俊彦、長弘、小泉郁之助、高橋明
●動の中川梨絵と静の山科ゆり。その対比も含む人形浄瑠璃とロマンポルノの融合に高校生は難解で前衛的だと思った。結局精一杯の背伸びと知ったかぶりが相塗れる観賞になったが、今も義太夫の知識はなく未だに田中登の演出意図は汲めきれていない。ただ長屋襖ぶち抜き横移動など日活撮影所の美術スタッフの素晴らしさは激しく讃えたい。


パラサイト 半地下の家族
2020.01.11 109シネマズグランベリーパーク シアター1 기생충 PARASITE [1300円/132分]
【03】2019年韓国 監督:ポン・ジュノ 脚本:ポン・ジュノ、ハン・ジヌォン
CAST:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
●予測不可能な物語のラストはギウの妄想か?否、そうではあるまい、あれはおそらく現実(実現)だろう。ともかくこれが噂のポン・ジュノか!ホント凄ゲーと思った。上へ下へ、半地下へと終始揺さぶられまくった。格差社会のコントラストをこれでもかとベタに笑わせ、衝撃に慄かされる。韓国映画だが世界最高峰のエンターティメント。


THE INFORMAR/三秒間の死角
2020.01.02 フォーラム福島 THE INFORMAR [1300円/113分]
【02】2019年アメリカ=イギリス=カナダ 監督:アンドレア・ディ・ステファノ 脚本:M・クック 、ローワン・ジョフィ他
CAST:ジョエル・キナマ、ロザムンド・パイク、コモン、クライヴ・オーウェン、アナ・デ・アルマス、カーマ・メイヤー
●「特殊部隊に従軍経歴あり」は主人公が死線を潜り抜ける免罪符として都合がいいのか、ずっと便利に使われ続けている。それでもSWやアナ雪、MCUが映画界のメインストリートであるならば、その周辺にこの手の映画ががっつり存在していなければスクリーンはいつか死ぬ。そうニューヨークにはいつまでもヤバさを孕んでいて欲しいのだ。


男はつらいよ・お帰り 寅さん
2020.01.01 109シネマズグランベリーパーク シアター3 [1200円/116分]
【01】2019年松竹 監督:山田洋次 脚本:山田洋次、朝原雄三
CAST:渥美清、吉岡秀隆、後藤久美子、倍賞千恵子、前田吟、桜田ひより、桑田圭祐、浅丘ルリ子、夏木マリ、池脇千鶴
●80年代の前半、正月一発目は『男はつらいよ』が定番だった。それにしても泣けた泣けた。『ニュー・シネマ・パラダイス』ばりの歴代マドンナ矢継ぎ早カットには帰りに寄った牛丼屋で思い出し泣きし大いに困った。今まで寅さん観て落涙した記憶などないのだが・・・。また核となる満男と泉のエピも中年同士の淡い恋物語として悪くない。


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