●2005年(平成17年)

 三行の映画評


カンフーハッスル
2005.1.1 TOHOシネマズ海老名 功夫/Kung Fu Hustle
【01】2004年中国=アメリカ 監督:チャウ・シンチー 脚本:チャウ・シンチー、ツァン・カンチョン
CAST:チャウ・シンチー、ユン・ワー、ユン・チウ、チウ・チーリン、シン・ユー、チャン・クォックワン、ブルース・リャン
●本質的にはCGやワイヤーワークは好きではないのだが、とにかく周星馳の旺盛なサービス精神でそれが度を超えてくると「もう参った」するしかないだろう。カンフー映画というよりも武侠ものの匂いが漂っていたが、なんといっても梁小龍、そうあのブルース・リャンをあそこまで醜怪に見せてくれたことに拍手を贈りたい。


スーパーサイズ・ミー
2005.1.15 ワーナーマイカルシネマズ海老名 Super Size Me
【02】2002年アメリカ 監督、構成:モーガン・スパーロック
CAST:モーガン・スパーロック、ダリル・アイザック、リサ・ガンジュ、スティーヴン・シーゲル
●何かとてつもないカルトムービーが見られるのではないかと期待したが外された、ひたすらのマクドナルドのハンバーガーだけ食っていたら人はどうなるか?ジャンクフード社会への告発はいいとして、これは劇場のスクリーンで観るほどのものだろうか。何とも雑なテレビバラエティを見せられたような気分だった。


パッチギ!
2005.1.30 TOHOシネマズ海老名
【03】2005年シネカノン 監督:井筒和幸 脚本:羽原大介、井筒和幸
CAST:塩谷瞬、沢尻エリカ、高岡蒼佑、楊原京子、尾上寛之、真木よう子、波岡一喜、桐谷健太、加瀬亮
●井筒は不定期的に特大ホームランをかっ飛ばしてくれる。監督がどうしても撮りたかった企画を手掛けているのだという歓びに満ち、その思いが撮影現場に蔓延し、観客にも伝わってくるという実にハッピーな結実がこの映画にはある。現実には笑えないほどの暴力が満載なのだが、ノスタルジーという包装紙に包まれて最高に楽しかった。                ※2005年キネマ旬報ベストテン第1位


Rey/レイ
2005.1.30 TOHOシネマズ海老名 Rey
【04】2004年アメリカ 監督:テイラー・ハックフォード 脚本:テイラー・ハックフォード、ジェームズ・L・ホワイト
CAST:ジェイミー・フォックス、ケリー・ワシントン、シャロン・ウォーレン、レジーナ・キング
●『ブル・ブラ』「愛しのエリー」でのレイ・チャールズはとてもハッピーに見えた。しかしこの盲目の黒人歌手がどうやって生きてきたか。母と子、ショウビジネスの真実を描きこんだ魂の映画かもしれないが、R&Bにもニューオリンズ音楽にも造詣が浅く、レイに仮託された黒人の叫びという本質が刺さりきらないもどかしさが残った。


オペラ座の怪人
2005.1.30 TOHOシネマズ海老名 The Phantom of the Opera
【05】2004年アメリカ 監督:ジョエル・シューマッカー 脚本:アンドリュー・ロイド=ウェバー、J・シューマッカー
CAST:ジェラルド・バトラー、エミィ・ロッサム、パトリック・ウィルソン、ミランダ・リチャードソン、ミニ・ドライバー
●往年のホラー映画のクラシックもすっかりミュージカルの名作になったようだが、もう頭まで刷り込まれたあのテーマ音楽が鳴ると不覚にも「おお」と身を乗り出してしまう。ただ劇場に棲みつく怪人への畏怖感や悲哀が画面から伝わってきたかといえばどうだったろう。それにしてもこの監督は何でも撮ってしまうんだなと感心する。


真夜中の弥次さん喜多さん
2005.5.5 TOHOシネマズ海老名
【06】2005年アスミックエース 監督:宮藤官九郎 脚本:宮藤官九郎
CAST:長瀬智也、中村七之助、小池栄子、阿部サダヲ、柄本佑、寺島進、竹内力、古田新太、中村勘九郎
●クドカンのことはよく知らないが、こういう世界が展開しているのだろうなという予測は出来ていた。考えてみれば弥次喜多こそ日本が誇るロードムービーだ。私が好むような映画ではないが、弥次喜多を待つ数々の関門のハチャメチャさは想像以上にハチャメチャだったという点において中途半端さはなかったといえよう。


交渉人 真下正義
2005.5.7 TOHOシネマズ海老名
【07】2005年フジテレビ=東宝 監督:本広克行 脚本:十川誠志
CAST:ユースケ・サンタマリア、寺島進、小泉孝太郎、國村隼、水野美紀、柳葉敏郎、石井正則、金田龍之介
●『踊る~』のスピンオフ企画。映画として本編よりもずっと出来がよい。最後の方で展開が見えてしまったのは残念だったが、地下鉄の管制室でのネゴシエーションなどなかなかサスペンスも悪くないし、演出も演技陣もよく頑張ったのではないか。本当はもっと重厚に描けば映画としても面白くなるのだろうが、なにせ『踊る~』だから。


ミリオンダラー・ベイビー
2005.6.4  TOHOシネマズ海老名 Million Dollar Baby
【08】2004年アメリカ 監督:クリント・イーストウッド 脚本:クリント・イーストウッド、ポール・ハギス
CAST:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマン、アンソニー・マッキー、ジェイ・バルチェル
●イーストウッドの極限の演出力を見せてもらった。何が凄いのかといえば尊厳死という悲劇的な結末を描きながら、力強い迫力でアメリカンドリームに突き進むヒロインの印象をきちんと残しているところ。どうすればこのような後味の映画が作れるのか。パンチングボールを叩く師弟のシルエットの残像がなかなか頭から消えない。                ※2005年キネマ旬報ベストテン第1位


スター・ウォーズ :エピソード3/シスの復讐
2005.7.2 TOHOシネマズ海老名 Star Wars Episode III: Revenge of the Sith
【09】2005年アメリカ 監督:ジョージ・ルーカス 脚本:ジョージ・ルーカス
CAST:ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン、サミュエル・L・ジャクソン
●ダースベイダーの闇に絡み取られていくアナキン。もう世界中の『スター・ウォーズ』を知る誰もがわかっている結末に向けてストーリーを進行させなければならない映画というのもなかなか稀有だ。何だか歌舞伎の因果話のようで、さすがに想定を覆すようなサプライズはなく、少々窮屈な最終作に仕上がったのではないか。                ※2005年キネマ旬報ベストテン第8位


宇宙戦争
2005.7.9 TOHOシネマズ海老名 War of the Worlds
【10】2005年アメリカ 監督:スティーブン・スピルバーグ 脚本:デイヴィッド・コープ
CAST:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ティム・ロビンス、ミランダ・オットー、リック・ゴンザレス
●ツッコみどころは満載だろうし、最後のオチも物議を醸すだろうとは思う。しかし宇宙から飛んできた奴は悪いに決まっている、という原点に立ち戻って殺戮の限りを尽くす侵略者たちを徹底的に描いたスピルバーグの潔さが光る。そうすっかりヒューマンとファンタジーの代名詞となった監督だが、彼が描く恐怖は嫌いではない。


キング・コング
2005.12.30 TOHOシネマズ海老名 King Kong
【11】2005年アメリカ 監督:ピーター・ジャクソン 脚本:フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン
CAST:ナオミ・ワッツ、ジャック・ブラック、エイドリアン・ブロディ、ジェイミー・ベル、コリン・ハンクス
●3時間以上の上映時間中、最初の1時間を人間ドラマに費やされるのには驚いた。しかし、まったく飽きさせないでスカル島の探検を描き切る。『ロード・オブ・ザ・リング』の成果がこの映画に結実したと断言してしまおう。この力技を観ると1976年のリメイクは何だったんだろうと思う。古今東西、怪獣映画の最大級の傑作だろう。                ※2005年キネマ旬報ベストテン第9位


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