■2008.12

日めくり 2008年12月(平成20年)

2008.12.01 師走ませり

とうとう今年もあとひと月。
子供の頃、「もろびとこぞりて」の“主は来ませり”を
ずっと“師走ませり”だと思っていた。
しかし職場が変っても「仕事納めは何日にする?」という話は変らない。
以前は自分が勝手に決めていたのだけど。


2008.12.02 当たれ!宝くじ

昔、憂歌団でそんな歌がありました。
中島みゆきも当たるはずはないと言いながらも、一等賞をもらった店で買うと歌う。
行列を作っている池袋東口の売場で年末ジャンボを買う。
よく当たりを出す売場ほど外れくじも大量に出していはいるのだろうけど。


2008.12.03 夢の中へ

紛失したまま気になっていた前職場の交通費の清算を残したSuicaカード。
気持ち悪いのでようやく1000円払って再発行。
そして帰宅した途端にSuicaカードがクローゼットから見つかった(泣)
「♪探しものやめたとき 見つかることも よくある話で」
まったくその通りだ。こんなことはこれからの人生で何度も起きるのだろうか。
ゴミ出しで夜空を見上げたらオリオン座が綺麗に浮かんでた。


2008.12.04 東京メトロ境界線

覚えなければならない仕事はまだまだ多い。
だから、今一番夢中なのは「仕事」であるとはいえる。
「仕事は仕事」「プライベートはプライベート」という割り切りも今の仕事のうちか。
思えば仕事を持ち帰って、夜なべで仕上げたときの翌日の出勤は楽しかった。
それにしてもこの一週間、朝のダイヤが乱れっぱなし。
何とか割り切ろうと頑張っているのだから、その境目で滞ってほしくないのだ。


2008.12.05 はしご酒

池袋で1時間、高田馬場で3時間。
別々の飲み会が重なって変則ダブルヘッダーみたいになってしまった。
旧知の友人たちとの飲み会には共通言語があるのが楽しい。
今を語れば語るほど昔話になっていく。
四半世紀という時の流れなど、大したことではないような気がする。
大衆酒場だろうが、安酒だろうが、「乾杯!」の掛け声には高揚感がある。


2008.12.06 レッドカード

週末はK−1とM−1で過ごすことになる。
K−1優勝戦もとうとう東京ドームから下方修正したか?横浜アリーナへ。
もうアーツやバンナでもないだろうと思いながら、ついオッサンは見守ってしまう。
久々に良いテンションで進行したK−1の中継を観ながら、
新横浜に行くべきだったかと軽く後悔する。
バタ・ハリの反則ストンピングでレミー・ボンヤスキーが優勝。
…行かなくて正解だっと安堵した(トホホ)


2008.12.07 表現

若者たちが自分たちを表現しようとする場として、
小劇場であったりバンドであったりした時代があったように、
今はお笑いがその受け皿を担っているように思う。
「M−1グランプリ・セミファイナル」のステージを観ていて、
こいつなら昔は8mm撮っていたのではないか、
テントで芝居をしていたのではないか、
バンドを組んでイカ天にでも出ていたのではないかと思える若手芸人もいる。
間違いなく彼らは真剣に自分たちを表現しようと頑張っていた。
問題は、頑張っているという姿をどう消していくかがお笑い芸人としての勝負だろう。
いとしこいし、やすしきよし、好江桂子なんて頑張っているようには見えなかった。


2008.12.08 都会

午後7時渋谷。煙草を吸うため地上に出る。
喫煙所から眺めるスクランブル交差点。
ビルに貼り付けられた巨大モニターが反射する光のせいか、
6方向から行き交う膨大な人の流れがスローモーションに見える。
たった1本のハイライトを吸い終わるまでのBGV。
何故か観客席にいるような気分がした。


2008.12.09 

12月の雨は冷たい。
そろそろ冷えにも慣れようかという体にも冷たい。
駅からアパートまでのほんの5分の道のりで赤提灯に吸い込まれ、
串焼きを数本と焼酎を注文する。
今、リストラ、派遣切りと凄まじい大波が相次ぐ中で、
雀の涙ばかりの交付金の丸投げやら内閣支持率が20%やらが話題となって、
結局、話が政局に帰結していく。
赤字国債だ、デフレだ、ハードランディングだセーフティネットだと大騒ぎだった
平成不況の頃の方がまだ建設的だった気がするから恐ろしい。
まったく「未曾有」の読み方なんてどうでもいいじゃないか。
砂肝を串から食いちぎりながら人恋しくなる。
いよいよ12月の雨は冷たい。


2008.12.10 バカタレ集団

最初に勤めていた会社の連中と忘年会をやってきた。
洋画メーカーに転職した者、音楽業界に転職した者、
映像ディレクターに転身した者、会社に留まって役職に着いている者。
何だかんだいいながら皆、業界から抜け出していないから笑ってしまう。
とにかく四十路半ば過ぎのおっちゃんたちも一緒にバブリーな二十代を過ごした仲間で、
それこそ男子中学生かと思えるバカ話が連発する。
お互いの恥を知っているので遠慮がない。
多分、年に一回だけのタイムスリップを全員が必要としているのだろう。


2008.12.11 冬は強気

昨日、今日と暖かい日が続き、
なるべくコートを着ない身としては有り難い限り。
そもそも通勤で徒歩時間が極端に少ないのでコートなど要らないのだ。
逆に電車内での着膨れラッシュには閉口している。
そもそも冬空を歩く恰好でいるのだから、車内に暖房などは要らないではないか。
コートにマフラーを巻き、パッチも履いてるなんて話を聞くとせせら笑いたくなる。
冬がもう少し深くなり、コートを着ないと恥ずかしいくらいになるまでコートは着ない。
そのかわり、夏になると死んだようになるのだ。


2008.12.12 「変」

毎年恒例の「今年の漢字」は“変”。
笑ってしまう、これ自分が思っていたのと同じだった。
もちろん個人的なこと。なによりも職が変った。
タイガースが大量ゲーム差をひっくり返されたのも、
82勝貯金23で監督が辞任に追い込まれたのも十分に変。
ある意味では“失”の方が相応しかった気もするが、
幸い新たな職場にありつけたのだから失ったのではなく、変わったのだと
…そう思っている(笑)。


2008.12.13 急流

「懐かしい」という感覚はある時期までの話で、
高校生の時に十年前のことを懐かしんでいた事柄だけが
今でも私にとっての「懐かしい」ものであり、
それ以降の話は憶えているか、忘れちまったかのふたつでしかない。
それにしても友人たちの子供があっという間に高校生になっているので驚く。
どの段階で時が急に流れていったのだろうか。


2008.12.14 ♪雨がしとしと日曜日

ほぼ終日の雨で一気に冷えた。
先日「冬は強気」などと書いたばかりなのに、石油ファンヒーターを出動。
しかし残っていたと思っていた灯油がない。
雨の中、ポリタンクを持ち、ベンチコートを羽織ってスタンドへ。
アパートの玄関前に水溜りが出来ている。
先日、業者がペンキを塗り替えてから水捌けが異常に悪い。
この冬、この水溜りが凍ったら、一度は必ずコケる気がする。
ところが今度はポンプが電池切れで動かない。舌打ちしつつコンビニへ。
私が好きなすべての人たちへ。風邪などひかないように。


2008.12.15 静電気

体に無駄な電気を蓄えているのか、
事務所のドア、エレベーターのボタンでやたらと“ビリッ”とくる。
あんなもの大して痛いわけでもなんでもないのだが、
「来るぞ来るぞ…ビリッと来るぞ」と思うと結構ひびります。
先日は“ビリッ”と来た途端、反射的に手を上げたら肩が“ズキッ”
「うっ!」「あっ痛っ!」…なんとも情けない限り。
今、自分の体の中で成長しているものってあるのか。


2008.12.16 無頼

♪やくざの胸は何故にさびしい〜流浪の果ての虫けらに〜
CS放送で渡哲也の『大幹部無頼』をやっていた。
大学時代にオールナイトで観て、朝には歌舞伎町のゴミ箱をつつくカラスを蹴散らして、
もう気分はすっかり人斬り五郎に出来上がっていた。
それにしても渡哲也の徹底的なカッコ良さはどうしたものだろうか。
誰が何といおうと体制側のヒーローではなく、アウトローこそが渡哲也だ。
ドブの中で黒匕首を振り回しての殺し合いの場面。
土手の上では部活の女子バレー部員がボールを追いかけている。
監督はこれがデビューの小澤啓一。もう燃えに燃えて全編が名場面と名台詞。
数年前にパーティで黒木瞳や渡瀬恒彦をそっちのけで、
小澤監督に記念写真をお願いして、周囲を苦笑させたこともありました。
やっぱり映画はいいよな〜。


2008.12.17 水たまり

ぽつり、ぽつりと雨が降る
アスファルトが黒く濡れていく、まるで映画のような雨。
ジャケットの襟を立て、背中を丸めて帰途へ急ぐ。
これが雪にならないのは、まだ冬が緩いということか。
水たまりに聖夜のイルミネーションが揺れている。


2008.12.18 堂々めぐり

学校を出てから、ずっとこの業界にいるのだが、
その中で風上から風下まで、いくつかの業態を経験してきた。
ある社長さんと何度目かの名刺交換を苦笑いのうちに交わす。
向こうががお客さんだったり、こちらがお客さんだったり、商売敵になったり。
商売はお金を払う側が当然、上位概念にあるのだが、業態が変れば役割も立場も変る。
こうして小さなパイの中で四半世紀を泳いでいる。


2008.12.19 職場泊

夕べは職場主催の忘年会で加盟メーカーさんたちと3次会まで飲み、
泥酔状態の上司を抱えて、タクシーで事務所に戻ってざこ寝になった。
以前は会社泊など嫌というほどやってきたが、
今はそういうことを前提としていない職場なので、
最初から仮眠用のソファなどなく、鞄を枕にコートを引き寄せながら固い床に丸まった。
いやはや寒いわ、体が痛いわで熟睡にはほど遠く散々だったが、
なんとか居眠りせずに一日を乗り切れたのは自分だけ。
自慢ではないが、会社泊の年季が違うのだ。


2008.12.20 乗る

田舎から塩引きの鮭が届いたという連絡に釣られて、
実家の車を借りてアパートまで運ぶことになった。
以前は一年で車の運転をしない日が5日もなかったのだが、
今は運転する日が5日あるかどうかだ。
高齢運転者マークを外そうと思ったが、そのままにしておいた。
いつまでも父親に運転させてるわけにもいかないだろうな。


2008.12.21 夜っ引く

休日の昼間は爆睡してしまうと、
つい夜っ引いてしまう。
しかし朝までせっせと書き物をする癖だけは直らない。
以前は仕事の原稿や会議資料などとも被っていたことを思うと、
自分の好きなものにすべての時間を費やせるのは嬉しい。
さあて、明日は睡魔とのS−1グランプリを闘う。


2008.12.22 リカバリー

朝っぱらまで長々と書いたブログ記事が消えてしまった。
「M−1」について書いたものだが、帰りしな携帯で編集し直したのが原因。
何事もバックアップということをしない性質なのが祟ってしまっう。
まあ、別に大層なことを書いたわけでもないので消えてしまったのは仕方ないとして、
この機会に勉強しとこうと思い、リカバリーソフトをダウンロードして奮闘中。
原稿書きに削った睡眠時間は、その後に爆睡すればリカバリーできるのだが…(とほほ)


2008.12.23 天皇誕生日

天皇陛下がお倒れになられたとき、報道された過密スケジュールには驚かされた。
国事行為、各国の使節団との会談、宮中祭祀などのご公務は多岐に渡り、
場合によっては被災地のお見舞いや海外公式訪問なども入ってくる。
国事行為に関する書類に署名、捺印された件数は1年間で1000件を優に超えたという。
天皇制に対してとやかく議論する向きもあるが、
国の内外に対してこれほど身を削られている日本人など他にいるものかどうか。
54歳の安倍晋三、3歳年下の福田康夫のように逃げるわけにはいかないのだ。
天皇陛下75歳のお誕生日に思う。


2008.12.24 いい加減に聖夜!

今思えば政局がトップニュースになっていた時は平和だった。
景気は「気」などと呑気なことはとてもいっていられない。
とにかく連日、大企業の赤字決算やら大量解雇、派遣切りなどのニュース。
そんなニュースがTV画面からではなく、友人から携帯メールで飛び込んでくる。
この不況自体はアメリカのサブプライム問題を発端としているのかもしれないが、
根っこはアメリカ型資本スタイルの導入で、日本的雇用がズタズタにされていたこと。
これ以上、50州1特別区分の建前と偽善に食い物にされるのは真っ平御免だ。


2008.12.25 生欠伸

毎朝、6時半に中島みゆきの素っ頓狂な着ボイスが鳴る。
「おはよ〜朝ですよ〜おはよ〜早く起きてくださいぃぃ〜」
どうも先週の会社泊以来、飛び石連休などを挟み睡眠のバランスが宜しくない。
休日は昼までドカ寝してしまうのでその夜は眠れず、
睡眠不足のまま生あくびをこらえながら仕事して、祝日にはドカ寝。
また眠れなくなって翌日は……。
中島みゆきのコールを毎朝違うコンディションで聞いている。
早く調整しなければ思いつつ、もう仕事納めまであと二日。
こんな調子がしばらくの間、続くことになるのか。


2008.12.26 飯島愛

かつてレンタルビデオ屋を始めた90年代前半。
飯島愛の人気は「飛ぶ鳥を落とす勢い」なんてものではなかった。
VHS一本で100回以上は回転していたかもしれない。
1タイトルに複数本の陳列をしなければとても間に合わなかった。
彼女のおかでスピルバーグやシュワちゃんの映画を大量に並べることが出来た。
36年の人生を全力疾走で駆け抜けた飯島愛。
街中が賑うイブの夜に、たったひとりぼっちで見つかった彼女を悼む。


2008.12.27 御用納め

缶ビールにカワキモノで仕事納め。
昼間から酒を飲んだあとに新宿三丁目あたりをそぞろ歩くと、
まるで昼日中に呼ばれた披露宴帰りのような気分になる。
さて明日から8日間の休みに突入する。
もう寝正月にすることに決めた。
今まではジタバタした挙句、結局、寝正月になってしまっていたので、
最初からそうすると決めてしまったほうが有意義な休みになるような気がする。
正しい寝正月を決め込むために体調には気をつけなければ。


2008.12.28 空爆

クリスマスシーズンが終わった途端にイスラエルがガザ地区を空爆。
300人近い死者を出したわけだが、この場合はテロという蔑称は用いられることはない。
そもそも無知ゆえにユダヤ教とキリスト教との違いが良く解らない。
考えてみれば当たり前のことではあるのだが、
今回のことでユダヤ人はクリスマスを祝わないことだけは良く解った。
それにしても、これだけの規模の死者を出しても報道の扱いが軽すぎる。
例によってライス米国務長官はまずハマスを非難し、一般市民の犠牲には注意を促す。
世界情勢の中でアラブ人の血は特別薄いと思っているに違いない。
9.11だけを特別にしてしまう偽善は何とかならないものか。


2008.12.29 惰惰惰

寝正月だと開き直って、
単純に昼夜逆転生活に突入するかと思いきや、
どうやらそうでもないらしい。
何時に眠くなって、何時に目が覚めるのかわからない状態。
CSの討論番組を流しながら、世情に目を向けては腹を立て、
見通しのつかない将来に漠とした不安を感じつつも、
食ったあとは直ぐに寝てはダメだと思いながら、そこで頑張れない。頑張らない。
「喜怒哀楽」ならぬ「怒哀楽楽」といった年の瀬か。


2008.12.30 スパイス効かせて

昨日のこと。フライパンだけを使う手抜きカレーを作る。
玉ねぎを炒め、挽肉に火を通して、フレーク状のカレー・ルーをぶち込む。
ホールトマトをひと缶使ったあとは、適当にインスタントコーヒーなどををふりかけて、
最後に目玉焼きを乗せてお終い。一気に6人前ほど作ってしまう。
当然、昨晩はカレー、今日の昼飯もカレー、晩飯もカレー。明日の昼はカレーうどんか。
年越しそばを茹でるまでカレーが続く。
なんか人生がB級なんだよな…。


2008.12.31 本年終了

総合系にK−1ルールでバタバタとKOされるK−1ファイターたち。
なんじゃ?お前らは!とぶつくさ言いながら長葱を刻み始める。
今夜は中村大介VS所英男に止めを刺そうか。
下柳はショッカーを従えて入場。普段の照れ屋キャラは多分ギミックだ。
桜庭和志と田村潔司。昔、武道館で何度も観たカードだが、
あの頃とは違う色合いに何となく惹きつけられた。
中継が終わり鍋に火をつけて、チャンネルを紅白に替える。
森進一「おふくろさん」、石川さゆり「天城越え」。
時代は変わりながらも、止まっているものは止まっているのか。
紅白が終わって、成田山新勝寺の鐘がゴ〜ン
沸騰した鍋にソバを投げ込んで自分にとってはお騒がせの2008年を終える。

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