▲1993(平成5年)

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■1993.1.4東京ドーム
FANTASTIC STORY IN闘強導夢
【新日本プロレス】 野上、飯塚、エル・サムライ×平井、折原、北原/グレート・カブキ、越中×斎藤彰、青柳(IWGPジュニアヘビー級選手権)獣神サンダーライガー×ウルティモ・ドラゴン/ロン・シモンズ×トニー・ホーム/スティング×馳/橋本、M斎藤×ダスティ・ローデスJr、スコット・ノートン/(NWA世界&IWGP両ヘビー級選手権)グレート・ムタ×蝶野/(同タッグ選手権)パワー・ウォリアー、ホーク・ウォリアー×スコット・スタイナー、リック・スタイナー/藤波×石川敬/天龍×長州
LIVE.205:新春恒例のドーム大会に6万3千5百人。ドームの大きさもようやく手の内に入ってきたを実感した中で、長州と天龍のメインはまさに今のプロレスが提供できる長天ならぬ頂点の味わいで早くも今年度ベストバウト当確という激戦。この域に到達するには「年輪」と「背景」が必要で、そのふたつが見事に融合した。

■1993.1.16後楽園ホール
TRY AGAIN
【藤原組】 藤原×ウェイン・シャムロック/マーク・アシュフォー×デュシェル・バット/ガルダバ・ゲオルギ×マック・ローシュ/バート・ベイル×ジェリー・フリン/藤原×石川雄
LIVE.206:船木、鈴木らの大量離脱を受け、「何故なんだ!?」という空気がホールを包み込み、知る限りプロレス史上で最もウェットな興行となった。愛弟子との2試合目の試合に臨む組長が次第に道場スパーに移行していく様に熱くなれない奴はプロレスファンを辞めちまいなといいたい。

■1993.2.14東京体育館
GREAT HISTORY 革命鳴動
【WAR】 獣神サンダーライダー、ウルティモ・ドラゴン×ベスティア・ザルバッヘ、エル・サムライ/グレート・カブキ×後藤達/ビッグ・ジョン・テンタ×キング・ハク/長州×阿修羅原/天龍、石川敬×藤波、馳
LIVE.207:さすがに天龍と藤波が相まみれるとなるとWARでも東京体育館''は満員になるものだ。こういう時の藤波は驚くぐらいに巧いマット捌きを披露してくれるのが嬉しい。それにしてもこの2人が同じリングに立つとは感慨深いものだ。

■1993.2.14日本武道館
THE ROOT OF WRESTLING「最強」
【UWFインターナショナル】 高山×トム・バートン/中野×垣原/マーク・フレミング×金原/ダン・スバーン×安生/山崎×デュラン・カズラスキー/ゲーリー・オブライト×佐野/高田×田村
LIVE.208:田村は去年のすべてのU戦士たちの中でもっとも安定していたと思うが、結果的に山崎は超えられても高田の牙城には届かなかった。それにしてもKOを狙いにいった高田に余裕がなかったのも事実だろう。

■1993.2.16両国国技館
ファイティング・スピリット'93
【新日本プロレス】 (IWGPタッグ選手権)ホーク・ウォリアー、パワー・ウォリアー×トニー・ホーム、ムッシュ・ランボー/長州、藤波、馳、木戸、飯塚×天龍、阿修羅原、石川敬、冬木、北原
LIVE.209:こういう軍団抗争になると長州の躍動感はさらに際立つ。メインの10人タッグの三本勝負は三銃士を抜いても新日勢の層の厚さを実感する。2−0という結果はすっきりとしてよかったんじゃないかな。

■1993.2.28日本武道館
'93エキサイト・シリーズ
【全日本プロレス】 (世界ジュニア選手権)渕×菊池/テリー・ゴディ×秋山/小橋×ダニー・スパイビー/スタン・ハンセン×川田/(三冠ヘビー級選手権)三沢×田上
LIVE.210:大巨人追悼テンカウントに黙祷を捧げつつも、確実に時代が変わっていくことを実感する。新日=WARのタッグ戦連発に対抗するようなシングル5大決戦は、渕の非情ともいうべきバックドロップ10連発がどぎつく光る。

■1993.3.23東京体育館
ハイパーバトル'93
【新日本プロレス】 橋本×冬木/(YL杯優勝戦進出者決定戦)西村×中西/(同・優勝戦)山本広×西村/天龍、石川敬×長州、藤波
LIVE.211デビューしたときから注目の西村修が復活したヤングライオン杯で2戦を闘ったのは興味深かった。惜しくも準優勝だったが、山田も橋本も準優勝スタートだったのだから、もっとデカくなった西村の勇姿を早く見たいものだ。

■1993.4.2横浜アリーナ
オールスター・ドリームスラム
【全日本女子プロレス】 デビル雅美×長与/井上貴、井上京×キューティ鈴木、尾崎/アジャ・コング、ブル中野×ハーレー斉藤、イーグル沢井/ダイナマイト関西×堀田/北斗×神取/山田、豊田真×工藤、C豊田
LIVE.212:終了が翌日になるという未曾有の興行となり、疲れたもののプロレス興行史に残る大会を観戦出来た喜びは大きい。何といっても北斗と神取の闘いは殆ど果し合いの色合いに近く、物量ばかりが目立つ大会に強烈なインパクトを残した。これも立派なクオリティに違いない。

■1993.4.6両国国技館
マグニチュードX
【新日本プロレス】 西村×石沢/石川敬×小原/ホーク・ウォリアー、パワー・ウォリアー×蝶野、飯塚/阿修羅原、SSマシン×藤波、木戸/長州×天龍
LIVE.213:長州が天龍にドームの借りを返したという大一番であるにもかかわらず、猪木がリング上から「藤原!出て来い!」と絶叫しワルキューレの騎行が流れた瞬間に場内の空気は別次元に吹っ飛ばされた。つくづくやっかいな話かもしれない。

■1993.4.21横浜文化体育館
'93チャンピオン・カーニバル
【全日本プロレス】 井上雅×大森/田上、渕、小川×川田、小橋、菊池/(チャンピオンカーニバル優勝戦)スタン・ハンセン×三沢
LIVE.214:本日をもって「超世代軍」は発展的解散となるらしいが、彼らには超えるべく世代が居なくなってしまった。それはそれとしても彼らの頑張りがなければ全日はどうなっていたかわからない。メインの優勝戦はラリアットとエルボーの相打ちという名場面を作ったが、まだまだ不沈艦健在を感じさせる。

■1993.4.24横浜文化体育館
BATTLE DEMENTION'93 格・闘・新・次・元
【リングス】 成瀬×山本宣/ブラジアシビリ・ラマジ/グロム・ザザ/トドール・トドロフ×セルゲイ・スーセロフ/ピーター・ウラ×ディック・フライ/バート・ベイル×ハンス・ナイマン/ヴォルグ・ハン×長井
LIVE.215:前田日明は間違いなくマット界のエースだが、その肝心なエースが不在でも淡々と興行がやれてしまうのがリングスの面白いところ。オランダ勢とロシア勢に席巻されている状態だけに藤原組から参戦したベイル先生には頑張ってもらいたいものだ。

■1993.5.3福岡ドーム
レスリングどんたくin福岡ドーム
【新日本プロレス】 野上、飯塚、Eサムライ×小島、西村、山本広/小原×斉藤彰/越中、青柳、木村、小林明、グレート・カブキ×SSマシン、石川敬、阿修羅原、H斉藤、後藤達/獣神サンダーライガー×タイガーマスク/ブルータス・ビーフケーキ×マサ斎藤/スティング×スコット・ノートン/藤原×馳/ホーク・ウォリアー、パワー・ウォリアー×蝶野、橋本/ハルク・ホーガン×グレート・ムタ/A猪木、藤波×天龍、長州
LIVE.216:西の端に出現した巨大ドームで見たものはヒッグマッチではなくビッグショーだった。なので猪木と天龍が初めて相みまれるリングよりも、最もショーとして光っていたのが超人とムタの試合になったのは納得といったところか。それにしても新日本の興行力はまさにピークで、プロレスという狭い業界に団体がひしめく中で、興行のキャパシティを拡げていく努力は評価するべきではないか。

■1993.5.6日本武道館
「最強」THE FIGHT OF CHAMPIONS
【UWFインターナショナル】 バッドニューズ・アレン×高山/山崎×宮戸/田村×佐野/ビッグバン・ベイダー×中野/ゲーリー・オブライト×デニス・カズラスキー/高田×ダン・スバーン
LIVE.217:アトランタで握手して以来、皇帝戦士には特別なシンパシーを抱いているが、U系団体への転戦には大いに戸惑っている。それにしても週刊誌に焚きつけられた形で相手に中野を持ってきた団体には失望を禁じえない。最近、週刊誌の力が大きくなっていることを歓迎する向きもあるようだが、私は業界の弱体化と見る。

■1993.6.1後楽園ホール
TRY AGAIN
【藤原組】 (エキビジションスパーリング)藤原×神取/ジョン・フリン×デェシェル・バット/石川雄×カール・グレコ/バート・ベイル×マーク・アシュフォード/藤原×ジョー・マレンコ
LIVE.218:ミスター空中追悼興行だが、超満員の観客の目当てが組長と神取のスパーリングだというのも後楽園ホール''独特の現象だろうが、ある意味で神取独特の毒気が抜かれていくのが気懸かり。マレンコ道場で汗を流していたグレコが石川とどう激闘を展開するかが新生・藤原組の生命線か。

■1993.6.1日本武道館
'93スーパーパワー・シリーズ
【全日本プロレス】 G馬場、R木村、M井上×永源、渕、アブドーラ・ザ・ブッチャー/スタン・ハンセン×テリー・ゴディ/(世界タッグ選手権)川田、田上×三沢、小橋
LIVE.2''219:藤原組の後楽園終了と同時にタクシーを飛ばして武道館に来た頃にはセミの途中だった。おかげで馬場の5000試合突破の瞬間を見逃してしまった。緊迫のホールと熱狂の武道館という両極を同時間に味わうというのも貴重な体験か。

■1993.6.4後楽園ホール
スペル・エストレージャ'93
【ユニバーサルプロレス】 獅龍×愚乱浪花/ビシャノ?号×TAKAみちのく/トリオ・ロス・ブラソス×KENDO、スペル・デルフィン/(UWAミドル選手権試合)グラン浜田×ビシャノ?号/ドス・カラス×ザ・グレート・サスケ
LIVE.220:初めてのユニバ観戦で、いきなり新間寿が解散宣言を出したのにはたまげた。インデペンデントの中でもルチャリブレに特化していることで悪印象はなかったので残念。さすがに専門店だけあって空中戦は華やか

■1993.6.6大和車体工業体育館
エクスプロージョンツアー'93
【新日本プロレス】 ペガサス・キッド×ディーン・マレンコ/ディーブ・フィンレイ×スコーピオン/エディ・ゲレロ×Eサムライ/越中、斎藤彰、木村健、グレート・カブキ×武藤、橋本、馳、小原
LIVE.221:大和車体工業体育館はプロレス観戦の原点のような会場だが、噂の「新日の地方は最悪」というのを確認しに来た。ジュニアの祭典でライダー×折原が両者欠場で流れたのは残念だったが、カブキに対抗心剥き出しの武藤が面白く、軍団抗争が熱い中でそれなりに熱気はあった。

■1993.6.11後楽園ホール
ジャパン・グランプリ'93
【全日本女子プロレス】 (全日本ジュニア決定戦)沼田×渡辺真/北斗×紅夜叉/長谷川×山田/井上京×福岡
LIVE.222:長谷川が山田に勝った試合や北斗が紅を2分で仕留めた試合に、ホール独特の凝縮したムードに巧く溶け込もうとする全女のエスプリを感じた。中には稚拙な試合もあったが、それは男子プロにもあること。

■1993.6.15日本武道館
超実力派宣言?
【新日本プロレス】 (IWGPヘビー級選手権)グレート・ムタ×グレート・カブキ/(5対5イリミネーションタッブマッチ)長州、藤波、馳、橋本、蝶野×天龍、阿修羅原、石川敬、後藤達、SSマシン
LIVE.223:今回も新日は武道館という空間を手の内に入れられなかったという印象。ムタに対してペイントヒールの先輩振りを発揮したカブキの強さは特筆ものだったが、本来なら大歓声の呼び水となる5対5イリミネーションもフルメンバーの新日軍と混成の天龍軍とは力が合わずにスウィングしなかった。結局は明後日の前哨戦か。

■1993.6.17日本武道館
革命陽上THE FIRST ANNIVERASRY OF REVOLUTION
【WAR】 ウルティモ・ドラゴン×保永/石川敬×青柳/馳×冬木/蝶野×北原/グレートムタ×阿修羅原/天龍×橋本
LIVE.224:一昨日とほぼ同じメンバーでカードもいいのだが、客の入りでは及ばなかったのは興行力の差というものか。メインは上半期最後の大一番らしい重厚な闘いとなったが、ジャンピングDDTを喉輪落としで返したり、浴びせ蹴りまで放つ天龍のがむしゃらぶりが橋本の若さを上回ったか。

■1993.6.25後楽園ホール
反選手会同盟主催興行 “侍魂”サムライ・スピリット
【新日本プロレス】 (ノーレフェリーデスマッチ)北原×小林邦/(綱引きマッチ)阿修羅原×斎藤彰/SSマシン×青柳/木村健×H斉藤/石川敬×越中
LIVE.225:反選手会同盟主催は大盛況も、WAR&レイジングスタッフの混成軍に勝ち星で及ばず。妙な責任を感じていたのか小じんまりとしたファイトに終始したあたりは彼らの人のよさが出ているようだ。

■1993.7.14札幌中島体育センター
'93サマー・ストラグルSAPPORO DOUBLE IMPACT
【新日本プロレス】 獣神ライガー×Eサムライ/タイガーマスク×保永/蝶野、藤波×藤原、木戸/(IWGPタッグ選手権)ホーク・ウォリアー、パワー・ウォリアー×蝶野、橋本
LIVE.226:北海道南西沖地震から2日後に札幌まで来てしまった。大会名の通りにヘルレイザーズが主役なので私の好みのカードには乏しかったが、何といっても「北の聖地」であるサッポロナカジマに足を踏み入れた感慨は大きい。

■1993.7.15札幌中島体育センター
'93サマー・ストラグルSAPPORO DOUBLE IMPACT
【新日本プロレス】 越中×石川敬/橋本×グレート・カブキ/武藤×ブラッド・アームストロング/ホーク・ウォリアー、パワー・ウォリアー×スコット・ノートン、ヘラクレス・ヘルナンデス/藤波、蝶野×天龍、阿修羅原
LIVE.227:長州欠場が刺激となったか、タイガーの肩車式フランケンシュタイナーといい、越中の執念といい、蝶野のSTFをアシストした藤波の膝爆弾といい、昨日とはガラリと違う中身の濃さが札幌中島を席巻し、ラーメンを食いまくって胃がもたれる身に渇を入れられた思いだ。

■1993.7.18両国国技館
プロレスリング世界ヘビー級選手権試合
【UWFインターナショナル】 バッドニューズ・アレン×高山/山崎×安生/田村×中野/ゲーリー・オブライト×マーク・シルバー/(世界ヘビー級選手権)高田×サルマン・ハシミコフ
LIVE.228:かつてUWFの会場アンケートで「UWFに参加させたい選手は」という問いに迷わずハシミコフの名前を書いた記憶がある。それだけ当時はソ連レッドブル軍団のインパクトはすごかったのだ。あれから4年。高田が強くなったのかはわからないが、ここまで盛り上がりに欠けるとは思わなかった。やはり初参戦からチャンピオンシップに挑む前にUWFの何たるかをハシミコフに熟知させるべきだろう。

■1993.7.29日本武道館
'93サマーアクション・シリーズ
【全日本プロレス】 ザ・デストロイヤー、G馬場、カート・ベイヤー×渕、永源、井上/スタン・ハンセン×小橋/(三冠ヘビー級選手権)三沢×川田
LIVE.229:「白覆面の魔王」の引退試合終了後に家族がリングに上がり「あの鐘を鳴らすのはあなた」が流れたときに目頭が熱くなったが、今夜はハンセンと小橋の激闘に尽きるだろう。直に観た全日の試合でも1、2を争う激闘だった。惜敗なのだが玉砕というイメージが凄い。全日でのベストマッチは圧倒的にハンセン絡みが多い。

■1993.8.2両国国技館
G1 CLIMAX
【新日本プロレス】 SSマシン×青柳/武藤、馳、野上×グレート・カブキ、小林邦、斎藤彰/木村健、越中×藤原、木戸/天龍、阿修羅原、石川敬×藤波、橋本、蝶野
LIVE.230:全10試合中、シングルが2試合だけとはG1の原点よ何処に行った?という感じだ。両国7日間は快挙だが、そのこと自体が目的になってはいないか。前夜祭はどこか地方でやればいいのだ。

■1993.8.3両国国技館
G1 CLIMAX
【新日本プロレス】 ホーク・ウォリアー、パワー・ウォリアー×ブライアン・ノッブス、ジェリー・サッグス/藤原×斎藤彰/ワイルド・ペガサス×タイガーマスク/SSマシン×越中/蝶野×阿修羅原/馳×橋本
LIVE.231:トーナメントの是非はともかく、やはりシングルマッチこそ新日のエスプリだ。それにしても馳のコンディションの良さが橋本を上回っていたのは波乱といえるのかわからないが、ここで橋本がG1戦線から離脱してしまったのは痛すぎる。

■1993.8.4両国国技館
G1 CLIMAX
【新日本プロレス】 獣神サンダーライガー×大谷/ホーク・ウォリアー、パワー・ウォリアー×天龍、阿修羅原/木村健×小原/木戸×石川敬/武藤×グレート・カブキ/藤波×藤原
LIVE.232:地獄葬戦士に初めて根っこの強さを感じた。やはり天龍たちとの対抗戦が始まった時点で健介がヘルレイザーズになってしまったのは悔やまれるべきことだ。藤波と藤原の試合はものすごく面白かったのだが、地味な展開にブーイングを飛ばした観客の反応には失望した。これが時代というものなのか。

■1993.8.6両国国技館
G1 CLIMAX
【新日本プロレス】 大谷×エル・エンヘンドロ/スコット・ノートン、ヘラクレス・ヘルナンデス×M斎藤、中西/木村健、越中、グレート・カブキ×SSマシン、石川敬、H斉藤/(G1トーナメント準決勝)藤波×武藤/馳×蝶野
LIVE.233:藤波と武藤は24分という時間を忘れさせる好勝負だった。とくにグランドレスリングにもセンスを見せた武藤の懐の深さが光る。馳の裏STFにはたまげたが、これで橋本、蝶野を破って、間違いなく今回のG1の台風の目になった。

■1993.8.7両国国技館
G1 CLIMAX
【新日本プロレス】 永田、高岩×平井、奈良岡/飯塚、小島×北原、伊藤/Eサムライ×大谷/(G1トーナメント決勝)藤波×馳
LIVE.234:藤波が馳に仕掛けたサソリ固めには「掟破りの逆サソリだぁ!!」という古館伊知郎の絶叫が蘇るくらいに幾多の名場面を作ってきたが、今回は「チョーシュー!」という絶叫つきだっただけに感慨も深い。結果的には藤波戴冠に終わったが、だからといって時代が逆流したわけでもなく、馳の躍進も特筆すべきだろう。

■1993.8.8両国国技館
G1 CLIMAX
【新日本プロレス】 (IWGPジュニアヘビー選手権)獣神サンダーライガー×ワイルドペガサス/(同タッグ選手権)スコット・ノートン、ヘラクレス・ヘルナンデス×ホーク・ウォリアー、パワー・ウォリアー/馳×藤原/天龍×橋本
LIVE.235:今回のG1に対する評価が厳しいようだが、トーナメントの公式戦に凡戦はなかった。問題はやはり主眼が国技館で7連続興行をやることに終始し、トーナメントによって会を重ねるごとに離脱者を生み、いたずらに消化試合を量産してしまったことだろう。そんな中で天龍×橋本を組む必然性にも乏しく、総花的な興行になってしまった。ナスティボーイズにベルトを奪われたヘルレイザーズも最後にミソをつけてしまったようだ。

■1993.8.13日本武道館
THE FIGHT OF CHAMPIONS
【UWFインターナショナル】 垣原×バッドニュース・アレン/ゲーリー・オブライト、ダン・スバーン×高田、田村/スーパー・ベイダー×山崎
LIVE.236:山崎の復活が望まれて久しい。最近ではUインターの噛ませ犬的存在に甘んじている。今夜のベイダー戦など典型なのかも知れないが、「山ちゃん、頑張ったぞ!」などという声援は山崎に失礼ではないかと思いたい。

■1993.8.15後楽園ホール
ローリング・サマー'93
【JWP】 C鈴木×C奥津/プラム麻里子×KAORU/デビル雅美×福岡/D関西、Cボリショイ×尾崎、外山
LIVE.237:正直言ってデビルと関西以外に観るべきものはなかった。全女が体育会ならJWPはサークルだという例えに頷いてしまった。

■1993.8.25日本武道館
武道館女王伝説
【全日本女子プロレス】 井上貴×C鈴木/山田、伊藤×工藤、鍋野/神取×井上京/北斗×風間/(WWWA世界選手権)アジャ・コング×D関西
LIVE.238:クオリティ&クオンティティで充実した横浜大会の形骸だけが残ってしまった女子プロの祭典だった。メインのアジャと関西よりも、神取が京子を腹固めに仕留めた鮮やかさだけが印象に残る。

■1993.8.29後楽園ホール
華激乱舞−新たなる出発(たびだち)
【LLPW】 ブル中野、下田×紅、風間/(LLPW王座決定戦準決勝)イーグル沢井×立野/神取×ハーレー斉藤/(同・決勝戦)神取×E沢井
LIVE.239:JWPに続いてLLPWの単独興行を観たが、やはり全女のレベルとは比べるべくもない気がした。とくに神取が対抗戦のみでしか光れないことがハーレーとイーグルとの連戦で露呈してしまったようだ。

■1993.9.3日本武道館
'93サマーアクション・シリーズ?
【全日本プロレス】 小橋×パトリオット/(世界タッグ選手権)スタン・ハンセン、テッド・デビアス×川田、田上/(三冠選手権)三沢×スティーブン・ウィリアムス
LIVE.240:名コンビを復活させたハンセン組には隙がなく、正直いうと聖鬼軍が勝てるイメージが湧かなかった。私は井上元編集長と同様に殺人医師最強論者ではあるのだが、それを破った三沢に今ひとつ強さを感じることが出来ないので困ってしまうのだ。

■1993.9.5後楽園ホール
全女超旋風
【全日本プロレス】 C奥津×白鳥/ブル中野×渡辺智/北斗×ぬまっち/(UWA女子タッグ選手権)堀田、井上貴×北斗、みなみ
LIVE.241:僅か7秒でぬまっちを仕留めて、メインまで張る北斗がカリスマめいてきた。この2週間でJWP、LLPW、全女とそれぞれの後楽園大会を観てきたが、やはり全女にクオリティを感じてしまうのは、「私たち全員で団体を盛り上げよう」という空気に対して、全女には「私だけが天下を取ってやる」という情念のためだろう。

■1993.9.12幕張メッセイベントホール
WINING WAR'93
【WAR】 折原×大谷/後藤、SSマシン×ビッグジョン・テンタ、キング・ハク/馳×冬木/ミル・マスカラス、ウルティモ・ドラゴン×獣神サンダーライガー、エル・サムライ/天龍×蝶野
LIVE.242:仮面貴族の登場は季節遅れのお中元みたいなものだったが、ポスターの通り蝶野が「新日の刺客」に過ぎないのなら、天龍との対決は所詮WARの興行に埋没するだけのものであり、橋本戦のようにマット界に一石を投じるような闘いではなかった。蝶野よ、一年前の雄姿を思い出せ!

■1993.9.21東京ベイNKホール
DEBUT!「YES、WE ARE HYBRID WRESLERS」
【パンクラス】 鈴木×稲垣/バス・ルッテン×柳澤/富宅×ヴァーノン"タイガー"ホワイト/ウェイン・シャムロック×船木
LIVE.243:船木と鈴木には新日前座時代からの特別な思い入れがある。だから藤原組脱退の答えをこの新団体の旗上げ戦で見てやるつもりだった。ルール改正と全試合時間の合計が13分5秒という結果。そして何よりも彼らの改造した肉体に途惑いながらも、その答えを見た。

■1993.9.23横浜アリーナ
GI CLIMAX SPECIAL バトル・フィールド横浜
【新日本プロレス】 (IWGPジュニア選手権)獣神サンダーライガー×折原/橋本×ジェイク・ロバーツ/ハルク・ホーガン、グレート・ムタ×ホーク・ウォリアー、パワー・ウォリアー/天龍×馳
LIVE.244:夢のタッグ対決終了後に超人が猪木を挑発するサービスが嬉しい気もしたが、やはり臆することなく気合満点で天龍の牙城に挑んだ馳は立派だった。やはり興行の良し悪しはメインで決まることを痛感した。

■1993.9.26大阪城ホール
GI CLIMAX SPECIAL バトル・フィールド大阪
【新日本プロレス】 折原×タイガーマスク/ブラックタイガー×獣神サンダーライガー/蝶野×藤原/橋本×馳/ハルク・ホーガン×武藤/藤波×天龍
LIVE.245:大阪城ホールが1万6千人で新記録札止めだったというが、このカードならば当然か。おそらく藤波が天龍に勝つだろうと思って新幹線に揺られていたが、決まり技まで予想した通りだと少々辛いものはあった。

■1993.9.29愛知県体育館
名古屋超旋風
【全日本女子プロレス】 (全日本ジュニア選手権)遠藤×ぬまっち/(同タッグ選手権)長谷川、伊藤×レオ北村、二上/ブル中野×立野/井上貴×紅夜叉/神取×堀田
LIVE.246:とうとう女子プロを観に名古屋まで車を飛ばしてしまった。結局、今年のエポックメイキングである女子の団体対抗戦は神取と北斗絡み以外は面白くないということがよくわかった。堀田は強いが、神取の土俵で試合をやりすぎたようだ。

■1993.10.9東京ベイNKホール
レッスル・マリンピアード'93
【全日本女子プロレス】 ブル中野、レジー・ベネット×みなみ、堀田/神取、紅×井上貴、長谷川/井上京×デビル雅美/豊田×尾崎/D関西×山田/アジャ・コング×北斗
LIVE.247:去年までの全女最大イベントも今年はビッグマッチの連続に煽られて今ひとつの興行となってしまった。理由はいろいろあるが、選手権を拒否するまで満身創痍の北斗を酷使しすぎたからだろう。個人的には京子とデビルの一戦に期待していたのだが。

■1993.10.23日本武道館
'93ジャイアント・シリーズ
【全日本プロレス】 J鶴田、G馬場、R木村×永源、渕、泉田/テッド・デビアス×秋山/川田×小橋/(三冠選手権試合)三沢×スタン・ハンセン
LIVE.248:鶴田の復帰や鉄の爪フリッツの挨拶など注目度が高かったとはいえ、ダフ屋から3倍の値段で切符を買ってしまった。昔、ダフ屋から散々割引で買っていたツケなのかもしれない。観客は不沈艦のアクシデントによって消化不良ぎみだったようだが、セミの激闘で満足すべきなのではないか。

■1993.10.28後楽園ホール
撹乱!KA・KU・RAN
【FMW】 ザ・グレート・サスケ×バトレンジャー/前泊×C土屋/ビッグ・タイトン×戸井/(ノーロープ有刺鉄線ストリートファイト・トルネード6人タッグ鉄柵監禁サバイバルデスマッチ)ポーゴ、松永、保坂×大仁田、雁之介、S浅子
LIVE.249:久々のFMWで、相変わらずのFMWだった。ここのリングは殺伐さはあっても殺気が感じられない。それにしてもミスター珍の独演会には参りました。

■1993.11.8神戸ワールド記念ホール
「YES、WE ARE HYBRID WRESLERS」
【パンクラス】 稲垣×ヴァーノン“タイガー”ホワイト/柳澤×アンドレ・フォン・デ・ウットラー/ウェイン・シャムロック×富宅/船木×キース・ベイゼムス/モーリス・スミス×鈴木
LIVE.250:やはり無謀なルールで負けるとわかっていても、鈴木の4年越しのリベンジに賭ける思いは見届けるべきと神戸まで来てしまったが、強気一辺倒の男が惨敗する姿を目の当たりにするのは辛いものがある。

■1993.11.9駒沢公園体育館
女極限〜火花散る生きざま
【LLPW】 E沢井、H斉藤、立野、紅、遠藤×堀田、みなみ、三田、下田、ぬまっち/神取、穂積×ブル中野、井上貴/北斗×風間
LIVE.251:LLと対戦するときの全女の面々の高飛車ぶりはある意味で爽快で、今回はそれがモロに出て面白い興行となった。敗者髪切りマッチの後味の悪さもある意味ではカタルシスであるといえる。それにしても神取とブルの絡みは来年への抜群の伏線となった。

■1993.11.18両国国技館
BATTLE DEMENTION TONAMENT'93
【リングス】 ビターゼ・タリエル×ディック・フライ/ニコライ・ズーエフ×ヴォルグ・ハン/クリス・ドールマン×ウィリー・ピーターズ/前田×ヘルマン・レンティング
LIVE.252:正道会館の台頭、前田の長期欠場で必ずしも順風とは行かなかったリングスマットだったが、ハンの試合がある限りこの団体の楽しみは続く。と、思った矢先にハンがトーナメントから脱落してしまった。なんだかなぁ。

■1993.12.3日本武道館
'93世界最強タッグ決定リーグ戦
【全日本プロレス】 スタン・ハンセン、G馬場×スティーブ・ウィリアムス、ビッグ・ブーバー/三沢、小橋×田上、川田
LIVE.253:何だかんだいっても武道館の「最強ダッグ最終戦」は年末を報せる風物詩となっているが、闘いの密度の点ではここ数年で一番濃かったのではないだろうか。今さらハンセン、馬場組が優勝してはいけない気もしつつ、例によって最後に星が合ってしまって決定戦なしで三沢組の優勝となってホッとしたような物足りなかったような。

■1993.12.5神宮球場
プロレスリング世界ヘビー級選手権試合
【UWFインターナショナル】 垣原×中野龍/田村×デュラン・カズラスキー/サルマン・ハシミコフ、ウラジミール・ベルコビッチ×ゲーリー・オブライト、ダン・スバーン/(プロレスリング世界ヘビー級選手権)高田×スーパー・ベイダー
LIVE.254:冬の寒空の下、超満員の神宮で緊張感という点では今年白眉の一戦だった。ベイダーのグランドでの打撃は強烈だったが、それに耐えて腕ひしぎに切って落とした高田をそろそろトップスターとして認めなくてはならないだろう。

■1993.12.6両国国技館
国技館超女伝説 St.FINAL
【全日本女子プロレス】 (WWWA選手権)アジャ・コング×工藤/(同タッグ戦手権)山田、豊田×D関西、尾崎/神取×北斗
LIVE.255:4月の横浜以降、北斗と神取の闘いは大河ドラマのようでもあり、男女の区別なく今年のマット界のど真ん中を突っ走った。北斗の今後を気にかけつつも今夜のベストマッチはアジャと工藤の最近は珍しくなったクラシカルな闘いに止めを刺す。個人的にベストバウト候補にしたい。

■1993.12.8国際見本市場会場ドーム館
抗争激闘!!軍団全面対抗戦
【FMW】 ブル中野×C豊田/ザ・グレート・サスケ×ダミアン/工藤×井上貴/サブゥ、ザ・シーク×ドクター・ルーサー、ドクター・ハンニバル/ミスター・ポーゴ×T後藤/(ノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ)大仁田×松永
LIVE.256:年末だというのに正月のおせち料理のようなカードを並べて、派手な舞台演出でパワーを誇示した大仁田FMWには、本質な部分で汐留への回帰は不可能に違いないと思った。それにしても寒風吹きすさぶ中でひな段もない会場はこれで勘弁だ。

■1993.12.15両国国技館
天龍源一郎 格闘技生活30周年記念大会 −革命−
【WAR】 ウルティモ・ドラゴン×アトランティス/阿修羅原、維新力×キング・ハク、折原/馳×北原/冬木、SSマシン×越中、後藤/天龍×藤波
LIVE.257:北の湖を上手投げで転がす天龍の相撲時代のVTRには驚いたが、まともに脳天から叩き落したパワーボムにはもっと驚かされた。天龍と藤波の闘いは名勝負の予感がする直前に呆気なく勝負がついてしまう感じがする。
                                                        

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